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不動産投資ローンの金利ランキング!相場や返済額のシミュレーションも解説

不動産投資ローンの金利ランキング!相場や返済額のシミュレーションも解説__

不動産投資で利用する物件の購入は高額になりがちであり、多くの方がローンを活用します。
しかし、契約先によって金利が異なるうえ、利回りにも影響するため、最新の情報が気になる方も多いでしょう。

この記事では不動産投資ローンの金利ランキングについて、金融機関タイプ別・契約先別で解説します。
金利の相場や返済額のシミュレーションのほか、よくある質問もあわせて紹介。
不動産投資ローンの利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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不動産投資ローンの基礎知識

不動産投資ローンの基礎知識として、以下の3つを解説します。

  1. 住宅ローンとの違い
  2. 契約先の種類
  3. 金利の種類

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

住宅ローンとの違い

不動産投資ローンと住宅ローンは、融資を受ける「ローン」として同じようですが、その性質や条件には大きな違いがあります。
それぞれの違いは、下表のとおりです。

不動産投資ローン 住宅ローン
使用目的 不動産投資事業用の物件の購入 ご自身で住むための物件の購入
審査基準 不動産物件の収益性及び担保価格 契約者の年収などの属性及び担保価格
金利水準 高め 低め
返済原資 主に購入物件の家賃収入 主に契約者の給与などの所得
返済期間 建物の耐用年数 通常期間35年以内

不動産投資ローンは投資物件の状態と収益性で決まる一方で、住宅ローンは契約者個人の状態が重視される傾向にあります。

 

契約先の種類

不動産投資ローンの契約先は、下表の5つです。

契約先 特徴
メガバンク・都市銀行 ・審査基準が厳しめ
・銀行によっては消極的
・優良物件であれば好条件を提示
地方銀行 ・銀行によって融資への姿勢に相違あり
・融資エリアが限定的
・融資対象条件あり
ノンバンク ・審査基準が低め
・ほかの金融機関より融資への対応が柔軟
・金利が高め
・比較的長期で借り入れが可能
信用金庫・信用組合 ・審査は地方銀行と似た対応
・融資エリアが限定的
住宅金融支援機構 ・公的機関で安心感大
・特定の条件による融資制度

地方銀行や信用金庫・信用組合は融資エリアや融資対象者が限定的であるため、事前に確認しましょう。
契約先別のメリット・デメリットなどについて詳しく知りたい方は、下記の記事もぜひ参考にしてください。

【関連記事】​​不動産投資ローンの種類とは?メリットやデメリットもあわせて紹介!

 

金利の種類

不動産投資ローンには、大きく分けて固定金利と変動金利の2種類のタイプがあります。

固定金利は、借入期間中の金利が一定で固定されているタイプです。
一方で変動金利は、市場の金利変動に応じて一定期間ごとに見直しされるタイプになります。
それぞれのメリット・デメリットは、下表の通りです。

固定金利 変動金利
メリット ・市場金利の上昇リスクを回避しやすい
・返済計画が立てやすい
・金利が低い
・金利低下により返済負担が減少、投資利回りが改善しやすい
デメリット ・金利が高い
・市場金利が低下しても金利変動しない
・金利上昇により返済負担が増加、投資利回りが悪化しやすい
・返済計画が立てにくい

投資家によって許容できるリスクや金利動向の考えは異なるため、ご自身に合う金利タイプを選択しましょう。
不動産投資における利回りの基礎知識や計算方法について知りたい方は、以下の記事もあわせてチェックしてみてください。

【関連記事】​​不動産投資の利回りとは?平均や理想の数値・最低ラインを解説|計算方法も

 

【金融機関タイプ別】不動産投資ローンの金利ランキング

不動産投資ローンにおける金融機関タイプ別の金利ランキングは、下表のとおりです。

順位 金融機関タイプ 金利
1位 メガバンク・都市銀行 金利水準の公開なく、おおよそ1%台
2位 地方銀行 ・メガバンク・都市銀行より高金利
・不動産投資ローンに積極的な銀行は1%後半から3%程度が目安
・不動産投資ローンに消極的な銀行は4%から5%程度が目安
・参考:東京スター銀行
 固定金利:年1.80%〜年8.70%
 変動金利:年1.00%〜7.50%
3位 信用金庫・信用組合 ・メガバンク・都市銀行や地方銀行より金利水準が高い・
・参考:あすか信用組合
 変動金利年1.9%〜2.9%
4位 ノンバンク ・銀行よりも金利水準が高い
・企業によって金利差が大きい
・参考:セゾンファデックス
 固定金利:4.50%〜9.90%
 変動金利:2.75%〜4.55%

審査基準が厳しいほど、金利が低くなりやすい傾向にあります。
購入物件の金額が大きければ、金利の違いで投資計画が大きく変わります。
金融機関タイプ別における金利の相場や特徴について知りたい方は、下記の記事もぜひ参考にしてください。

【関連記事】不動産投資ローンの金利はどれくらい?相場や2種類の金利を比較!

