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2026.06.23
更新日:2026.06.23
資産形成ブログ
【ケース別】金投資にかかる税金の計算方法|賢く資産を守る節税対策も解説

金投資にかかる税金の計算方法は、現物あるいは金融商品の投資対象によって違いがあります。
安全資産と認識されている金は近年のインフレの進行とともに、価格高騰が継続中です。
「長期的に投資して大きな利益を得たい」とお考えの方も多いでしょう。
ただし、金投資にかかる税金を甘く考えていると、想定以上の税負担がかかる可能性があるので注意が必要です。
この記事では、金投資にかかる税金の計算方法をケース別に解説します。
金投資でかかる税金の種類や税金対策も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
INDEX
金投資とは

金投資とは、その名の通り貴金属の金(ゴールド)に投資することです。
具体的には金の需要と供給に応じた価格変動を利用し、売買差益(キャピタルゲイン)を狙う方法を指します。
金投資の種類は、下表の通りです。
| 種類 | 内容 | |
| 現物投資 | 金貨・金地金 | 金貨・金地金(変形させた金の塊)そのものを売買する |
| 金融商品 | ETF・投資信託 | 投資家から集めた資金を運用のプロが金に投資し、成果を分配する |
| 純金積立 | 定期的に一定額を積み立てて金を購入・売却する(契約内容や取引形態に応じて所得の分類が変わる) | |
インフレや有事に強い金は、装飾品に加えて工業品としても使われるなど世界的に一定の需要があり、投資対象として人気を集めています。
また、金は今後も長期的な上昇傾向は維持される見通しです。
金投資でかかる税金の種類

金投資でかかる税金の種類には、以下のように「所得税」と「消費税」の2つがあります。
- 所得税
- 消費税
計算方法を確認する前に、税金の概要を押さえましょう。
税金①:所得税
金投資でかかる税金の1つには、所得税があります。
所得税とは、1月1日から12月31日までの1年間における個人の所得に対してかかる税金のことです。
金投資で得られる所得は、下表のように譲渡所得・雑所得・事業所得のいずれかに該当し、所得の種類によって税金が発生するケースが異なります。
| 種類 | 内容 | 所得税が発生するケース |
| 譲渡所得 | 資産を売却などにより譲渡する際に発生する所得のこと | 金の売却後に利益が出た場合 |
| 雑所得 | 事業所得や給与所得といった10種類の所得のうち他の9種類に該当しない所得で、副業の所得などが当てはまる | 営利目的で継続的に金を取引して利益が出ている場合 |
| 事業所得 | 継続的な事業から得られる所得のこと | 継続的に金を商売として取引して利益が出ている場合 |
また、下表のように現物投資と金融商品のどちらに分類されるかによって、所得税の課税方法に違いがあるので注意が必要です。
| 現物投資 | 金融商品 | |
| 課税方式 | 総合課税 | 分離課税 |
| 特徴 | 他の所得と合算して計算し、5〜45%の累進課税が適用される | 他の所得とは分離して計算し、原則一律20.315%(住民税5%含む)の税率が適用される |
予定している投資方法や目的を踏まえて、どのように課税されるかを把握しておきましょう。
引用元:
・国税庁|所得税のしくみ
・国税庁|No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)
・国税庁|No.1500 雑所得
・国税庁|No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)
税金②:消費税
金投資では、金を購入する際に消費税の支払いが発生します。
消費税とは、商品やサービスの購入・提供に対して課される税金です。
標準税率は10%で、消費者が負担して事業者が納めます。
例えば、200万円の金を購入する場合の消費税は20万円です。
また、金投資などによる年間の売上などによっては、消費税を納付する義務が発生する場合があります。
消費税が発生するパターンは、下表の通りです。
| パターン | 内容 |
| 課税売上が1,000万円を超える場合 | 課税期間における基準期間の課税売上が1,000万円を超える場合は、2年後から納税義務が発生する |
| 適格請求書発行事業者として登録を受けている場合 | 登録期間中は、基準期間の課税売上が1,000万円以下でも消費税の申告が必要となる |
現在の課税売上が1,000万円に近い状態であれば、消費税の課税による影響を考慮しながら金投資を検討しましょう。
引用元:
・国税庁|消費税のしくみ
・国税庁|No.6501 納税義務の免除
金投資にかかる税金の計算方法【現物投資編】

