アパート経営の回収期間は?目安や回収期間を短くする方法を解説
不動産投資として、メジャーなアパート経営。
初期投資が高くなるケースもあるため、どれくらいで元が取れるのか気になりますよね。
投資した資金がいつ回収できるかという点は、アパート経営を始める人にとって、非常に重要なポイントです。
本記事では、アパート経営に関して回収期間の目安や、回収期間を短くするポイントを解説しています。
これからアパート経営を考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
アパート経営の回収期間の目安
一般的に不動産投資における自己資金の回収期間は、5〜10年が理想だとされています。
基本的には月当たりの利益が高いほど、回収期間は短くなります。
しかし、そのためには家賃を高く設定する必要があり、空室のリスクも考えると高すぎる家賃設定は危険です。
一方、回収期間を15年以上で設定した場合には、構造により違いがありますが、建物の劣化のためにかかる修繕費が大幅にかかり、利益が少なくなってしまうことも。
適切な回収期間は、アパート経営で損しないために重要なポイントとなります。
アパート経営の回収期間の計算方法の種類
アパート経営において、回収期間の設定は非常に重要です。
失敗しないためには、計算方法の指標を知っておく必要があります。
アパート経営の回収期間の計算方法は以下の4つです。
1.CCR(Cash on Cash Return)
2.PB(Pay Back Period)
3.ROI(Return On Investment)/ROE(Return On Equity)
4.IRR(Internal Rate of Return)
それぞれの方法について具体的に説明していきます。
【関連記事】アパート経営にかかる資金はいくら?諸費用の内訳や自己資金の目安を解説
種類①:CCR(Cash on Cash Return)
CCR(Cash on Cash Return)とは自己資金配当率のことで、不動産購入時に支払った自己資金に対する年間のキャッシュフロー(現金の入出)の割合を指します。
CCRの計算方法は次の通りです。
CCRの値が高いほど、投資効率の良さを示しています。
つまり、CCRから投資した自己資金をいつ回収できるかという目安をつけられます。
しかし、CCRは常に一定ではありません。
建物が年々劣化するため、年を追うごとに修繕費などがかかります。
正確なCCRを出すためには、年間で都度計算するのがおすすめです。
【関連記事】不動産投資のキャッシュフローとは?計算方法や重要な理由を3つ解説
種類②:PB(Pay Back Period)
PB(Pay Back Period)とは資金回収期間のことで、何年で自己資金を回収できるかを表した指標です。
PBの計算方法は以下の通りです。
PBは数値が低いほど、回収期間が短く、投資効率の良さがわかります。
しかし、不動産に対するPBはケースバイケースで、一概にPBが長いor短い=投資効率が良い不動産とはいえません。
あくまで指標になるので、算出式と実際のキャッシュフローを照らし合わせながら、判断しましょう。
種類③:ROI(Return On Investment)/ROE(Return On Equity)
ROI(Return On Investment)/ROE(Return On Equity)は投資収益率(利益率)のことです。
具体的には、自己資金と借入金を含めた総投資額において、年間でどれほどの利益があるかを表した指標を指します。
計算方法は以下になります。
CCRと同様、この値が高いと利益率が良いということです。
不動産投資において、利益率は重要な指標となるため、正しく計算して適切な評価をしましょう。
種類④:IRR(Internal Rate of Return)
IRR(Internal Rate of Return)は内部収益率のことで、対象の不動産に投資すべきかどうか判断するうえで重要な指標です。
数年後に得られる売却益まで考慮ができる収益指数ですが、経費や時間の価値まで含んだ計算が必要になり、算出にはExcelなどの表計算ソフトを使用します。
IRRの算出には手間がかかりますが、他の指標に比べ投資の実態を調べやすい指標です。
アパート経営の回収期間を短くするポイント
それでは、次にどのようにして回収期間を短くできるのかを説明していきます。
ポイントは以下の4つです。
1.自己投資額を減らす
2.耐用年数の長い物件を探す
3.収入源を増やす
