【必見】マンションには寿命がある!何年?寿命を迎えたらどうなる?疑問を解決します!
マンションを含む不動産物件には寿命があります。
しかし、マンションの寿命に関する知識を持たないと、いざ寿命を迎えたときに何をすればよいか分からない。といった事態も起こり得るでしょう。
不動産の変化は自身の将来設計にも大きく影響するため、マンションの寿命やその後の対応の正しい理解が重要です。
そこで今回は、マンションの寿命や寿命を迎えた後の対応、寿命に影響する要素等を解説していきます。是非参考にしてください。
目次
マンションの寿命は何年か
マンションの寿命は約65年から70年が目安です。
実際に国土交通省が発表したデータによると、マンションは平均して築68年で取り壊されています。
しかし平均で68年であっても、個々の寿命は物件の状態によって大きく異なります。
その中で大きな目安となるのが、住宅性能表示制度の「劣化対策等級」です。
劣化対策等級とは、住宅性能表示制度によって建物を評価する際の項目の1つであり、等級1から等級3の3段階で評価されます。
等級が大きくなるほど劣化対策がされていることを表し、建物の寿命が長くなる傾向があります。
等級1:建築基準法を最低限満たしている
等級2:大規模修復工事を必要とするまで、2世代(約50~60年)ほど建物を維持できる対策がされている
等級3:大規模修復工事を必要とするまで、3世代(約75~90年)ほど建物を維持できる対策がされている
なおこれらの基準は、定期的なメンテナンスが行われ、大規模な災害が発生しないことを前提とされています。
また、マンションには構造別に耐用年数が定められていますが、耐用年数と寿命は別な概念である点に注意しましょう。
例えば、鉄骨鉄筋コンクリート造の耐用年数は47年ですが、これは帳簿上で償却される期間が47年である旨を表しています。
マンションが寿命を迎えるとどうなるのか
寿命を迎えたマンションには何かしらの対応をする必要があります。
主な対処法は「建て替える」「売却する」のいずれかです。
ここではそれぞれを詳しく解説します。
建て替える
寿命が来たマンションを建て替えることも1つの選択肢です。
しかしマンションの建て替えには、所有者全体の5分の4以上の同意が必要となっています。
また、建て替え費用も1戸あたり数千万円に及ぶケースも多いです。
所有者の中には、これから新規のローンを組むのは難しい方も存在すると予想できます。
そのため、所有者負担での建て替えは実現する難易度が決して低くないと言えるでしょう。
売却する
寿命が来たマンションを売却することも有力な選択肢です。
未だマンションや土地に需要がある場合は、リノベーションをして使用したい方がいると考えられるためです。
そして、売却をする際はタイミングが重要です。
寿命が来た物件を持ち続けると、修繕コストが増加するだけでなく、不動産の資産価値も低下する恐れがあるためです。
そのため、現在の収益と将来的な費用、売却価格を総合的に考えて、売却タイミングを検討することが大切と言えます。
マンションの寿命に影響する5つのこと
マンションの平均寿命は65年から70年程度ですが、個々のマンションの実態よって寿命は大きく異なります。
ここでは、マンションの寿命に影響する5つの要素を解説します。
①建物構造が耐震基準を満たすか
建物構造が耐震基準を満たしているか否かは、マンションの寿命に大きく影響します。
1981年6月から「新耐震基準」が適用され、震度6から7の地震であっても倒壊しない設計が求められています。
一方で1981年6月以前の「旧耐震基準」では、震度5程度の地震であれば倒壊しないレベルが基準でした。
つまり、旧耐震基準よりも新耐震基準を満たしたマンションの方が、地震の際に倒壊するリスクが低いということです。
地震が頻繁に発生する日本において、新耐震基準を満たすか否かはマンションの安全度や寿命を見る上で必須と言えるでしょう。
②メンテナンスを適切に行っているか
マンションのメンテンナンスを適切に行っているか否かも、物件の寿命を大きく左右します。
長期修繕計画書が作成されていて、定期的なメンテナンスが行われているマンションであれば、それだけ物件は長持ちするでしょう。
そして、特に重要なメンテナンスが配管工事です。
現在建て替えがされているマンションは1960年から1970年代に建設された物件が多いです。
