マンション経営で赤字?対処法や赤字にならない対策も徹底解説

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「マンション経営をしたいけど、赤字になったらどうしよう」

このように、マンション経営を検討中であるものの、赤字が続いた時はどうしたらいいか不安に思う方は多いのではないでしょうか。

購入金額が高いので、収支がマイナスになってしまったらと思うと、なかなか決断できませんよね。

そこでこの記事では「マンションが赤字になった時の対処法と赤字にならない対策」について解説していきます。

マンション経営に興味のある方だけでなく、マンション経営を始めて間もない方もぜひ参考にしてみてください。

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マンション経営における赤字とは?

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マンション経営における赤字は、次の2つの状態を意味します。

1.帳簿上の赤字
2.実際の収支の赤字

それぞれの赤字が、どのような状態なのかをみていきましょう。


マンション経営の赤字①:帳簿上の赤字

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1つ目は「帳簿上の赤字」です。

帳簿上の赤字というのは、収入や支出を記録した記録簿の、収支合計がマイナスとなる状態のことを指します。

しかし、帳簿に記載されている収支の中には、実際にお金のやり取りが発生していない場合が含まれていることに注意してください。

特に注意して欲しいのが「減価償却費(げんかしょうきゃくひ)」です。

減価償却費は、マンションなどの不動産を購入した際にかかった費用を、定められた年数で割り、1年ごとに少しずつ費用として計上することを認められた経費を指します。

実際には経費として払ったわけではありませんが、帳簿上では経費として計上する項目です。

そのため、利益が少なかった場合に帳簿上のみ赤字となる可能性もあるでしょう。

赤字となった時は、一度帳簿の収支内容をチェックし、減価償却費が原因となっていないかチェックしてみてください。


マンション経営の赤字②:実際の収支の赤字

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2つ目は「実際の収支の赤字」です。

帳簿上の赤字と違い、実際にお金が動いた結果、収入よりも支出が多く、資産が減ってしまった状況を示します。

次項からは、赤字になりやすいパターンや、赤字になった時の対処法など、赤字を回避するためにはどうしたらいいかという点を詳しく解説していきますので「赤字になったらどうしよう」と不安に思う方は、チェックしてみてください。

【関連記事】マンション経営にかかる8つの初期費用と5つの維持費を徹底解説


マンション経営で赤字になりやすいパターン

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マンション経営で赤字になりやすいパターンは、次の3つです。

1.周辺状況の変化
2.入居者トラブル
3.空室が続く

マンション経営を考えている方や、マンション経営を今おこなっていて、これらに当てはまるパターンがある方は、早めに対処へ動き出しましょう。


パターン①:周辺状況の変化

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1つ目は「周辺状況の変化」です。

マンション経営を始めた時に想定していたターゲット層が、獲得できないような状態になると、赤字になることがあります。

例えば、このような場合です。

・近くに小学校が統廃合でなくなった
・大企業が撤退した
・スーパーが閉店した

何か1つに頼ってマンション経営を続けていると、頼っていたものが変化し、なくなった場合に収入がなくなってしまいます。

将来的な変化や、起こりうる可能性を含めて投資計画を立て、慎重に物件選びをすることが大切です。


パターン②:入居者トラブル

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2つ目は「入居者トラブル」です。

起こりうるトラブルは、次のようなことがあります。

入居者同士のトラブル ・騒音などの迷惑行為
・ゴミ出しのルール違反
・駐車違反
入居者と管理会社・オーナー(自分)とのトラブル ・契約内容との相違
・所有スペースの修繕
・家賃の延滞

入居者同士のトラブルの他に、契約内容との相違があったり、修繕が必要な際に不満があったりすると、管理会社や自分と入居者のトラブルが起きることもあるため、想定するトラブルに対して対処法を考えておくのが大切です。

また、入居者の不満がたまってしまった場合、退去する方が増え、収入が減ってしまうため、入居者の心の声に耳を傾けることが必要になります。


パターン③:空室が続く

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3つ目は「空室が続く」というパターンです。

空室が続いてしまう理由としては、下記のようなことが想定されます。

・入居者トラブルが解決しなかった
・物件に魅力がなかった
・近くに人気の賃貸物件ができた

実際に入居した方のトラブルが解決しなかったことや、物件自体に魅力がなく、入居を希望する方が少ないことが、空室が続く理由の1つです。

また、自分が所有する物件の問題だけでなく、近くに人気の賃貸物件ができるなど、周辺状況の変化も影響します。

「満室になったから、もう何もしなくて大丈夫」と思わず、周辺状況の変化のリサーチは続け、自分の物件が魅力のあるものでいられるように、入居者の不満を解決してあげるなどの工夫をしましょう。


