不動産投資ローンの種類とは?メリットやデメリットもあわせて紹介!

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不動産投資では、物件の購入・新築にかかる費用が高額になるため、ローンを組んで銀行等の金融機関から融資を受けるのが一般的です。

不動産投資を検討しているなら、不動産投資ローンに対する知識は、ぜひ身につけておきたいところです。

今回は、不動産投資ローンの借り入れを検討している方に向けて、主なローンの種類や組み方、融資を受けるメリット・デメリットについて、わかりやすく解説していきます。

 


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不動産投資ローンとは

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不動産投資に利用する賃貸物件等の購入・建築費用を金融機関から借り入れるためのローンを不動産投資ローンといいます。

不動産投資ローンを利用すれば、自己資金が少ない方でも不動産投資をはじめられます

不動産購入用の代表的なローンには、ほかに住宅ローンがあります。

しかし、住宅ローンは本人が居住する物件の費用にしか充てられないため、不動産投資には利用できません。そのため、投資には投資専用のローンを利用する必要があるのです。

不動産投資では物件に入居者から得られる家賃が主な収益源となり、ローンの返済もそこから行います。

そのため、不動産投資ローンの審査では、きちんと家賃収入から返済が可能かという収益性や物件自体の資産性なども対象になります。

 

不動産投資ローンの主な種類

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続いては、5種類の主な不動産投資ローンについてご説明します。

不動産投資ローンには金融機関ごとにさまざまな種類があり、それぞれ特徴や金利も異なるため、借り入れの際は、それらを踏まえて自分に合ったものを選択するのが大切です。

 

①都市銀行

都市銀行(メガバンク)は、東京や大阪など大都市に本店を置き、全国各地に展開している大手の金融機関で、金利が低く、20年以上の長期借り入れも可能なのが特徴です。

そのぶん審査は厳しく、物件の事業性はもちろん、現在の勤務先や過去の収入など細かな条件をクリアしないと融資してもらえません。

銀行によっては投資用ローンに消極的でパッケージ商品を扱っていないところもあります。

審査に時間がかかるのも特徴で、ハードルは高いといえるでしょう。

ただ、物件の価値や収益性が認められれば好条件で融資を受けることも可能です。

 

②地方銀行

特定の地域を中心に経営を行っている銀行で、都市銀行と比べると金利は高めですが、審査基準は緩めに設定されています。

銀行によって投資用ローンに対する姿勢が異なり、積極的に力を入れているところもあれば、そうでないところもあります。

都市銀行の特徴として、地域密着型で活動の地域が限られている点が上げられます。

銀行によっては融資できるエリアが限られていたり、特定の地域に居住していないと融資対象にならなったりする場合があります。

居住している地域の銀行や購入物件の近くに支店がある銀行など、ある程度地縁があるところなら、利用者しやすいといえるでしょう。

 

③ノンバンク

貸付業務のみで預金業務を行っていないクレジットカード会社や事業者金融、信販会社などをノンバンクといい、なかには住宅投資用ローンを扱っているところもあります。

金利は高めに設定されていますが、そのぶん、比較的長期での借り入れが可能で、審査基準も低めで融資を受けやすいのが特徴です。

担保評価で独自基準を設けている場合も多く、木造で築年数の多い物件や再建築付加物件のようにほかの金融機関では融資が難しい物件であっても柔軟に対応してもらえる傾向があります。

銀行でローンが組めない場合などは、融資を受けられる可能性があるため、一度検討してみるとよいでしょう。

 

④信用金庫・信用組合

会員や組合員の共同出資による非営利団体で、地域経済の発展に寄与することを目的に運営されています。

ローンや審査など、大まかな部分は地方銀行と似ていますが、信用金庫・信用組合の場合は、さらに地域密着型です。

地域社会への貢献も目的の1つになっているため、融資できるエリアも限られており、物件の所在地や居住エリアによっては融資を受けられなくなる可能性もあるので注意が必要です。

 

⑤日本政策金融公庫

財務省が所管している政府系金融機関で、企業の創業支援や事業再生支援など幅広い融資を行っていて、中小企業への貸付という位置づけで不動産投資にも融資を行ってもらえます。

金利は低く固定金利になっているのが特徴で、借入期間は10年と短めですが、審査条件も民間とは違い、融資は比較的受けやすいといえるでしょう。

女性や若者、55歳以上のシニアを支援する制度もあるため、ほかの金融機関ではローンを組みにくい方でも融資を受けられる場合があります

 

不動産投資ローンを組む3つのメリット

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不動産投資をはじめる際は、できるだけローンを組むべきといえるでしょう。

その理由として、不動産投資ローンを組む3つのメリットをご説明します。

 

