地震が起きたら不動産投資家が取るべき3つの行動!日頃備えておきたい事項も
不動産を持っているオーナーにとって、地震は大きな悩みの種です。
近年地震が増えてきているなかで、地震が起きたらどうすればいいのかと考えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では地震が起きたら何をすべきか、不動産投資家が取るべき行動を解説します。
被災時の入居者対応や日頃の備えはもちろん、物件のチェックポイントもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
不動産投資している地域で地震が起きたら?必要な3つの行動
不動産投資している地域で地震が起きたら、以下の3つの行動が必要です。
- 入居者の安否を確認する
- 室内外の状況を把握する
- 被害状況を記録する
いつ地震が起きても、適切な行動がとれるように被災後の手順を把握しておきましょう。
なお、地震が不動産投資に与える影響や、災害リスクを低減させる物件の選び方などの基礎知識を振り返りたい方は、下記の記事をご覧ください。
【関連記事】不動産投資を始める方へ!地震が与える影響と安定経営に必須の対策を解説
行動①:入居者の安否を確認する
ご自身の安全が確保できたら、入居者を訪問し被災状況を確認しましょう。
地震発生の時間帯によっては、多くの入居者が家にいたり、寝ていたりする場合もあります。
倒れてきた家具の下敷きになり、動けなくなっている可能性も少なくありません。
安否確認とあわせて周囲の被害状況や建物の外観の様子を伝えると、入居者も安心します。
入居者を訪問する際は余震に備え、ヘルメットや手袋など防具を身に着けておくことが大切です。
また、何かあったときのために救急箱や水などを持っておきましょう。
行動②:室内外の状況を把握する
入居者の安否が確認できたあとは、入居者に許可を取ったうえで室内の状況を把握しましょう。
入居者がいる室内は、無断で入るとオーナーであっても不法侵入にあたる場合があるためです。
室内では破損部分だけでなく、水漏れなどがないかも確認が必要です。
水漏れは放っておくと物件の老朽化につながるため、迅速な対応が求められます。
応急処置ができるガムテープなども持って見に行くと良いでしょう。
入居者がいない場合には、以下に挙げるような物件の外構や共用部分を見回ることで被害状況を確認できます。
- 壁の傷、クラック(ひび割れ)の有無
- 水漏れの有無
- 飛来物、落下物の確認(屋根など)
上記のポイントに着目し、室内外の状況を把握しましょう。
行動③:被害状況を記録する
加入している火災保険によっては保険適用される場合もあるため、被害状況を細かく記録しておきましょう。
特に写真として残すことで客観的な記録となり、今後の修繕にも役立ちます。
写真を撮る際には、下記のポイントに注意してください。
- 建物のどの部分か
- 引きと寄りなど数枚撮っているか
- 撮影した日時が分かるか
写真が撮れない場合には、破損の部分や程度を箇条書きで記録しましょう。
地震保険について詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてチェックしてみてください。
【関連記事】不動産投資に地震保険が必要な理由とは?加入状況やメリット・注意点も解説
投資先の不動産が地震で滅失した場合の入居者対応
投資先の不動産が地震で滅失した場合は、不動産のオーナーとして以下の5つの対応を素早く取ることが大切です。
- 必要事項を取りまとめて連絡する
- 敷金と日割り家賃を入居者へ早めに返す
- 荷物の回収は各入居者に行ってもらう
- 罹災証明に必要な写真を配布する
- 次の住まい探しを手伝う
オーナーとして取るべき対応をきちんと理解し、被災後にどのように動くかを把握しておきましょう。
対応①:必要事項を取りまとめて連絡する
まずは必要事項を取りまとめて、入居者へ連絡しましょう。
被災した直後は建物も壊れていて、何から手を付けていいかわからず状況も整理できないかと思われます。
しかし、そのようなときに入居者が頼りにしているのは、不動産会社もしくはオーナーです。
不動産会社が被災している場合には、管理会社として機能していないことも多く、オーナー自身の対応が求められます。
通知する必要事項に関しては、次項から解説する対応②から対応⑤を参考にしてください。
対応②:敷金と日割り家賃を入居者へ早めに返す
敷金と日割り家賃は、入居者へ早めに返しましょう。
基本的に賃貸借契約は、天災など自然災害によって物件が倒壊し住めなくなった場合に効力が消滅します。
そのため、預かっている敷金があれば返金義務があるのです。
預かっている敷金の有無は賃貸借契約書などに記載がありますが、保管している自宅や管理会社も倒壊していると探せない場合もあるでしょう。
