不動産投資用ローンの借り換えとは?メリット・デメリットなどを解説

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不動産投資をおこなうとき、多くの場合は金融機関からお金を借りて始めることになります。そのローンはもちろん、毎月返済しなければいけません。

このとき、返済の負担を少しでも減らす方法として、不動産投資ローンの借り換えが選択肢になることがあります。といっても借り換えによって必ずしも返済が楽になるわけではありません。ポイントを押さえておかなければ、逆に損をしてしまう可能性もあります。

この記事では、不動産投資ローンの借り換えとはどのようなものであるのか、そのメリットやデメリット、注意点などについて具体的に解説します。

 


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不動産投資ローンの借り換えとは

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不動産ローンの借り換えとは、最初に融資を受けていた金融機関のローンを解約し、新たに別の金融機関でローンを組み直すことを指します。

このとき、新たな金融機関と交わした契約の内容が、元の契約の内容と総合的に比較して自分に有利であれば、借り換えによって得をすることになります。しかしそこにはさまざまな要因が絡んでくるので、慎重に判断しなければいけません。安易に飛びついてしまうと、むしろより多くのお金を支払わなければならなくなる可能性もあります。

具体的にどういう点に注目すればよいのか。次項からは具体的なメリット・デメリット・注意点を詳細に解説します。

アパートローンの金利相場に関しては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。

【関連記事】アパートローンの金利相場一覧!住宅ローンとの違いや利用対象も解説

不動産投資ローンを借り換える4つのメリット

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不動産投資ローンを借り換えるメリットとしては、以下の4つが挙げられます。

①返済額を減らせる
②金利の見直しができる
③信用力が向上する
④自分を高く評価してくれる金融機関が見つけられる

すべての条件を満たしている必要はありませんが、上記のうち複数を期待できるのであればそれに越したことはありません。1つ1つ見ていきましょう。

メリット①:返済額を減らせる

新しい金融機関との契約のほうが低金利なのであれば、当然ながら返済総額は元の契約よりも減ることになります。これは大きなメリットの1つです。

金融機関ごとに異なるローン商品を扱っているので、同じ人物が同じような金額を借りたとしても、どこでどのタイミングで借りたかによって金利は大きく異なります。より有利な条件を備えたローンを扱っている金融機関を見つけたのであれば、利用できるか相談してみましょう。

メリット②:金利の見直しができる

金利には大きく分けて「変動金利」と「固定金利」の2種類があります。変動金利は市場金利の変化に合わせて支払いが増減するタイプ。一方の固定金利は、市場金利の増減にかかわらず、契約の際に取り決めた金利での支払いが最後まで続くタイプです。

どちらが借主にとって得であるかは、市場金利の推移によって変化します。したがって、初めに契約したときには変動金利のほうが有利だったが、現在では固定金利のほうが有利であるといったことも起こり得ます。

借り換えをおこなうことで、最新の市場金利状況にもとづいて有利なほうに変更することが可能です。これも借り換えのメリットの1つです。

メリット③:信用力が向上する

中小の金融機関から大手の金融機関に乗り換えられれば、その分自身の信用力が向上します。信用力が向上すれば、新たに不動産を購入する際に審査が通りやすくなるなど、さまざまなメリットが生まれます。

現在利用している金融機関にそれほどのネームバリューがないのであれば、たとえばメガバンクと呼ばれる銀行などに借り換えることで、借金をステータスにできます。

メリット④:自分を高く評価してくれる金融機関が見つけられる

借主をどのように評価するかは金融機関によって異なります。そのため複数の金融機関を比較検討することで、今よりも自分を高く評価してくれる金融機関と出会える可能性があります。

もしそのような金融機関を見つけられたら、積極的に借り換えを検討しましょう。自分を評価してくれる金融機関との付き合いが生まれれば、その後もさまざまな面でお金を動かしやすくなります。

 

不動産投資ローンを借り換える3つのデメリット

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不動産投資ローン借り換えのデメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

①一括繰り上げ返済手数料がかかる場合がある
②さまざまな手数料や諸経費が発生する
③金融機関の信用を失う可能性がある

いずれも重要なものばかりなので、以下の解説を読んでしっかり把握しておきましょう。

デメリット①:一括繰り上げ返済手数料がかかる場合がある

不動産投資ローンを借り換える際には、元の金融機関に対して一括繰り上げ返済をおこないますが、その際には一定の手数料がかかります。金融機関からすれば、本来得られるはずだった金利が一括返済によってなくなるわけですから、そういった要求するのは当然であるといえるでしょう。

この一括繰り上げ返済手数料の金額次第では、借り換えのメリットが失われる可能性があります。

デメリット②:さまざまな手数料や諸経費が発生する

借り換えをする際には、保証料や印紙代、登録免許税、登記報酬料など細かい費用がいろいろと発生します。こういった費用の総額が、借り換えによって減らすことのできる支払総額を上回っているのであれば、逆に損をしてしまうので借り換えをする意味がありません。

