サ高住の建設費用はいくら?コスト削減のコツや業者の選定ポイントを解説

サ高住の建設費用はいくら?コスト削減のコツや業者の選定ポイントを解説

高齢化社会が進んでいる現代において、自由度の高い暮らしを継続しながら充実した支援を受けられるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の人気が高まっています。

社会貢献活動ができることから、不動産投資においても有力な投資先の1つです。

しかし、サ高住に馴染みがない方からすると、「建設費用がどれくらいかかるか、分からない」という不安もあるでしょう。

この記事では、サ高住の建設費用や施工費が高い理由について解説します。

活用できる補助金などコスト削減のコツや、建設業者の選定ポイントもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

なお、資産家が取り組める社会貢献活動は、サ高住以外にもあります。

社会貢献活動の基礎知識や事例を知りたい方は、こちらも記事もあわせてチェックしてみてください。

【関連記事】社会貢献事業とは?資産家が取り組むべき理由や具体例を解説

 

 

サ高住の建設費用はいくらかかる?

サ高住の建設費用は、おおむね下表の通りです(定員20名/敷地面積約300坪/延べ床面積約500坪を想定)。なお、各数値はあくまでも参考となります。

項目 費用
土地取得費用 5,000万円(1坪10万円×500坪)
施工費用 3億5,000万円(1坪70万円×延べ床面積500坪)
家具費用 8,000万円
備品費用 1,000万円
合計 4億円9,000万円

※坪単価は地域などによって異なります

サ高住の建設費用は、一般的な賃貸物件や戸建て住宅などと比べると高額です。

高額になる要因としては、建物全体のバリアフリー化や法律にのっとった設備基準のクリアが必要な点にあります。

サ高住運営の基礎知識としてメリット・デメリットや収入源などについて知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

【関連記事】サ高住経営は儲かる?メリット・デメリットや注意点をわかりやすく解説

 

サ高住建設にかかる費用の内訳

サ高住建設にかかる費用の内訳は、主に以下の4つです。

  1. 土地取得費用
  2. 施工費用
  3. 家具費用
  4. 備品費用

それぞれの費用について解説します。

 

内訳①:土地取得費用

土地取得費用は、サ高住の建設場所や土地の広さによって大きく異なります。

土地取得にかかる費用の内訳は、以下の通りです。

  • 土地本体代金
  • 仲介手数料
  • 印紙代
  • 登記費用(登録免許税、司法書士報酬)
  • 不動産取得税
  • 固定資産税、都市計画税(日割り精算分)

上記以外にも、土地によっては上下水道引き込み工事費や地盤改良費用などがかかる可能性があります。

また、不動産会社に報酬として支払う仲介手数料は「3%+6万円+消費税」で算出されます。

土地そのものの費用以外にもまとまったお金が必要となるため、注意が必要です。

 

内訳②:施工費用

サ高住の建設費用の内訳で、最も高額になるのが施工費用です。

サ高住は一般の住宅と異なり、以下の設備基準を満たす必要があるために高額になりやすい傾向があります。

  • 原則個室
  • 各居室の床面積は25㎡以上
  • 原則、居室には水洗トイレや洗面設備などが必要
  • 段差の解消や手すりの設置などバリアフリー構造が必要

なお、各居室の床面積は食堂などの共用スペースについて十分な面積が確保できれば、18㎡以上でも問題ありません。

とはいえ、高齢者が暮らしやすくなる設備や空間を導入しようとすると、費用はおのずと高くなるでしょう。

 

内訳③:家具費用(介護会社負担もあり)

サ高住では基本的に家具類は必要ありませんが、高齢者が入居しやすいようにあらかじめ設置しておくと喜ばれます。

  • 各居室のベッドや収納棚など
  • 食堂や談話スペースなど利用者が集う場所のテーブルやソファー など

上記のほかにも、テレビや冷蔵庫などの家電も設置するとさらに費用はかかります。

介護会社が負担するケースもありますが、あらかじめ予算を組んでおくと想定外の支出が出ずにキャッシュフローを管理しやすくなるでしょう。

 

内訳④:備品費用(介護会社負担もあり)

サ高住に必要な備品は、以下の通りです。

  • 清掃用具
  • トイレットペーパーやティッシュペーパー
  • 蛍光灯など予備の照明
  • 掲示板やホワイトボード
  • 職員が利用する筆記用具 など

そこまで金額がかかるものはありませんが、準備が不十分だと利用者や職員の不満が溜まり、運営に支障を来す可能性があります。

建設後、スムーズな収益確保につなげるためにも、些細なこととおろそかにせず、備品もきちんとそろえましょう。

 

サ高住建設にかかる費用が高い3つの理由

高齢者の居住を提供する意味では、サ高住と有料老人ホームは似ています。

しかし、同じ戸数でもサ高住の建設費用は下表の通り、有料老人ホームよりも高額です。

サ高住 有料老人ホーム
施工費用※ 3億5,000万円 3億1,200万円
家具費用 8,000万円 5,000万円
備品費用 1,000万円 1,000万円
合計 5億円 約2億7,000万円