引用元:
東京スター銀行|スター不動産担保ローン
あすか信用組合|不動産投資ローン

 

【契約先別】不動産投資ローンの金利ランキング

不動産投資ローンの金利は以下に挙げる4つの契約先でも、それぞれ差があります

  1. メガバンク・都市銀行
  2. 地方銀行
  3. ノンバンク
  4. 信用金庫・信用組合

住宅金融支援機構が発表している参考金利とあわせて、1つずつチェックしていきましょう。
なお、弊社ゴールドトラストでは、金利を含め不動産投資について学べる「セミナー」を開催中です。
優良物件の情報交換などもできる「100億円資産形成倶楽部」も運営しているので、あわせてチェックしてみてください。

 

種類①:メガバンク・都市銀行

名称 金利 借入可能金額 返済期間 対象エリア
三井住友銀行 ・変動金利
・固定金利特約
200万円以上
・賃貸物件の建築・購入価格などの範囲内
最長35年 指定なし
りそな銀行 ・変動金利
・固定金利選択
100万円以上3億円以内 最長30年 指定なし
埼玉りそな銀行 ・変動金利
・固定金利選択
100万円以上3億円以内 最長30年 指定なし

メガバンク・都市銀行は前述のとおり、不動産投資ローンに消極的であり、金利水準を公開していません。
銀行によっては融資商品として公開していない銀行もあります。
詳細は直接、金融機関の窓口にお問い合わせください。

 

種類②:地方銀行

名称 金利 借入可能金額 返済期間 対象エリア
スルガ銀行 変動金利
1.5%~4.1%
窓口問い合わせ 最長35年 指定なし
滋賀銀行 変動金利
1.95%~4.875%
​​300万円以上4,500万円以内 最長30年 指定なし
福岡中央銀行 変動金利
1.5%〜2.5%
300万円以上2億円以内 最長35年 指定なし

地方銀行では多くの銀行が融資商品として公開しているため、融資内容についての条件などを把握しやすいでしょう。
金利についても数字での公開がありますが、変動金利のため正確な返済額は把握できません。

 

種類③:ノンバンク

名称 金利 借入可能金額 返済期間 対象エリア
ASAX 固定金利
1.95%〜6.9%
300万円〜10億円 最長35年 東京、神奈川、埼玉、千葉の一都三県
SBIエステートファイナンス 変動金利
2.4%〜6.5%
300万円〜10億円 最長25年 東京、神奈川、埼玉、千葉の一都三県
セゾンファンデックス 変動金利
3.75%〜5.15%
100万円〜5億円 最長30年 東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、京都、愛知の各都府県
札幌市、仙台市、岡山市、広島市、福岡市、那覇市

ノンバンクは対象エリアが限定されており、地方物件の購入には利用しにくいでしょう。
借入可能金額の上限が大きいですが、金利も比較的高いため、慎重な判断が求められます。

 

種類④:信用金庫・信用組合

名称 金利 借入可能金額 返済期間 対象エリア
あすか信用組合 変動金利
1.9%~2.9%
300万円〜3億円 最長35年 東京、神奈川、埼玉、千葉の一都三県
東京シティ信用金庫 ・変動金利
・固定金利特約
・200万円以上3億円以内
・物件購入価格などの範囲内
最長30年 営業地区内
横浜信用金庫 ・変動金利
・固定金利
・100万円以上
・担保価格の範囲内
・団体信用生命保険を付保する場合は5,000万円
最長30年 営業地区内

信用金庫・信用組合は地域に根ざした金融機関であるため、柔軟に対応してもらえる可能性があるでしょう。
対象エリアや契約者の居住地が限定されている特徴があるため、融資商品の概要とともに取引相手となれるか確認が必要です。

 