現物投資の金投資にかかる税金の計算方法を、以下2つのケースに分けて解説します。
- 短期譲渡所得の場合
- 長期譲渡所得の場合
短期譲渡所得と長期譲渡所得の判断基準は、金の保有期間です。
保有期間が5年以内の場合は短期譲渡所得、5年を超える場合は長期譲渡所得をチェックしましょう。
ケース①:短期譲渡所得の場合
金の保有期間が5年以内で短期譲渡所得に分類される場合、所得税は売却価格から所定の費用と特別控除を差し引いて課税所得を計算し、その他の所得と合算後に税率を乗じて算出します。
具体的な計算方法は、以下の通りです。
| 金の売却価格-(取得費+譲渡にかかった費用)-譲渡所得の特別控除50万円 |
例えば、3年前に購入した1,500万円の金を2,000万円で売却し、譲渡までに50万円の費用がかかったケースを想定して課税所得をシミュレーションしましょう。
| 2,000万円-(1,500万円+50万円)-50万円=400万円 |
実際は上記の課税所得にその他の所得を合計して、所得税額を計算します。
その他の所得がないと仮定する場合、所得税は以下のように37万2,500円です。
| 400万円×所得税率20%-控除額42万7,500円=37万2,500円 |
なお、5年を超えて金を保有する長期譲渡所得のほうが所得税の点では有利となります。
保有期間を迷っている場合は、次の章で解説する長期譲渡所得も参考にしましょう。
ケース②:長期譲渡所得の場合
金の保有期間が5年を超えて長期譲渡所得に分類される場合の所得税は、短期譲渡所得と同様に売却価格から取得費などを差し引き、最後に課税所得を2分の1にしてから税率を乗じます。
具体的な計算方法は、以下の通りです。
| {金の売却価格-(取得費+譲渡にかかった費用)-譲渡所得の特別控除50万円}× 1/2 |
前述した短期譲渡所得と同じく、1,500万円の金を2,000万円で売却する長期譲渡所得のケースを想定して課税所得を試算しましょう。
| {2,000万円-(1,500万円+50万円)-50万円}× 1/2=200万円 |
金投資以外に合算する所得がないと仮定する場合、所得税は以下のように10万2,500円です。
| 200万円×所得税率10%-控除額9万7,500円=10万2,500円 |
同じ利益でも短期譲渡所得の所得税は37万2,500円であり、長期譲渡所得のほうが27万円も所得税が安くなっています。
なお、短期譲渡所得と長期譲渡所得を同時に得る場合、特別控除の限度額は両方で50万円で、先に控除されるのは短期譲渡所得であるため、シミュレーションの際は注意しましょう。
引用元:
・国税庁|No.3161 金地金の譲渡による所得
・国税庁|No.2260 所得税の税率
金投資にかかる税金の計算方法【金融商品編】

金融商品の金投資にかかる税金の計算方法を、以下2つのケースに分けて解説します。
- 金ETF・金投資信託の場合
- 純金積立の場合
投資を検討している金融商品に合わせて、計算方法をチェックしましょう。
ケース①:金ETF・金投資信託の場合
金ETF・金投資信託の所得税は、分離課税の方式で課税されるため、その他の所得とは関係なくETF・投資信託の利益に対して以下のように原則一律20.315%の税率を乗じて計算します。
| 金の売却価格-(取得費+手数料)×20.315% |
ただし、金ETF・金投資信託の税率には、所得税だけではなく住民税も含まれています。
税率の構成は、下表の通りです。
| 種類 | 税率 |
| 所得税 | 15.315% |
| 住民税 | 5% |
例えば、金ETF・金投資信託で200万円の利益を得るようなケースでは、税金は下表のように40万6,300円となります。
| 200万円×20.315%=40万6,300円 |
証券口座において源泉徴収ありの「特定口座」を選択している際は、利益に対して税金が自動で差し引かれているので、場合によっては確定申告が不要です。
これから金ETF・金投資信託を始める場合は、口座の種類も踏まえて検討しましょう。
引用元:国税庁|株式・配当・利子と税
ケース②:純金積立の場合
月々など定期的に一定額を積み立てて金を購入する「純金積立」は、投資信託といった金融商品のような性格を持っているものの、基本的には譲渡所得の扱いとなるので注意が必要です。
つまり、保有期間に合わせて短期譲渡所得、または長期譲渡所得として所得税を計算します。
また、営利目的で継続的に売買しているようなケースでは、純金積立の扱いは事業所得や雑所得です。
契約内容や取引形態によって所得の分類が変わるため、不明瞭な場合は税理士・税務署に相談して判断しましょう。
金融所得課税の特徴や日本と海外の金融所得課税の比較が気になる方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】金融所得課税とは?日本と海外を比較!最新の動きや引き上げのリスクも解説
金投資を成功させるうえで押さえておきたい税金対策