※施工費用:サ高住は1坪あたり70万円、有料老人ホームは1坪あたり62.4万円で計算

サ高住の建設費用が高額になりがちな理由は、以下の3つです。

  1. 居室面積が広い
  2. 各居室にバリアフリー構造が必要になる
  3. 各居室への設備設置が求められる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

理由①:居室面積が広い

サ高住における各居室の面積は、有料老人ホームに比べて設備基準が厳しくなっています。

有料老人ホームにおける居室の最低必要面積は、13㎡(約8畳)です。

有料老人ホームは要介護認定を受けていることが条件となっているため、居室の広さよりも介護サービスに重きを置いているといえるでしょう。

一方、サ高住の居室の最低必要面積は、原則25㎡(約16畳)です。

高齢者が自立した生活をできるように、広めに設定されています。

居室あたりの最低必要面積が大きいほど施工費用は高くなるため、有料老人ホームより居室面積が広いサ高住のほうが高くなるのです。

なお、一般の単身者向け賃貸住宅の最低必要面積は、8㎡(約5畳)です。

サ高住における居室の面積は一般の単身者向け賃貸住宅と比べて約3倍必要なため、それだけ建設にかかる費用も高くなります。

引用元:
厚生労働省|平成30年4月2日 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について 
厚生労働省|サービス付き高齢者向け住宅について
国土技術政策総合研究所|共同住居型賃貸住宅の居住水準に係る基準の検討及び提案

 

理由②:各居室にバリアフリー構造が必要になる

サ高住は、車椅子での移動も快適に行える十分な広さに加え、以下のようなバリアフリー構造が必要な分、建設費用も高額になりがちです。

  • 高齢者が使いやすい高さの手すり
  • 段差のない床
  • スロープ など

近年では、バリアフリーに対応した住宅も当たり前になっていますが、サ高住は建物全体をバリアフリー構造にしなくてはなりません。

バリアフリー化を適用する範囲が広い分、他の高齢者施設よりも建設費用が高くなっています。

 

理由③:各居室への設備設置が求められる

各居室への設備設置を求められることも、サ高住の建設費用が高くなる要因です。

サ高住と有料老人ホームの各居室に必要な設備は、下表のように大きな違いがあります。

サ高住 有料老人ホーム
・台所
・水洗トイレ
・収納設備
・洗面設備
・浴室
特に指定なし

サ高住では設備自体はもちろん、水道引き込み工事や電気配線工事などの費用も必要です。

有料老人ホームは特に指定はなく、居室には水洗トイレ・洗面設備のみで、あとは共同というところも多く存在します。

サ高住の建設費用を考慮する際は、国が定める設備基準への理解が必須といえるでしょう。

 

サ高住の建設費用を抑える方法

サ高住の建設にかかる費用を抑える方法は、主に以下の3つです。

  1. 共用スペースを増やす
  2. 信頼できる建設業者を見つける
  3. 融資制度を活用する

なお、サ高住経営では建設費用以外にも、留意すべき点が複数あります。

失敗事例や対策方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

【関連記事】サ高住経営で失敗する要因とその対策方法をわかりやすく解説

 

方法①:共用スペースを増やす

サ高住は基本的には、各居室に以下の設備設置が必要です。

しかし、以下の設備について、共用するのに十分な広さが確保されれば各居室への設置が不要になります。

  • 台所
  • 収納設備
  • 浴室

機能が充実したグレードの高い設備を共用スペースに設置すれば、トータルで見たときの建設費用を抑えることが可能です。

また、設備を共同で使用することにより、高齢者同士のコミュニケーションが生まれ、使いやすさとともに満足度が上がる可能性もあります。

上記の要件が満たされれば各居室の最低面積も18㎡以上に下がるため、設備費用を削減できた分とあわせると、建設費用を大きく抑えられるでしょう。

 

方法②:信頼できる建設業者を見つける

サ高住の建設は専門的な知識を必要とするため、過去に建設した実績がある建築業者を見つけることが重要です。

信頼できる建設業者が見つかれば、サ高住の補助金の申請もスムーズに進む可能性が高くなります。

また、サ高住に対する知識や実績が豊富な建築業者であれば、細かく定められている指定基準を満たしたうえで適切な設計を提案してくれるでしょう。

信頼できる建設業者を見つけられるかが、サ高住の建設にかかる費用を抑えられるカギになるといっても過言ではありません。

具体的な選び方について知りたい方は、次項の「サ高住建設を依頼する業者の選定ポイント」もぜひチェックしてみてください。

 

方法③:融資制度を活用する

サ高住の建設費用は、融資制度の活用によっても抑えられます。

代表的なのが、住宅金融支援機構が提供している「サービス付き高齢者向け賃貸住宅建設融資」です。

融資額 最大で建設事業費の100%
金利 35年固定金利、15年固定金利
どちらか選択可能
返済期間 最長35年

なお、融資の対象となる費用は以下の通りです。

  • 建築本体工事費
  • 電気工事費
  • 既存建物の解体工事費
  • 土地取得費
  • 火災保険料、地震保険料 など

一方、下記の費用は融資の対象になりません。

  • 仲介手数料
  • 入居者募集のための広告費用

昨今は不正融資が相次いで起こったため、民間の金融機関が扱う融資は審査が厳しくなっています。

住宅金融支援機構が提供する公的融資制度も条件が多く、簡単に審査が通るわけではありません。

しかし、超高齢化社会が迫っている現代では、サ高住事業は国を挙げての国策事業となっているため、審査が通れば建築にかかるほとんどの費用を融資や公的補助金で補えます。

自己資金の準備に不安がある場合は、融資制度などを有効活用しましょう。

なお、サ高住の建設では補助金や税制優遇制度なども活用できます。

詳細を知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

【関連記事】サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の補助金制度とは?