そのようなときに備えて、賃貸借契約書を電子データとしてまとめておくことも大切です。
また、敷金だけではなく、被災した月の家賃をすでにもらっている場合には残りの日割り賃料も返金しましょう。
元々手元になかった金銭が返ってくることは、被災した入居者にとって今後の生活の安心材料になり得ます。
オーナーとしては遅かれ早かれ返すものにはなるため、早めに手続きしましょう。
対応③:荷物の回収は各入居者に行ってもらう
荷物の回収は、各入居者に自己責任で行ってもらいましょう。
基本的には、損害がある建物に入ることは非常に危険であり、オーナーはもちろん、入居者の立ち入りも禁じたいところです。
しかし、地震発生後は荷物を取り出さないと家族に連絡ができなかったり、移動手段がなかったりする入居者も出てきます。
このようにやむをえない場合は入居者の安全を守るためにも、最短時間かつ自己責任で荷物を回収してもらうよう周知しましょう。
対応④:罹災証明に必要な写真を配布する
罹災証明とは火災や自然災害などによって被害を受けた場合に、被害の程度を証明する書類です。
地震などで被災し、住む家や部屋が被害を受けた場合には、国や市町村から支援金や手当が出るケースがあります。
また、入居者自身が個別に加入しており、保険金を請求する場合に罹災証明が必要となるのです。
被害を受けた建物の写真を配布すれば、入居者は速やかに罹災証明を出せます。
プリントアウトが難しい場合は、データで渡しても良いでしょう。
ただし、罹災証明は役所で発行してもらえますが、建物が倒壊している場合には郵便物が届きません。
そのため、写真を渡すと同時に移転届を郵便局や役場に届け出るよう、伝えておきましょう。
対応⑤:次の住まい探しを手伝う
入居者の住まい探しを手伝うことは、法律上オーナーの義務にはなっていません。
もちろんオーナー自身も被災している場合、ご自身の住まい探しが最優先ですが、入居者もあてがなく、見通しが立たなければ途方に暮れてしまいます。
まずは、管理会社に問い合わせをして被災せず住める物件があれば紹介してもらうと良いでしょう。
近くの物件で空いていそうな物件にあたる、仮設住宅制度など公的な機関に問い合わせるのも1つの手です。
オーナーだからといってすべての責任を負うわけではありませんが、被災者同士で協力しながら次の生活に向けて準備しましょう。
なお、弊社では、土地付きかつ強固な耐震性を持つマンションをご提案しております。
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地震の被害が出た場合に不動産投資家が負う責任
自然災害などの天災の場合、基本的にはオーナーである不動産投資家が負う責任はほとんどありません。
しかし、下記の2つの場合ではオーナーに責任が問われる場合があります。
- 建物に瑕疵があった場合
- 老朽化を放置していた場合
建物は、地震や津波などで倒壊してしまうことも少なくありません。
しかし、当時の建築基準法に従っていないなどの瑕疵(かし)があり、入居者や第三者に損害を与えた場合にはオーナーの責任が問われることもあります。
水漏れやひび割れなどを放置している場合も、建物を修繕するオーナーの義務を果たしていないことになります。
実際に阪神淡路大震災の際にはマンションの1階部分が倒壊し、入居者が死亡しました。
この際にマンション建設時の瑕疵が認められ、オーナーに対して1億以上の支払いを命じた判例もあります。
地震発生後の人的・物的被害を最小限に抑えられるよう、建物の点検は定期的に行い、きちんと修繕しましょう。
地震が起きても慌てない!不動産投資家がすべき日頃の備え
オーナーである不動産投資家がすべき日頃の備えは、下記の5つです。
- 連絡体制を構築する
- 建物の結果診断を受ける
- 老朽介している箇所は早急に直す
- あらかじめ修繕費用を予算に組み入れる
- 相談先を見つけておく
いざ地震が起きたときに「やっておけばよかった」と後悔しないよう、オーナーとしてすべきことを把握しましょう。
備え①:連絡体制を構築する
地震が発生してもスムーズに連携できるよう、入居者や管理会社との連絡体制は整えておきましょう。
不動産会社が物件を管理している場合、入居者と直接連絡を取る機会は普段あまりないものです。
しかし、前述したような安否確認や修繕日程の調整などを伝えるためにも、入居者の連絡先などは把握しておくと良いでしょう。
また、管理会社は担当者の電話番号を控えておき、必要に応じてメッセージが送れるSMSなども活用できるようにしておくと便利です。
備え②:建物劣化診断を受ける
建物劣化診断は、劣化診断や耐震診断などを含む建物点検診断の総称です。
劣化診断では、構造上の問題や瑕疵などがないかを点検します。
耐震診断では地震に対しての耐性があるかを判断し、問題がある場合には補強などをする必要があります。
