投資用マンションの一棟買いでよくある失敗5選!原因や成功するコツも解説
投資用マンションの一棟買いを考えて、「失敗したらどうしよう」と不安に思う方も多いでしょう。
マンションの一棟買いは大きな収入を得られる可能性が高く、人気がある投資方法の1つとなります。
しかし、リスクヘッジをせずに運用をスタートすると、利益どころか損失を生む危険性もあるため注意が必要です。
この記事では、投資用マンションの一棟買いでよくある失敗を解説します。
投資を成功させるコツや失敗しない人の特徴なども紹介するので、参考にしてください。
目次
マンション投資における「失敗」の定義
投資用マンションの一棟買いでの失敗とは、「トータルで赤字になること」です。
具体的にいうと、下表の3パターンがあります。
パターン1 | パターン2 | パターン3 | |
家賃収入 | 赤字 | 黒字 | 赤字 |
売却収入 | 黒字 | 赤字 | 赤字 |
トータル | 赤字 | 赤字 | 赤字 |
家賃収入を得ている間が赤字でも、売却収入でトータルを黒字にできた場合には、マンション投資は成功です。
逆に家賃収入が黒字続きであっても、最終的な物件の売却益がマイナスとなり、トータルで赤字だった場合には失敗となります。
購入金額や資金状況によっても異なりますが、不動産投資用ローンの返済期間は20〜30年で設定するケースが多く、失敗の判断をするのには長い時間がかかるので注意しましょう。
短期的な損益だけではなく、ローン返済後も踏まえた中長期的な視点を持つことが重要です。
なお、一棟マンションのメリットや購入の流れについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
【関連記事】マンション一棟買いのメリットや失敗しないための注意点3選を解説
投資用マンションの一棟買いでよくある失敗例5選
投資用マンションの一棟買いでよくある失敗例は、以下の5つです。
- 投資計画が甘くキャッシュフローを得られなかった
- 空室がなかなか埋まらず家賃収入を確保できなかった
- 期待していた節税効果が得られなかった
- 不動産会社のセールストークを鵜呑みにしてしまった
- マンション投資詐欺に遭ってしまった
それぞれについて詳しく解説していくので、リスクヘッジの参考にしてください。
失敗例①:投資計画が甘くキャッシュフローを得られなかった
投資計画が甘くキャッシュフローを得られないと、月々の赤字分を給与所得や貯金などで補てんする必要があり、結果的に失敗につながる可能性があります。
キャッシュフローを得られない原因は、以下の通りです。
- 月々のローン返済額が想定以上に負担だった
- 災害などで思わぬ修繕費が発生した
- 家賃の減額を想定していなかった
- 金利が上昇した
- 管理費などの固定費の値上げを考慮していなかった
また、繰り上げ返済でキャッシュフローが悪化する可能性もあります。
繰り上げ返済とは返済期間の途中で、毎月の返済額とは別にまとまった額を返済することです。
繰り上げ返済によって手元の資金が減ったり、月々の返済額が増加したりするため、資金不足に悩まされる場合があります。
災害の発生や金利の上昇など、あらゆるトラブル・リスクを想定して厳しく綿密な資金計画が求められるでしょう。
失敗例②:空室がなかなか埋まらず家賃収入を確保できなかった
空室の長期化によって家賃収入を確保できず、月々の赤字が重なって最終的に失敗する可能性があります。
家賃収入が得られない場合にも、管理会社に対する手数料や共有部の光熱費など固定費は発生し続けるので、注意が必要です。
空室が埋まらない状況には、以下の原因が考えられます。
- 立地条件や周辺環境が悪い
- 周辺物件の相場よりも家賃が高い
- 設備が古い・使い勝手が悪い
- 競合物件が多数ある
- 入居条件が厳しい
- 管理会社の対応が良くない
入居者が決まっても、短期間で入れ替わると仲介手数料が都度発生することから、入居者が安定しない物件も費用が増大して損をする可能性があるでしょう。
また、空室を埋めるために家賃を下げれば、ある程度改善する見込みはありますが、家賃収入は想定よりも減少するため気をつけてください。
失敗例③:期待していた節税効果が得られなかった
マンション一棟を購入する費用や運用経費で節税を狙ったものの、想定した効果を得られずに赤字になるケースがあります。
