日本は不動産バブルなのか?1990年バブル崩壊との違いやバブル崩壊の仕組みを解説
不動産市場は常に変化しています。1990年に起きたバブル崩壊は、多くの人の記憶に鮮明に残っているでしょう。
しかし、現在の日本の不動産市場は、過去のバブル時代と比較してどうなのだろう?と思っている方もいるでしょう。
本記事では、不動産バブルの仕組みについて過去のバブル崩壊との違いも交えて詳しく解説します。
目次
日本は不動産バブルなのか?
日本銀行はバブル期を「新時代への熱気が社会を包み、期待が著しく強気化する」現象だと定義しています。
不動産におけるバブルとは、不動産の価値が標準価格よりも大幅に上回ることを指し、投資家たちがこぞって日本の不動産を狙っているという状態であるといえます。
それでは、現在の日本の不動産状況はどうなのでしょうか。
新型コロナウイルスの蔓延は世界中の人々の生活を一変させました。
その中でもこのトピックに深く関連する変化は、リモートワークの普及です。
外出自粛令を受け、多くの会社が自宅での勤務を推奨し始め、通勤の必要がなくなった人も少なくありません。
都市部のオフィスの必要性を考え直す会社や、家賃の安い郊外へ移住する会社員も増えてきました。
多くの人が拠点の移動をしている状況から、不動産市場は活気づき不動産価格の上昇は1990年代のバブル期と並ぶ勢いだともいわれています。
また近年は円安の傾向が強まっていることもあり、市場価値に定評のある日本の不動産は海外の投資家からも注目されています。
引用:日本銀行「日本銀行金融研究所主催第9回国際コンファランスにおける総裁開会挨拶」
不動産バブル崩壊の仕組み
不動産価格が上昇した不動産バブルにも、いつか崩壊の時が訪れることを覚悟する必要があります。
不動産バブルの崩壊は、金融環境に大幅な変化が起こるときに訪れます。
現在の不動産投資における金融環境は低金利が続いていますが、もし今後金利の上昇があれば不動産の価格が下落する恐れがあります。
また社会の金融環境やパンデミックによる生活の変化に起因し、不動産取引市場のための取引資金が他の市場へ流出する恐れもあるため、いつでも不動産バブルの崩壊は起こりうる可能性があります。
不動産バブルの判断ポイント
不動産バブルの判断ポイントとしては以下の3点が挙げられます。
- 不動産の取引価格や地価の上昇が過度・局地的であること。
- 不動産投資における、取引価格と収益価格に大きな差があること。
- イールドキャップ(資産や金融商品の利回りの差)が低水準であること。
常にどのような状態なのか自分でも判断できるようになると良いでしょう。
中国の不動産バブル崩壊が日本の不動産に与える影響
不動産市場は国や地域によって異なりますが、日本以外の国でも不動産市場は時にはバブルとなり崩壊することもあります。
近年の中国では不動産バブルが続いていますが、このバブルが崩壊するとき日本の不動産市場にも影響を与える可能性があります。
中国の不動産バブル崩壊とは
中国では、過去数年間に不動産市場が急激に高騰しました。
中国の好景気の中で多くの人々が不動産投資をするようになり、圧倒的な需要が生まれたことから起こったものです。
しかし、このような高騰は常に続かず、供給と需要のバランスが崩れると不動産バブルは崩壊します。
いま中国では恒大問題と呼ばれる大きな問題が起こっており、地価や不動産価格を脅かしています。
恒大は中国の大手不動産開発会社で、2021年には中国のGDP2%にものぼる莫大な負債を抱えていることが明らかになりました。
これを受け中国政府は借入金による資金調達に大幅な規制を設け、中国不動産市場は大きな打撃を受けました。
さらに、政府は銀行の不動産関連融資にもさらなる制限を発動し、中国の不動産関連会社の業績は下落の一途を辿っています。
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日本の不動産に与える影響
中国の不動産バブル崩壊は、日本の不動産市場にも影響を与える可能性があります。
不動産価格は需要と供給のバランス、景気の両方の影響を受けます。
現在の日本の不動産市場は良好で上昇傾向が見られますが、少子高齢化による人口減少の回復の見込みがない現状を踏まえると、きっかけ1つで不動産価格が急下落する可能性は十分にあることです。
中国のバブル崩壊が日本の不動産価格の値崩れを引き起こす可能性もあります。
過去に起こった日本の不動産価格の値崩れは、1990年代のバブル崩壊と2008年のリーマンショックによるものでした。
いま中国が直面している不動産バブルの危機はかつての日本の状況と似ており、アメリカの経済恐慌が日本の不動産市場に莫大な影響を与えたように、中国の経済破錠が日本に与える影響は小さくないでしょう。
不動産バブル崩壊はいつ起きる?
不動産バブルの崩壊が起きるタイミングの予測は難しいものです。地価相場や株式市場、その国の経済状況や社会状況など複数の要因が重なって引き起こされます。
しかし、不動産バブル崩壊がいつ起こるのか適切な準備をするためにも、低金利が続いている金融環境の今後の金利上昇の可能性を理解し、それに伴う不動産価格下落のリスクには注意する必要があります。
ただし、2022年2月時点の日本では不動産投資のイールドキャップが確保されているため、かつてのバブル崩壊ほどのダメージを受ける可能性は低いと考えられています。
不動産を買うタイミングはいつ?
不動産を買うタイミングは個人や社会状況によって異なりますが、自分のライフプランや経済状況、不動産市場の状況などを考慮して判断することが大切です。
不動産を長期的に投資する場合は、地域の経済発展や将来の住宅需要なども見据えて購入すると良いでしょう。
不動産投資をするならインカムゲインを狙う
不動産投資は長期的なインカムゲインを狙いましょう。
現代の不動産投資のスタイルは短期売買によるキャピタルゲインから、家賃収入によるインカムゲインへと移行しています。
そのため、投資者はギャンブル性を抑えて、安心して不動産投資を始められます。
インカムゲインとは
インカムゲインは不動産を所有していることによって得られる家賃収入から経費などを差し引いた利益のことを指します。
これは投資家にとって長期的で安定した収入源となります。
キャピタルゲインとは
キャピタルゲインは不動産の購入価格と売却価格の差額を指します。
短期的に利益を上げることを目的とする投資者にとっては重要ですが、長期的な観点からは効率的とはいえないでしょう。
インカムゲインがおすすめな理由
不動産投資をする際には、インカムゲインを狙うことがおすすめです。その理由は以下の通りです。
- 家賃収入による収益が確実
- 長期的な投資に適している
- 売買よりリスクが低い
- 運用コストが低い
日本における不動産バブルや中国など諸外国の状況を考えても、得られる収入が安定していてリスクの低いインカムゲインを抑えておくと良いでしょう。
お金に関する知識や資産形成について、以下の動画のシリーズで詳しく解説しているので、興味のある方は是非チェックしてみてください。
まとめ
コロナ禍で住宅状況に大きな変化のあった日本の不動産市場は活気づき、不動産価格の上昇は1990年代のバブル期と並ぶ勢いだともいわれています。
しかし中国の不動産市場が下落傾向にあることも踏まえて、日本の不動産バブル崩壊のリスクには十分な注意を払いましょう。
いま不動産投資を始めるなら、ギャンブル性を抑えて安心して投資ができるインカムゲインを狙うのがおすすめです。
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