種類⑤:住宅金融支援機構

住宅金融支援機構は不動産投資ローンの参考金利を公開しており、令和6年9月時点で15年固定1.54%、35年固定1.76%となっています。

利用するためには、制度にあった条件に適用することが必要です。
ただし、あくまで参考金利のため、収支や資産によって変動があることに注意しましょう。

引用元:住宅金融支援機構|令和6年賃貸住宅融資金利

 

不動産投資ローンの金利差を踏まえた返済額シミュレーション

不動産投資ローンは金利によって返済する金額が変わります。
ここでは、不動産投資ローンの返済額シミュレーションについて、以下に挙げる2パターンと結果について解説します。

  1. 金利1.5%の場合
  2. 金利2.5%の場合
  3. 【結果】金利が1%でも違うと総返済額が大きく変わる

金利差が返済額にどれだけ影響するか、実際に計算してみましょう。

 

金利1.5%の場合

例えば、以下の条件で計算してみましょう。

  • 金利1.5%
  • 月利0.00125(金利を12で割った値)
  • 元本2,500万円
  • 期間35年(420か月)

毎月の返済額は、「元本×月利×増加する利息÷調整分」で計算できます。
1つずつ順番に計算した場合の計算式は、それぞれ以下の通りです。

【借入期間中に増加する利息の算出】

増加する利息
=(1₊月利)^返済期間
=(1+0.00125)^420
=①とする

※「^420」とは420乗を示す

【利息を含めた支払金額の算出】

利息を含めた支払金額
=元本×月利×借入期間中に増加する利息
=2,500×0.00125×①

【毎月の返済額を均等にするための調整】

調整分
=借入期間中に増加する利息-1
=①-1

【毎月の返済額の算出】

毎月の返済額
=元本×月利×増加する利息÷調整分
=2,500万円×0.00125×①÷(①-1)
=76,546円

つまり、上記の条件における返済額は、月々76,546円となります。

 

金利2.5%の場合

金利以外は同様の条件で、毎月の返済額を計算してみましょう。

  • 金利2.5%
  • 月利0.0020833(金利を12で割った値)
  • 元本2,500万円
  • 期間35年(420か月)

前述の計算式を1つにまとめると、以下の通りです。

2,500万円×{0.00125×(1+0.0020833)^420}÷{(1+0.0020833)^420-1}=89,373円

つまり、上記の条件における返済額は、月々89,373円になります。

 

【結果】金利が1%でも違うと総返済額が大きく変わる

シミュレーションの結果、金利が1%でも違うと月々の返済額の差額は1万2,827円になりました。

差額
=89,373円-76,546円
=12,827円

総返済額を期間35年の420回払いで計算すると、金利1%での総返済額の差額は538万7,340円になります。

毎月の返済額×返済回数
=12,827円×420回
=5,387,340円

金利差が1%あるだけでも、収支計画に対しても大きな影響を与えるでしょう。
不動産投資ローンでは、購入物件の価格が高額になるため、できるだけ金利を低く借りられる金融機関を選ぶ必要があります。
なお、低い金利で借りるために有効な方法は以下の2つです。

  • 自己資金を用意する
  • 好条件の物件を探す

自己資金を用意することは借入金額を抑えられるため、金融機関としても金利を低くしやすくなります。
購入する賃貸物件が好条件の立地であれば、投資としての実現性が高まり、審査に通りやすくなるでしょう。

 

不動産投資ローンの金利は2024年以降上がる?

2024年以降、不動産投資ローンの金利は上昇する可能性があります。
2024年3月19日に、日本銀行がマイナス金利政策の解除を決定したためです。

7月末には短期金利引き上げが行われ、誘導目標が0.25%になりました。
長期金利もマイナス金利政策の解除直後に少し動きあったものの落ち着いていますが、今後は長期金利も政策変更が予定されており、上昇していくでしょう。

不動産投資ローンの金利は、短期金利と長期金利の両方から影響を受ける可能性があります。
利上げが決まった短期金利と連動する変動金利を適用している不動産投資ローンは、金利が上昇するでしょう。
また、長期金利が上がれば、固定金利も上昇します。

投資家にとっては、早期にローンを組むか、変動金利と固定金利が逆転する可能性を考慮して固定金利へシフトするなどの対策が必要です。

 