特にマンションの一棟買いは建物の購入費用が高額であり、建物費用の減価償却で赤字部分を損益通算して課税所得を圧縮することが可能です。
ただし、不動産投資で大きな節税効果を得られるのは課税所得900万円以上とされており、条件に当てはまらない方は十分な検討が必要になります。
課税所得900万円前後の所得税の税率変化を、下表でチェックしてみましょう。
課税される所得金額 | 税率 |
3,300,000〜6,949,000円 | 20% |
6,950,000〜8,999,000円 | 23% |
9,000,000〜17,999,000円 | 33% |
年間の課税所得が900万の方が損益通算で課税所得を800万円にできた場合には税率が10%も異なるため、節税効果は高いといえます。
課税所得900万円未満でも一定の節税効果はありますが、収入に合わない高額融資を受けるとトータルでマイナスになる場合があるので注意してください。
失敗例④:不動産会社のセールストークを鵜呑みにしてしまった
不動産会社のセールストークを鵜呑みにしてしまったことで、条件の良くない物件を購入して失敗する可能性があります。
セールストークを鵜呑みにして起きたトラブル例は、以下の通りです。
- 築年数は古いが良い物件だと紹介されたものの、購入後に多額の修繕費がかかった
- 言われるがままに家賃設定をしたために、入居者が集まらなかった
- 将来性があると紹介された物件だったが、周辺環境の変化で価値が減った
悪条件のマンションは、そもそも入居者が集まりにくかったり、退去者が続出したりするので、安定した収益を得られません。
また、売却したいと考えた場合にも、利便性が低い物件や資産価値の少ない物件では、思ったような値段では売れないケースもあります。
失敗しないためには、自分で調べて判断する力や、不動産会社や営業マンを見抜く力も求められるでしょう。
失敗例⑤:マンション投資詐欺に遭ってしまった
マンション投資詐欺に遭って、手付金を騙し取られたり、架空の物件を購入させられたりして損をするケースがあります。
マンション投資詐欺の種類は、以下の通りです。
種類 | 内容 |
手付金詐欺 | 手付金支払い後に業者と連絡が取れなくなり、物件が購入できなかった |
入居状況詐欺 | サクラが多数入居しており、物件購入後に退去者が続出する |
二重譲渡詐欺 | 売却が決まっている物件を購入させることで、購入資金を騙し取る |
海外不動産投資詐欺 | 海外にある実在しない物件や本来の値段よりも高額で購入させられる |
「大きな節税効果を得られます」「高利回りで儲かります」など、甘い言葉をかけて不利な情報を隠そうとする不動産会社には注意が必要です。
また、二重売買契約など自分が意図しない形で詐欺に加担しているケースもあり、業者の見極めは重要となります。
マンション投資詐欺について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】マンション投資詐欺で多い手口と対処法!悪質業者の見分け方や相談先も解説
投資用マンションの一棟買いを成功させる7つのコツ
投資用マンションの一棟買いを成功させるコツは、以下の7つです。
- 投資の目的や目標をあらかじめ明確にする
- 入念に情報収集する
- 起こりうるリスクを想定する
- 繰り上げ返済は慎重に検討する
- 家族の同意を得ておく
- 信頼できる不動産会社を見つける
- 万が一に備えて相談窓口を把握しておく
紹介してきた失敗例も参考にしながら、チェックしてみてください。
コツ①:投資の目的や目標をあらかじめ明確にする
投資の目的や目標によって選定すべきマンション、運用スタイルが変わってくるので、あらかじめ明確にしておくことが大切です。
投資用マンションの一棟買いの目的・目標の例は、以下の通りとなります。
- 少額でも毎月収益を出したい
- ローン返済後に安定した収入を得たい
- 短期間で減価償却して節税したい
- 多くの売却益を見込みたい
目的設定せずにマンション投資をスタートすると、収入に見合わないマンションを購入したり、不動産会社のセールストークを信じ込んだりする危険性があるでしょう。
例えば、節税効果を得たいと考える場合には、法定耐用年数が短く建物の費用を短期間で減価償却できる中古物件なども視野に入ります。