上記は過去に1回診断して終わりではなく、定期的に受けることが大切です。
診断自体にも費用が掛かりますが、地域によっては補助金制度が適用されます。
緊急事態に備え、今のうちから地域の補助金なども確認し、定期的な診断・点検を受けましょう。
なお、不動産投資の物件選定時は耐震以外にも留意すべき点が複数あります。
失敗しない投資物件の探し方について振り返りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
【関連記事】不動産投資における物件の探し方ガイド!着目したい条件やポイントも解説
備え③:老朽化している箇所は早急に直す
特に壁などの躯体(くたい※)は老朽化すると致命的であるため、早急に直しましょう。
※建物を支える骨組み部分
鉄筋コンクリート造であっても、数年経てば劣化し修繕が必要となるケースも少なくありません。
前述の建物劣化診断では、修繕箇所も提案してくれる業者もあります。
所有している不動産が今どのような状況か把握できたら、早期に修繕計画を立てましょう。
備え④:あらかじめ修繕費用を予算に組み入れる
あらかじめ修繕費用を予算に組み入れることも、地震の備えになります。
地震が起きたあとの修繕費用として、毎月積み立てるなどの対策もおすすめです。
地震が起きなかったときでも老朽化に対する修繕費用に充てられるので、積み立てておいても損はありません。
また、地震保険に加入していたとしても判定が厳しく保険金が十分に出ない場合、もしくは保険金が1円も出ない可能性もあります。
そのような事態に備えるためにも、修繕費用はご自身で準備しておくものとして考え、予算に組み込んでおきましょう。
備え⑤:相談先を見つけておく
地震発生前後の対応は、信頼できる相手に日頃から相談しておきましょう。
相談先の例は、以下の通りです。
- 行政などの公的機関
- 不動産管理会社
- 保険会社
- 税理士
- オーナー仲間 など
特に地震保険に加入している場合、保険会社との関係性を構築しておくことは、保険申請の仕方や流れを把握するうえで重要です。
また、オーナー同士のつながりも持っておくことで、被災時における次の住まい探しで役に立ちます。
いざというとき支え合いができる相手は普段から密にコミュニケーションを取り、相談先として確保しておくと良いでしょう。
【地震に備えて】投資先の不動産におけるチェックポイント
最後に、地震が起きる前に確認しておきたい事項を2つ紹介します。
- 内観のチェックポイント
- 外観のチェックポイント
それぞれ詳しく見ていきましょう。
内観のチェックポイント
内観のチェックポイントは、下表の通りです。
場所 | チェックポイント | 判断 |
床 | 実際に歩き、違和感がないか | 違和感がある場合は、たわみや傾斜の可能性あり |
壁・天井 | ひび割れ・破損・変色がないか | 変色がある場合は、水漏れの可能性あり |
窓・扉 | スムーズに開閉できるか | できない場合は、建物や建具のゆがんでいる可能性あり |
水回り | 吐水・排水がスムーズか | 遅い・速い場合には、詰まりや水漏れの可能性あり |
ベランダ・バルコニー | 変色・たわみがないか | 変色などある場合は、水漏れや防水機能が劣化している可能性あり |
内観は入居中であれば、外からしかチェックできません。
外からであれば、ベランダやバルコニーの変色などは目視で確認ができます。
入居者が退去した場合は、次期入居者が入る前に必ず室内に入り、目視や実際に歩くなどしながら上記の項目をチェックしましょう。
外観のチェックポイント
外観のチェックポイントは下記の表のとおりです。
場所 | チェックポイント |
敷地内 | ・敷地内に高低差がないか ・隣地に田畑などがないか |
屋根・軒裏 | 屋根のひび割れ・変形・破損などがないか |
外壁 | ・ひび割れがないか ・外壁に付属されている窓やサッシなどにも変形がないか |
基礎 | ・外壁と同様 ・基礎はシロアリ被害がないか |
鉄骨部 | 廊下や階段など、鉄骨部が見えている部分にサビがないか |
外観は雨風にさらされている分、劣化などが早くなります。
地盤沈下やシロアリ被害なども考えられるため、広い視点を持って確認することが大切です。
シロアリ被害や地盤沈下の前兆などはインターネット上で検索できるため、実際の被害写真と照らし合わせながら確認しましょう。
まとめ:不動産投資している地域で地震が起きたら迅速な対応を
地震が起きないよう防ぐことはできないため、不動産投資においても事前の備えが重要になります。
チェックポイントを把握し、被害を最小限に抑えられるようにしましょう。
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