金投資を成功させるうえで押さえておきたい税金対策として、以下5つを紹介します。
- 5年超の保有期間を経てから売却する
- 「少額×複数年」の売却で特別控除の効果を最大化させる
- 購入時に発行される各書類を大切に保管する
- 相続した金は取得費加算の特例を利用する
- 年収によっては金融商品への乗り換えを検討する
それぞれのポイントを押さえて、金投資の税負担を軽減しましょう。
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税金対策①:5年超の保有期間を経てから売却する
現物を取引して金投資を実践する場合は、5年超の保有期間を経てから売却することで所得税の軽減につながります。
これは、金の保有期間が5年超の場合は長期譲渡所得の扱いとなり、課税の対象となる所得額が下表のように半分となるためです。
| 種類 | 保有期間 | 課税所得の計算方法 |
| 長期譲渡所得 | 5年以上 | {金の売却価格-(取得費+譲渡にかかった費用)-譲渡所得の特別控除50万円}× 1/2 |
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 金の売却価格-(取得費+譲渡にかかった費用)-譲渡所得の特別控除50万円 |
資産の短期転売による価格高騰や巨額の利益を抑制することを目的に、短期譲渡所得は税金が高く設定されています。
金投資の利益が大きくなればなるほど、長期譲渡所得のほうが税金の点ではお得です。
なるべく5年超の期間で金を保有して、税負担を軽くしましょう。
税金対策②:「少額×複数年」の売却で特別控除の効果を最大化させる
現物での金投資には年間50万円の特別控除が設けられているので、「少額×複数年」の売却で特別控除の効果を最大化させましょう。
一気に売却すると特別控除額を超えてしまうケースがあるため、計画的に売却することが重要です。
ただし、金投資の特別控除には注意点もあります。
特別控除は金投資による譲渡益と総合課税におけるその他の譲渡益を合計した額に対して適用されます。
つまり、その他の譲渡益がすでに50万円を超えていると金投資では特別控除を受けられません。
例えば、以下のような資産を譲渡する場合は総合課税の譲渡所得となります。
- 宝石
- 骨とう
- 船舶
- 車両
- 営業権
- 特許権
- 配偶者居住権
その年に取引する内容を踏まえたうえで、金を売却するかどうかを決めましょう。
税金対策③:購入時に発行される各書類を大切に保管する
金投資を成功させるうえで押さえておきたい税金対策には、購入時の各書類を保管しておく点もあります。
特に重要となるのが、金の取得費を証明する「購入証明書(計算書)」です。
購入証明書とは、金の購入時に付属する証明書のことで、売却後の確定申告で金の取得費を証明する書類として利用します。
購入証明書を紛失した場合、取得費を証明できないため売却価格の95%が利益と扱われ、大部分が課税対象になる可能性があるので注意が必要です。
例えば、200万円で取得した金を500万円で売却する際に、購入証明書があるケースの課税所得は単純計算で300万円となります。
一方で、購入証明書を紛失したケースの課税所得は475万円で、証明書があるケースとの差は175万円です。
なお、購入証明書は基本的に再発行ができないため、紛失しないように保管には十分に留意しましょう。
購入証明書のほかにも、領収書や銀行振込明細など金の購入時に発行される各書類は保管しておくことをおすすめします。
税金対策④:相続した金は取得費加算の特例を利用する
相続した金は「取得費加算の特例」を利用すると、税負担を抑えられる可能性があります。
取得費加算の特例とは、相続開始のあった日の翌日から申告期限の翌日以降3年を経過する日までに財産を売却する場合、譲渡所得の計算において相続税額の一部を取得費に加算できる制度です。
相続税額の一部を取得費に加算することで課税対象の所得額が抑えられるため、所得税の軽減につながります。
譲渡所得における「通常の計算方法」と「取得費加算の特例を使った計算方法」の比較は、下表の通りです。
| 種類 | 内容 |
| 通常の計算方法 | 金の売却価格-(取得費+譲渡にかかった費用)-譲渡所得の特別控除 |
| 取得費加算の特例を使った計算方法 | 金の売却価格-(取得費+相続税額の取得加算費+譲渡にかかった費用)-譲渡所得の特別控除 |
取得費加算の特例を受けるためには、「相続や遺贈により財産を取得している」といった条件があるので、あらかじめ確認しましょう。
遺産が1,000万円近くとなった場合の相続税について具体的な金額などを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】遺産1,000万円の相続税はいくら?要注意のケースや賢く抑えるコツも
引用元:国税庁|No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
税金対策⑤:年収によっては金融商品への乗り換えを検討する
金投資の税負担を軽減したい場合、年収によっては金融商品への乗り換えを検討しましょう。
これは、分離課税となる金融商品の税率が総合課税となる現物投資の税率を下回るケースがあるためです。
税率の違いは、下表の通りです。
| パターン | 税率 |
| 分離課税となる金融商品 | 単体の利益に対して原則一律20.315%が適用される |
| 総合課税となる現物投資 | 他の所得と合算して5〜45%の累進課税が適用される |
金投資を検討する段階で、税金に与える影響をシミュレーションしましょう。
乗り換え先を検討するために資産運用の種類について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】資産運用11種類のメリットやリスクを比較!初心者向けのコツも解説
金投資にかかる税金を賢く抑えたい方は