ご自身が不動産投資で達成したい目的や目標から逆算して、達成できるマンションを選ぶのがおすすめです。
「短期間で減価償却して節税したい」と考える方は、国内の築古戸建てを活用した中古再生:ズバッと節税ズバッと償却をご覧ください。
コツ②:入念に情報収集する
購入してから「想像とは違う」といったミスマッチを回避するためにも、物件について入念に情報収集しましょう。
物件選定時に収集すべき情報は、下表の通りです。
物件選定時に収集すべき情報 | 例 |
条件 | 物件の立地・周辺環境・物件の設備 |
収入 | 総戸数・家賃設定・利回り |
ローン関係 | 築年数・返済計画 |
固定費 | 管理費・修繕積立金・税金 |
特に投資に不利な情報は不動産会社から得られるとは限らないため、物件について自力で調べる必要もあります。
また、マンションの一棟買いにおいて効率良く情報収集できる方法は、以下の通りです。
- 不動産会社の公式ホームページ
- 不動産会社のセミナーや講演
- SNSやブログなどでの口コミや体験談
- 金融機関の担当者
- 投資家間のネットワーク
どれかに偏って判断するのではなく、さまざまなツールを使って情報を収集して総合的に検討すると、失敗を回避しやすいといえます。
物件の選び方について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】中古マンション投資とは?物件の選び方や融資を成功させるコツを解説
コツ③:起こりうるリスクを想定する
マンション投資を成功させるためには、起こりうるリスクを想定し、思わぬ出費を避けられるようにしておくことが大切です。
マンション投資で発生しうるリスクは、以下の通りです。
- 空室のリスク
- 修繕のリスク
- 金利上昇のリスク
- 家賃滞納のリスク
- 災害のリスク
- 倒産のリスク
- 家賃減額のリスク
- 不動産価値下落のリスク
考えるべきリスクが多く見えますが、例えば立地条件を吟味すれば空室リスクと災害リスクの両方が回避されるなど、それぞれは深い関係性を持っています。
トータルで黒字にするには、すべてのリスクを踏まえて、物件の条件や資金計画を検討することが重要です。
具体的な対策について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】不動産投資のリスクは高い?リスクの種類とその対策を徹底解説
コツ④:繰り上げ返済は慎重に検討する
繰り上げ返済は返済額や利息が減るメリットがあるものの、すぐ利用できる資金が減るので、実行の際には慎重に検討してください。
繰り上げ返済の種類は、下表の通りです。
種類 | 概要 | 特徴 |
返済期間短縮型 | ローンの返済額を変更せずに返済期間を短くする | ・月々の返済額は増える ・短縮した期間の利息を減らせる |
返済額軽減型 | ローンの返済期間を変更せずに月々の返済額を減らす | ・手元の資金が減少する ・返済額が減って、キャッシュフローが大きくなりやすい |
「早くローンから解放されたい」という考えで繰り上げ返済をすると、逆にキャッシュフローが悪化したり、貯蓄が一気に減って修繕に対応できなかったりする危険性があります。
また、次のマンションを購入検討している場合には、頭金や諸費用に回す資金がなくなるため、注意が必要です。
繰り上げ返済を考えるのであれば、リスクを踏まえて入念に収支のシミュレーションをしましょう。
コツ⑤:家族の同意を得ておく
投資用マンションの一棟買いでは多額の借り入れを実施し、連帯保証人を必要とするため、早めに家族の同意を得ておきましょう。
借り入れ直前に家族に打ち明けたことで、同意を得られずにマンションを購入できないケースもあります。
また、マンション運用をスムーズに取り組むには家族の協力が必要不可欠です。
例えば、以下のような場合に家族の協力が求められます。
- 物件の収支管理
- 物件状況の確認
- 確定申告の作業
マンション投資の仕組み・リスクと対応策を丁寧に説明したり、配偶者と一緒にセミナーに参加して勉強したりすると、協力を得やすいので実践してみてください。
コツ⑥:信頼できる不動産会社を見つける
マンション投資詐欺などのトラブルを回避して安全に投資するには、信頼できる不動産会社を見つけることも重要です。
不動産会社を見極めるためのチェックポイントは、下表の通りとなります。