4.空室期間をなるべく短くする
ポイント①:自己投資額を減らす
回収期間を短くするためのもっとも簡単な方法は、自己投資額を減らすことです。
銀行からの借り入れ等を利用して、自分から出る金額を減らします。
仮に、5,000万円の物件を購入した場合でシミュレーションしてみましょう。
表面利回りは5%(年間収入250万円)、年間諸経費は10万円です。
表面利回りとは物件価格に対し、家賃収入がどれだけあるかを指している値で、年間家賃収入総額を物件価額で割ると求められます。
自己投資額と回収期間の関連を確かめるために、CCRとROI・ROEを計算すると以下のようになります。
〈自己投資額5,000万円の場合〉
CCR=(250万円-10万円)÷5,000万円×100=4.8%
ROI・ROE=(250万円-10万円)÷5,000万円×100=4.8%
借入金がない場合はCCRとROI・ROEは同じになります。
〈自己投資額1,000万円の場合〉
※残りの4,000万円はローン、毎月の返済額は100万円
CCR=(250万円-10万円-100万円)÷1,000万円×100=14%
ROI/ROE=(250万円-10万円-100万円)÷(1,000万円+4,000万円)×100=2.8%
ローンを組み、毎月の返済額があると、ROI・ROEは下がりますが、CCRは4.8%から14%にあがります。
自己資金を減らすリスクとしては、月々のローン返済が難しかったり、利子がつき返済が困難になったりする可能性も。
このように極端に自己資金を減らすと、負うリスクも大きくなります。
計算をしながら、自己資金と借入金の割合を決めましょう。
ポイント②:耐用年数の長い物件を探す
耐用年数が長い物件は、融資の期間も長くなり、毎月の返済額を減らせます。
一般的に建物であれば、木造よりも鉄筋コンクリートの方が耐用年数が高くなります。
しかし、建物は地震や災害で被害を受ける可能性があり、突然修繕費が必要になることも。
そんな時に毎月のローン返済などに余裕があると、物件を手放さずに済みます。
結果的に耐用年数が長い物件は回収期間が短くなるので、耐用年数にも着目しましょう。
ポイント③:収入源を増やす
3つ目は収入源を増やすということです。
アパート経営の家賃だけではなく、他に収入源を増やし、回収期間を短くする方法です。
例えば、下記のような方法があります。
・アパートの敷地内に自動販売機を設置する
・駐車場・駐輪場を作り、貸し出す
・看板を設置し、広告収入を得る
もちろん家賃をあげて収入を増やせば、回収期間短縮も期待できますが、入居する人がいないと空室になり、リスクが大きくなります。
駐車場や駐輪場は入居者にとってもメリットになり、空室もでにくくなります。
収入源を増やしながらも、集客にもつながる対策をしましょう。
【関連記事】アパート経営はいくら儲かる?収入や支出、5つの儲かるコツを解説
ポイント④:空室期間をなるべく短くする
安定した家賃収入を得るためには、アパートの空室期間を短くし、常に入居者がいる状態を維持する必要があります。
建物は年々劣化することに加え、時代とともにニーズも変化していきます。
家賃収入があるからといって物件をそのままにしておくと、入所希望者が減ってしまい空室期間が長くなりやすくなります。
まずは空室を作らないよう、外観を綺麗にしたり、敷地内の設備を点検したりし、住みやすいアパートを維持しましょう。
ニーズの変化も受け入れ、リフォームの検討をしても良いでしょう。
また空室ができてしまった際でも、すぐに埋められるような対策も必要です。
まとめ
アパート経営における、回収期間の目安は5〜10年です。
短すぎるとリスクの高い経営になり、長すぎると利益が少なくなってしまうため、適切な回収期間の算出が必要になります。
回収期間の計算方法は以下の4つです。
1.CCR(Cash on Cash Return)
2.PB(Pay Back Period)
3.ROI(Return On Investment)/ROE(Return On Equity)
4.IRR(Internal Rate of Return)
理想の回収期間内で、回収期間を短縮するためのポイントは以下の4つです。
1.自己投資額を減らす
2.耐用年数の長い物件を探す
3.収入源を増やす
4.空室期間をなるべく短くする
それぞれの計算式を用いて、適切な回収期間を見極め、余裕のある資金計画を立てましょう。
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