引用元:住宅金融支援機構|ご利用条件

 

サ高住建設を依頼する業者の選定ポイント

サ高住の建設はより専門的な知識を必要とするため、下記5つのポイントを踏まえて慎重に依頼先を検討することが大切です。

  1. 建設実績は豊富か
  2. 制度などに関する知識は十分あるか
  3. 丁寧にヒアリングしてくれるか
  4. 設計から施工まで対応可能か
  5. 事業の委託先へつないでくれるか

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

ポイント①:建設実績は豊富か

まずはサ高住の建設実績が豊富か、ホームページなどからチェックしましょう。

サ高住の建設には、居室の最低必要面積や必要な設備など満たすべき条件が多岐にわたります。

しかし、実績が豊富で設備基準などに精通している建設業者であれば、安心して工事を任せられるでしょう。

なお、弊社は46棟2,084戸の建設実績がある「ゴールドエイジ株式会社」と連携して、サ高住運営をサポートしています。

サ高住の建設はもちろん、実際の運営でもプロのサポートを受けたい方はお気軽にご相談ください。

 

ポイント②:制度などに関する知識は十分あるか

補助金や公的な融資制度などの知識が豊富にあるかも、大切なポイントです。

サ高住は国策事業として国が推進しているため、補助金以外にも融資制度や減税措置が設けられています。

このような制度を利用するには決められた条件を満たす必要があるため、依頼する建設業者が内容を深く理解している場合は適切なアドバイスが期待できるでしょう。

サ高住の建設における見積りを取る場合は、補助金などの制度の知識が豊富な建設業者かも確認することをおすすめします。

 

ポイント③:丁寧にヒアリングしてくれるか

サ高住建設に関しての要望を丁寧に聞いてくれるかも、業者を見極めるポイントです。

ヒアリングを通じて認識を統一したり、適切な提案を受けたりすることは、ご自身が理想とするサ高住建設に必須となります。

利用者が快適に暮らせるために考えていた要望であれば、なおさら反映してほしいものです。

また、要望を取り入れながらもしっかり利益が上げられるように、事業計画を提案してくれる建設業者かも重要となります。

予算を踏まえたうえで、しっかり要望を吸い上げ、適切なプランを提案してくれる建築業者を探しましょう。

 

ポイント④:設計から施工まで対応可能か

サ高住の建設業者を選定する際は、設計から施工まで対応してくれるかどうかも確認しましょう。

サ高住の建設業者によっては、設計は別会社に委託するところもあります。

委託が発生するとサ高住建設にかかる費用が割高になるうえ、別会社にきちんと要望が伝わらないケースも少なくありません。

設計が別会社になるとプランニングの提出にも時間がかかるため、工事の着工が遅れてしまうこともあります。

しかし、依頼した建設業者が設計から施工まで対応していれば、問題が発生した場合でもすぐに対処できます。

事業計画どおりのペースで進めるためにも、設計から施工まで対応可能な建設業者を選ぶことをおすすめします。

 

ポイント⑤:事業の委託先へつないでくれるか

サ高住の建設業者が運営業者とならない場合は、サ高住を運営してくれる優良な事業者につないでくれるかも確認しておきましょう。

オーナー自身が優良な事業者を探しても、スムーズに見つかるとは限りません。

建設業者が優良な事業者を紹介してくれれば、探す手間が省けることに加え、安心してサ高住の運営を任せられます。

サ高住の建設業者は、建築後の運営も見越して選定しましょう。

 

まとめ:サ高住の建設費用はやや高めだが将来性は抜群

サ高住の建設費用はやや高めではありますが、超高齢化社会が予想されている現代においてはニーズが高まっているため将来性は抜群です。

特に、社会貢献事業に取り組みたい資産家にはおすすめの不動産投資といえます。

サ高住運営のノウハウを獲得したい方は、優良物件などの情報を得られる100億円資産形成倶楽部への入会もおすすめです。

「将来のために資産形成したい」と考えている方は、オンラインセミナーもあわせてチェックしましょう!

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この記事の監修者

西尾 陽平
西尾 陽平
役職
土地活用事業部 執行役員
保有資格
資産形成シニアコンサルタント、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後同社へ入社し、地主さんの土地活用という資産形成や節税を実践で学び、現在は土地のない方へ、土地から紹介し不動産の資産形成の一助を行っている。実践の中で身に付いた視点で、分かりやすく皆様に不動産投資のあれこれをお伝えしています。