この時代に建てられたマンションは配管をコンクリートに埋め込んで建設しているケースもあります。
配管が埋まっている場合は交換ができず、結果としてマンションの寿命を縮めてしまうため注意が必要です。
③コンクリートの質・状態が良いか
マンションに使用されているコンクリートの質・状態も物件の寿命に影響します。
コンクリートは期間が経つと空気中の二酸化炭素の影響によって中性化が進みます。
コンクリートが中性化すると、使用されている鉄筋が錆びやすくなり、建物の劣化に繋がるのです。
そのため、建物のひび割れや塗装の剥がれの有無を定期的に確認することが重要です。
④管理が行き届いているか
マンション全体の管理が行き届いているかも重要です。
特に重要な点が、鉄製の部分に錆が出ていないか、排水が綺麗に管理されているか等です。
また、貯水槽の点検が定期的に行われているかも大切です。
貯水槽がある場合は、年に1回の点検を行う義務があるため、点検結果を確認することで、状態の把握ができるでしょう。
⑤立地条件に適した修繕計画があるか
マンションの構造や設備が同じであっても、立地条件によって建物の劣化具合は変動します。
一例を挙げると「日当たりが悪いマンションはカビが生えやすい」「海沿いのマンションは塩害が起きやすい」等です。
そのため、立地条件に適した長期修繕計画が策定されており、適切なメンテナンスがされているかの確認が大切です。
マンションの寿命を長くするための取り組み
マンションを劣化させずに使用し続けたい場合、適切な取り組みを行いましょう。
ここでは、マンションの寿命を長くするための取り組みを解説します。
①寿命が短いマンションを造らない
マンションの寿命を長くするためには、そもそも寿命が短くなるマンションを造らないことが大切です。
具体的には以下のような要素があります。
・耐震基準の厳守
・立地条件に適した構造
これらはマンションを建設した後に変更するのは難しいため、物件の寿命を延ばしたい場合は必須と言えます。
②リノベーションする
マンションのリノベーションを行うと、物件の寿命を延ばすことができます。
リノベーションをすると、劣化している設備を新しくすることができ、結果として物件が長持ちするのです。
そのため物件の購入時に、将来的にリノベーションがしやすいかも考慮することをおすすめします。
マンションの寿命の目安となる制度
マンションの寿命の目安となる制度があります。
新築の場合は「住宅性能表示制度」、中古の場合は「安心R住宅制度」を活用しましょう。
ここではそれぞれを詳しく解説します。
新築:住宅性能表示制度
住宅性能表示制度とは、建物の安全性を建築の前後のそれぞれで調査し、結果を買主に知らせる制度です。
住宅性能表示制度では10分野の検査項目が定められています。
特に、マンションの寿命に着目すると、以下の分野は確実に確認するべきポイントと言えます。
・構造の安定に関すること
・火災時の安全に関すること
・劣化の軽減に関すること
・維持管理・更新への配慮に関すること
住宅性能表示制度を活用すると、寿命が長い物件であることを事前に確認した上での購入が可能となります。
中古:安心R住宅制度
安心R住宅とは、耐震性があり、建物状況調査が行われた住宅のことです。
安心R住宅マークが付いている物件は、専門家の調査で品質や耐震性が保証されているため、不動産も長持ちする傾向にあります。
そのため、購入を検討している物件にロゴマークがない場合は、建物状況調査の依頼をして、品質や安全性の確認を行いましょう。
まとめ
今回はマンション寿命や寿命を迎えた後の対応、寿命に影響する要素等を解説しました。
マンションの平均寿命は65年~70年程度ですが、実際は個々の物件の状態によっても大きく異なります。
そのためマンションを購入する際は、住宅性能表示制度や安心R住宅制度を用いて、寿命の把握をしましょう。
また、寿命を延ばすための取り組みも可能ではあります。
しかし、個人で物件の寿命を延ばすための管理は難しいため、管理会社に任せることがおすすめです。
マンションの寿命を正しく把握できれば、自身の将来設計にも好影響を及ぼすため、是非参考にしてください。
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