チェックポイント | 例 |
企業規模 | 従業員数や資本金 |
業務範囲 | 賃貸管理の有無 |
実績 | 売買棟数や管理戸数 |
口コミや評判 | 良い評判と悪い評判の両方 |
営業姿勢・対応 | デメリットに関する情報提供の有無 |
上記のポイントをトータルでチェックして、総合力の高い不動産会社を選びましょう。
また、不動産会社の見つけ方は、以下の通りです。
- 公式ホームページ
- ポータルサイト
- 書籍
- セミナーや交流会
セミナーや交流会は不動産会社について知れるだけではなく、不動産投資についても理解を深められるので勉強したい方にも向いています。
コツ⑦:万が一に備えて相談窓口を把握しておく
万が一のトラブルに備えて相談窓口を把握しておくと、安心してマンション投資ができます。
相談内容にもよりますが、投資用マンションの一棟買いにおける主な相談先は、以下の通りです。
- 弁護士
- 消費生活センター
- 宅地建設業取引協会
- 日本マンション管理士会連合会
- 金融機関
トラブルは一人で抱え込むと悪化する可能性ももあるので、早期に専門家に相談するとスムーズに解決できます。
また、マンション投資によくあるトラブルは、以下の通りです。
- 入居者トラブル(騒音・異臭・家賃滞納)
- ローン返済に関するトラブル
- サブリース契約に関するトラブル
- 投資詐欺
マンショントラブルを放置していると、損失が膨らんで赤字につながるケースもあるので注意しましょう。
投資用マンションの一棟買いに失敗しない人の特徴
投資用マンションの一棟買いに失敗しない人の特徴は、以下の3つです。
- 計画性がある
- 予測や分析を得意としている
- 不動産投資について日々勉強している
1つでも当てはまる特徴があれば、マンション投資が向いているでしょう。
特徴①:計画性がある
マンション投資は20〜30年のローンを返済したり、12〜18年に1度の大規模修繕に備えたりする必要があり、計画性がある人だと成功につながります。
目先の利益ばかりを追求する人や計画性のない人の場合には、思わぬ出費に対応できずに失敗する可能性が高まります。
また、借り入れの際には金融機関に事業計画を提出する必要があり、融資を受けるためにも計画性は重要です。
場当たり的な運用だと複数のマンションに投資するのが難しく、収益をアップさせるには将来を見越して計画を立てる力が求められます。
特徴②:予測や分析を得意としている
社会情勢や物件の周辺環境が日々変化していくなかで、予測や分析を得意としている人ならマンション投資で収益を上げられます。
投資を始める前に分析するのはもちろんですが、継続的に周辺の物件や利便性について予測・分析し続けることが重要です。
予測や分析が不得意な人の場合には、都市開発で利便性が変わったり、新しい競合物件が建ったりして収益を確保できない場合があります。
マンション投資を成功させたい方は、収支を客観的に分析する力やリスクを予測して備える力も身に付けましょう。
特徴③:不動産投資について日々勉強している
不動産投資について日々勉強している人であれば、制度や社会の変化に対応したマンション運用ができます。
不動産投資の方法に関する知識やノウハウはもちろん、以下の勉強も欠かせません。
- 税金や法律などに関する知識
- 会計に関する知識
- 経営に関する知識
優良な物件を購入できても、上記の知識について理解を深めていないと、効率の良い運用ができずに損をする場合もあります。
税制や法律などは頻繁に変更する可能性があり、投資方法が通用しなくなるケースもあるため、常に情報収集と勉強に取り組む習慣が必須といえるでしょう。
まとめ:マンション投資の失敗は事前準備で回避できる
投資用マンションの一棟買いでよくある失敗例には、「投資計画が甘くキャッシュフローを得られなかった」「期待していた節税効果が得られなかった」などがあります。
事前にしっかりと準備すれば、マンション投資の失敗は回避できるため、失敗例を参考に進めるのがおすすめです。
また、投資詐欺などの万が一のトラブルに備えて、相談窓口を把握しておくと安心して投資に取り組めるでしょう。
マンションの一棟買いでは、土地と建物をそれぞれで購入すると失敗する可能性があります。
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