マンション経営で赤字になった時の対処法

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もしマンション経営で赤字になってしまったら、その年は「損益通算」をして、課税所得の計算の対象となる所得額を減らしましょう。

損益通算というのは、マンション経営の所得以外の所得と合算して、所得額の計算ができる手続きのことです。

【例】
・マンション経営:赤字500万円
・給与所得:700万円

〜損益通算〜
700万円-500万円=200万円
→200万円が所得額となり課税する金額を計算する

課税する金額は、所得が多いほど多くなりますが、マンション経営で出した赤字をマイナスできるので、課税する金額が少なくなります。

赤字が出てしまった場合、少しでも資産を減らさないためには、支出を減らすことが必要なので、損益通算の手続きのことは覚えておいてください。


マンション経営で赤字にならない4つの対策

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マンション経営で赤字にならないための対策は、下記の4つです。

1.税金の基礎知識を学ぶ
2.一時的な赤字は気にしない
3.早期売却も視野に入れる
4.管理費を抑える工夫をする

これからマンション経営を始める方は、始めた後で赤字とならないように、4つの対策をしっかりしておきましょう。


対策①:税金の基礎知識を学ぶ

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1つ目は「税金の基礎知識を学ぶ」ことです。

不動産であるマンションを所有し、賃貸として貸し出して利益を得ると、必ず税金がかかります。

・不動産所得税
・印紙税
・登録免許税
・固定資産税

また、マンション経営のみで収入を得ている方は確定申告、本業がある方でも会社がおこなう申告以外に収支の状況を申告しなければいけません。

申告をした結果、所得税と住民税が計算され、納税することになります。

申告の際、前項でお伝えした「損益通算」を利用して、過剰に節税をしようとする方もいますが、無理に経費を支出しても大きな節税効果は得られないので注意してください。

損益通算はあくまで、赤字になった時の対処法です。

他の税金を含めて、基礎知識をしっかり学び、間違った節税対策をして赤字が続かないようにしましょう。


対策②:一時的な赤字は気にしない

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2つ目は「一時的な赤字は気にしない」ことです。

特に、マンション経営を始めて間もない頃は、ローンの返済や修繕費、管理会社への支払いなどから、一時的な赤字になりやすい状態にあります。

順調に入居者が決まり、満室になっているか、空室率が徐々に下がっているのなら、あまり赤字は気にしないようにしましょう。


対策③:早期売却も視野に入れる

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3つ目は「早期売却も視野に入れる」ことです。

マンション経営は、ずっと無理に所有し続ける必要はありません。

・計画通りに進まず赤字が続いている
・空室が埋まらない
・周辺状況が変わって入居希望者がいない

このような改善が見込めない状態である場合、早期に判断し、売却を進めていきましょう。

タイミングとしては、購入した時の金額を「家賃収入+売却価格」が越えている時がベストです。

赤字とはならないため、今は赤字でも、最終的な決算には黒字にできます。


対策④:管理費を抑える工夫をする

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4つ目は「管理費を抑える工夫をする」ことです。

マンション内の掃除や設備の点検などを任せる管理会社は、会社によって契約金額が異なります。

場合によっては、オーナーである自分でも対応可能であったり、他の代行サービスを利用したりした方が安く済ませられることもあるので、定期的に見直してみましょう。


まとめ

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この記事では「マンション経営で赤字にならないための対処法や対策」について解説してきました。

ポイントは以下の通りです。

【対処法】
損益通算して所得を合算する

【対策】
1.税金の基礎知識を学ぶ
2.一時的な赤字は気にしない
3.早期売却も視野に入れる
4.管理費を抑える工夫をする


赤字には「帳簿上の赤字」と「実際の収支の赤字」の2種類があり、帳簿上の赤字は問題がないこともあります。

しかし、問題がないと判断するには、税金の基礎知識や今後の細かい計画が必要です。

自分で「問題のある赤字」なのか、「改善が見込める赤字」なのかを判断できるように、不動産に関する知識だけでなく、帳簿や確定申告などについても理解しておきましょう。


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この記事の監修者

西尾 陽平
西尾 陽平
役職
土地活用事業部 執行役員
保有資格
資産形成シニアコンサルタント、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後同社へ入社し、地主さんの土地活用という資産形成や節税を実践で学び、現在は土地のない方へ、土地から紹介し不動産の資産形成の一助を行っている。実践の中で身に付いた視点で、分かりやすく皆様に不動産投資のあれこれをお伝えしています。