①レバレッジ効果を効かせられる

不動産投資ローンをおすすめする一番の理由は、レバレッジ効果を得られるようになる点です。

レバレッジは「てこの原理」を意味し、少ない自己資金を原動力に大きな利益を得ることをレバレッジ効果と呼びます

投資用ローンを組めば、自己資金や自分の年収を遥かに超える高額の物件を購入・建築できるようになり、それだけ得られるリターンも大きくなります。

レバレッジ効果を活かせば、手元の資金を借入金の返済に充てることや、ほかの投資に利用して、さらに利益の拡大も狙うこともできます。

 

②自己資金を手元に残せる

不動産投資ローンを組めば、自己資金を全て投資に充てる必要がなくなるため、手元に資金を残せるようになります。

不動産投資では購入後にも、修繕費や管理費などさまざまな出費が必要になり、なかには急な出費が発生するケースもあるため、手元にいつでも使える資金を残しておけば安心です。

残しておくべき金額は自分の収入3か月分といわれますが、ローンを利用しなければ、それだけの金額を残して物件を購入するのは難しいでしょう。

安定した不動産投資を行うためにはローンを組んで、できるだけ手元に資金を残すべきといえます。

 

③家賃収入をローンの返済に充てられる

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不動産投資ローンを利用すると、家賃収入でローンを返済しながら、少しずつ資産を増やせるようになります。

家賃収入を利用すれば、ローンの繰り上げ返済が可能になり、ローンの完済期間も短くなります。

そのぶん、次の物件を購入するなど、新しい投資に収入を使えるようになります

そして、2件目の物件は1件目と2件目の家賃収入で繰り上げ返済していけば、さらに短期間で完済できます。

このように、家賃収入を上手く利用すれば、ローンを早く返済しながら投資物件を増やしていくことも可能です。

 

不動産投資ローンを組む2つのデメリット

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反対に、不動産投資ローンを組むことで、次の2つのデメリットも発生します。

 

①利息が生じる

不動産投資ローンも借り入れにあたるものですから、当然、利子が生じます。

特に、不動産投資ローンは20年~30年ほどと期間が長く、数%程度の利子であっても、総額が数百万円になってしまいます。

例えば、2,000万円を2%の利子で30年借りた場合の利息は約887万円です。

また、金利は経費計上もできますので、メリット面も少なからず存在しています。

利息は繰り上げ返済によって軽減できるため、収支を計算して、しっかりと返済計画を立てることが大切です。

 

②物件に対して抵当権が設定される

不動産投資ローンでは、物件に担保として抵当権を設定する場合が多く、もし返済に行き詰まると物件の差し押さえや競売が行われます

返済が滞りなく行われていれば、抵当権が設定されていても問題はないのですが、完済までは差し押さえや競売のリスクを負うことは理解しておく必要があります。

 

不動産投資ローンを組む際の大まかな流れ

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実際に不動産ローンを組む際は、以下のような流れになります。

 

① 事前審査

仮審査とも呼ばれ、融資可能かどうかを金融機関が調査します。ここで、融資可否はもちろん、融資額や金利も決められます。

② 物件の購入申し込み

本審査前に物件の購入申し込みを行い、売買契約を結びます。このとき、審査に落ちたときに解除できるローン特約があるかどうかを確認してください。

③ 本審査

事前審査通過後、本審査を経て、いよいよローンを借りられるようになります。本審査期間は金融機関により異なりますが、1週間から1か月程度が目安です。

④ 金銭消費貸借契約

金融機関と金銭消費貸借契約を締結し、正式なローン契約を結びます。契約書には金利や返済計画が書かれているので、よく確認しておきましょう。

⑤ ローンの実行

物件引き渡し時に不動産投資ローンによる融資が実行されて完了となります。所有権の移転後、金融機関による抵当権設定が行われます。

【関連記事】不動産投資の融資とは?メリット・デメリットやローンを組む際に目安となる年収をご紹介

まとめ

不動産投資ローンを利用すれば、少額の自己資金でも投資をはじめられ、レバレッジ効果や家賃収入によるローン返済など、多くのメリットがあります。

不動産投資を行うときは、ぜひ不動産投資ローンを利用すべきといえるでしょう。

ただ、不動産投資ローンには利息や抵当権といったデメリットも存在しています。

そのため、借り入れの際は、金融機関の種類や金利、借入期間などをよく検討した上で、自分に合った金融機関を選択するようにしてください。

オンラインセミナーも随時開催しておりますので、スケジュールについては弊社ホームページ
セミナー情報」よりご確認ください。



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この記事の監修者

西尾 陽平
西尾 陽平
役職
土地活用事業部 執行役員
保有資格
資産形成シニアコンサルタント、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後同社へ入社し、地主さんの土地活用という資産形成や節税を実践で学び、現在は土地のない方へ、土地から紹介し不動産の資産形成の一助を行っている。実践の中で身に付いた視点で、分かりやすく皆様に不動産投資のあれこれをお伝えしています。