不動産投資ローンの金利が上昇すると起こり得る影響

不動産投資ローンの金利が上昇すると起こり得る影響は、主に以下の3つです。

  • 不動産価格の下落
  • 不動産売却による収益の減少
  • 資金繰りの悪化

金利が上昇し借入コストが増加するため、物件購入意欲が沈静化し不動産投資の需要が低下します。
その結果、資産価値が下がり不動産価格の下落につながるでしょう。

投資計画の出口戦略で不動産の売却を予定していた場合は、不動産価格の下落によって不動産売却による収益が減少しかねません。
金利動向によっては売却を早めたり、引き続き保有したりする判断が必要です。

また、金利の上昇によって返済負担が増加し、収支バランスが崩れて資金繰りが悪化します。
投資計画では、借入後に金利が上昇することを考慮していません。
金利が上昇したことで収益が低下するため、見直しが必要になるでしょう。

金利上昇による不動産価格への影響や物件選定時のコツについて知りたい方は、以下の記事もあわせてチェックしてみてください。

【関連記事】​​なぜ金利が上昇すると不動産価格が下落するのか?不動産購入時のコツも解説!

 

不動産投資ローンの金利に関するよくある質問

不動産投資ローンの金利に関するよくある質問は、以下の3つです。

  1. どれくらいの年収なら銀行で不動産投資ローンを組める?
  2. 不動産投資ローンの金利を安くするコツは?
  3. 不動産投資ローンの金利は安ければ安いほど良い?

それぞれの回答について見ていきましょう。
なお、弊社ゴールドトラストでは、金利を含め不動産投資について学べる「セミナー」を開催中です。
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質問①:どれくらいの年収なら銀行で不動産投資ローンを組める?

銀行で不動産投資ローンを組む際には、以下の年収ラインが目安となります。

  • 年収500万円以下
  • 年収1,000万円以下
  • 年収1,000万円以上

年収が500万円以下であれば、ノンバンクで組むことを検討しましょう。
年収が1,000万円以下の場合は、地方銀行や信用金庫・信用組合で不動産投資ローンが組みやすくなります。

年収1,000万円を超えると、メガバンクで不動産投資ローンを組むことが可能です。
金利をはじめ、好条件の提示されることが多くあります。

不動産投資を円滑に進めるためにも、年収にあった金融機関を選びましょう。

 

質問②:不動産投資ローンの金利を安くするコツは?

不動産投資ローンの金利を安くするコツは、以下のとおりです。

  • 複数の金融機関を比較する
  • 金融機関からの信頼を得る
  • 自己資金を多めに準備する
  • 好条件の物件を見つける
  • 不動産会社の提携金融機関を選ぶ

金融機関からの信頼を得ることは、金融機関がもつ借入先への回収リスクを軽減しやすくなります。
優良物件の購入であったり、ご自身の年収が高かったりすれば、複数の金融機関との交渉はより良い条件を引き出せるでしょう。
綿密な不動産投資計画の策定や、不動産投資ローンの申込前に他の借入を完済しておくなども効果的です。

また、不動産会社が提携している金融機関を利用した場合、利用するだけで金利の引き下げが適用されます。
他の金融機関と比較して提示金利に差がなければ、提携金融機関で不動産投資ローンを申し込むことが得策でしょう。

 

質問③:不動産投資ローンの金利は安ければ安いほど良い?

不動産投資ローンの金利は、安ければ安いほど有利になるとは限りません。
金利が低いローンは魅力的である一方で、審査が厳しく、時間がかかり競合相手に購入されかねないためです。

また、低金利が適用されるローンは返済期間が短いケースが多く、毎月の返済額が大きくなる可能性があります。
利息額を抑えたいのか、月々の返済額を抑えたいのか、金利だけを気にせず総合的な観点から選択しましょう。

 

まとめ:不動産投資ローンの金利ランキングは都市銀行が1位

不動産投資するうえで、金利は重要な要素です。
各金融機関で不動産投資ローンが用意され、契約先別で金利の相場が異なります。
金利が1%違うだけで総返済額は大きく違うため、できるだけ低い金利で借り入れできるように努めましょう。

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この記事の監修者

西尾 陽平
西尾 陽平
役職
土地活用事業部 執行役員
保有資格
資産形成シニアコンサルタント、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後同社へ入社し、地主さんの土地活用という資産形成や節税を実践で学び、現在は土地のない方へ、土地から紹介し不動産の資産形成の一助を行っている。実践の中で身に付いた視点で、分かりやすく皆様に不動産投資のあれこれをお伝えしています。