金投資にかかる税金を賢く抑えたい方は、不動産への投資がおすすめです。
不動産投資は経費のうちで大きなボリュームを占める建物費用を複数年にわたって減価償却するため、長期的な節税効果を見込めます。
金には不動産のような「減価償却」による所得税対策の効果がなく、利益を最大化するには「出口戦略」と「節税」が不可欠です。
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税と資産形成を両立させたい方は、ぜひご覧ください。
※不動産投資による節税は物件などの条件により効果が異なります。
節税を目的とした投資をする際は専門家のサポートを受けながら行いましょう。
金投資の税金に関するよくある質問

金投資の税金に関するよくある質問として、以下の2点を解説します。
- 税金がかからないケースはある?
- 購入価格が分からない場合の税金はどう計算する?
疑問を解消してから、金投資を始めましょう。
質問①:税金がかからないケースはある?
譲渡益が特別控除額の50万円以下であれば、金投資の税金は基本的にかかりません。
また、売却損が出た場合なども税金がかからない可能性があります。
ただし、現物の金投資は総合課税となり、単体の損益では税金の有無を判断できないため、不安がある場合は税理士や税務署に相談しましょう。
質問②:購入価格が分からない場合の税金はどう計算する?
金の購入価格が分からない場合の税金は、売却価格の5%を取得費として計算します。
また、購入価格を把握していても、金の取得費を証明する「購入証明書」を紛失しているようなケースも同様です。
大部分が利益として扱われてしまうため、購入時に発行される書類は、大切に保管しましょう。
まとめ:金投資にかかる税金は工夫次第で大きく減らせる

金投資にかかる税金の計算方法は、現物もしくは金融商品の投資対象によって異なります。
金は長期的に価格の上昇を続けており、投資によって利益を見込めるものの金単体での節税効果は薄いのが現状です。
建物費用の減価償却などにより節税効果を期待できる不動産投資も、あわせて検討しましょう。
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【関連記事】【一覧表】金融資産の「年齢別」保有状況|あなたは今どのステージにいる?
【関連記事】金融資産とは?純金融資産との違いや種類・日本人の保有額をわかりやすく解説
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この記事の監修者
土地活用事業部 執行役員
西尾 陽平
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[ 保有資格 ]
資産形成シニアコンサルタント、2級ファイナンシャル・プランニング技能士大学卒業後同社へ入社し、地主さんの土地活用という資産形成や節税を実践で学び、現在は土地のない方へ、土地から紹介し不動産の資産形成の一助を行っている。又、100億円資産形成倶楽部事務局責任者として、ご相談に乗っている。実践の中で身に付いた視点で、分かりやすく皆様に不動産投資のあれこれをお伝えしています。
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