検討している借り換えが総合的にみてメリットの大きいものであるか、事前にシミュレーションしておくことが大切です。

デメリット③:金融機関の信用を失う可能性がある

借り換えという行為は、元の金融機関から見れば、借主が自分を切り捨ててほかの金融機関に移るということです。このことによって元の金融機関は、得られるはずだった利息収入を失うことになります。借主の印象が悪くなることはいうまでもありません。

結果として、元の金融機関からの信用を失い、それ以降の付き合いができなくなるリスクを考えておく必要があるでしょう。

不動産投資ローンを借り換える際の5つの注意点

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不動産投資ローン借り換えの際に注意すべき点としては、以下の5つが挙げられます。

①借り換えないほうがよい場合もある
②借り換え時の借り入れ状況や資産価値が影響をおよぼす
③借り換えに関する情報は少ない
④複数の金融機関で比較検討をおこなう
⑤手続きには手間と時間がかかる

順番に見ていきましょう。

注意点①:借り換えないほうがよい場合もある

すでにデメリットを述べていることからわかるとおり、借り換えによって必ずしもメリットを得られるわけではありません。場合によっては借り換えによって逆に支払総額が大きくなってしまったり、わずかなお金のために信用を失ってしまったりすることもあり得ます。

本当に借り換えたほうがよい条件なのか、実行に移す前にしっかり考えることが大切です。

注意点②:借り換え時の借り入れ状況や資産価値が影響をおよぼす

不動産投資ローンを借り換える際には、借主の個人属性が改めて審査されます。また不動産を購入したときの資産価値ではなく、現在の不動産の資産価値が大きな意味を持つことになります。

したがって、現状があまりよくない場合には、思うように借り換えが進まない可能性もあります。少なくとも、クレジットカードの支払いを滞納したり、転職したばかりのタイミングで借り換えたりといったことは避けたほうがよいでしょう。

注意点③:借り換えに関する情報は少ない

借り換えに関する情報は、インターネットで見つけにくい点にも注意しておく必要があります。これは金融機関が情報開示に積極的でないためです。金融機関にとって、借り換えは審査の手続きが煩雑な割には利益にならないものなので、アピールする旨味が少ないのが理由です。

したがって金融機関ではない第三者による解説をしっかりと読み込み、自分から積極的に知識を身につけて動く必要があります。

注意点④:複数の金融機関で比較検討をおこなう

同じような金額を借りる場合でも、金融機関によって金利などさまざまな条件が大きく異なります。そのため可能な限り複数の金融機関をチェックし、ローン商品の内容を比較検討することが大切です。

また実際に相談に行ってみて、対面でどのような印象を受けたかも判断材料にしましょう。自分がその金融機関からどのように見られているか、実際の会話からある程度判断できるからです。

注意点⑤:手続きには手間と時間がかかる

ローンの借り換えは簡単な作業ではありません。複数の金融機関にまたがっておこなわれるものであるため、手続きには手間と時間がかかります。

したがって、あまりに忙しく借り換えのためにリソースを割くのが難しいのであれば、繁忙期が終わるまで借り換えを控えておくのも悪い選択肢ではありません。無理はしないようにしましょう。

不動産投資ローン借り換えの流れ

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不動産投資ローンを借り換える流れをざっくり紹介すると、以下のようになります。

①利用中の金融機関への返済額と条件を再度確かめる
②借り換え先を選ぶ
③新たな金融機関で審査を受ける
④利用中の金融機関等の手続きをおこなう
⑤新たな金融機関との手続きをおこなう
⑥新たな金融機関から受けた融資で元の金融機関のローンを完済する
⑦新たな金融機関と交わした契約に基づいて返済していく

特殊なことはほとんどありませんが、複数の金融機関にまたがるためある程度の手間がかかってしまう点には注意してください。

 

まとめ

不動産投資ローンの借り換えについて、メリットやデメリット、注意点などについて解説しました。

不動産投資ローンの借り換えは、必ずしも吉と出るとは限りません。しかし、しっかりと条件を見極めたうえでおこなえば、支払総額を減らしたり、自分にぴったり見合う理想的な金融機関に出会えたりするメリットがあります。

不動産投資ローンの借り換えを検討している方は、ぜひこの記事を参考にして、理想的な借り換えを成功させてください。

オンラインセミナーも随時開催しておりますので、スケジュールについては弊社ホームページ
セミナー情報」よりご確認ください。



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この記事の監修者

西尾 陽平
西尾 陽平
役職
土地活用事業部 執行役員
保有資格
資産形成シニアコンサルタント、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後同社へ入社し、地主さんの土地活用という資産形成や節税を実践で学び、現在は土地のない方へ、土地から紹介し不動産の資産形成の一助を行っている。実践の中で身に付いた視点で、分かりやすく皆様に不動産投資のあれこれをお伝えしています。