不動産クラウドファンディングの失敗例3つ!失敗しないための対策を解説
近年になって徐々に注目を集め始めている投資の1つに、不動産クラウドファンディングがあります。
不動産クラウドファンディングとは、不動産を管理する事業者に対し投資家が手持ちの資金の範囲内で少額投資をおこない、その不動産から得られた収益を分配金として得る仕組みです。少額で始められること、不動産を管理するストレスがないことなど「大きく動く必要がない」点が人気の秘密。新しい時代の投資として、ここ数年で一気に知名度を高めてきました。
しかし投資に絶対はありません。ということは不動産クラウドファンディングにも、やはり失敗してしまう可能性はあるのでしょうか。
この記事では不動産クラウドファンディングで失敗してしまう可能性や、具体的なリスク・失敗例、また失敗しないためにどのような対策を施せばよいかについて解説します。
目次
不動産クラウドファンディングに失敗はある?
冒頭でも述べた通り、投資に絶対はありません。投資というカテゴリでくくられる行為において、100%の確率で絶対に利益を得られるものはないと断言できます。
不動産クラウドファンディングもその例外ではなく、投資である以上は「必ず成功する」と言い切ることはできません。比較的少額の投資であることが多く、大きな痛手になることは少ないかもしれませんが、残念ながら失敗してしまう可能性は常に存在します。
不動産クラウドファンディングにはリスクがある
不動産クラウドファンディングのリスクとして最も具体的でわかりやすいのは、投資した不動産が賃貸に出されたにもかかわらず、一向に借り手が現れないケースです。
不動産クラウドファンディング事業者がその不動産を購入した時点で、すでに投資家は不動産に投資をしています。当然、早いうちに借り手がついて収益が発生し、それが分配金となって返ってくることを期待するわけですが、必ずしもその形がすぐに実現するとは限りません。場合によっては1年以上経っても借り手が現れず、1円たりとも分配金がもらえないことも考えられます。
また不動産クラウドファンディング事業者が賃貸によって利益を得ることを諦め、その不動産を売却したとしても、売値が当時の買値より高くなる保証はどこにもありません。場合によっては損切りのような形で安く売却しなければならず、投資したお金の半分ほどしか戻ってこない可能性もなくはありません。
上記は不動産そのものに関する問題ですが、それ以外にも、不動産クラウドファンディング事業者とのあいだにトラブルが発生することがあり得ます。具体的なことは次項で解説しますが、事業者とのトラブルは自分で不動産を持った場合には発生しないクラウドファンディング特有のものであり、その意味ではトラブルの発生源は通常の不動産投資より多いと言えるかもしれません。
このように、不動産クラウドファンディングにも他の投資と同じようにリスクは確実に存在します。少額から始められるためリスクについて深く考えずに手を出してしまうケースも少なくありませんが、大切なお金を投資する以上は、考えられるリスクについて事前にしっかり考え、腹をくくっておく必要があるでしょう。
不動産クラウドファンディングの失敗例3つ
不動産クラウドファンディングにおける失敗パターンにもいくつかありますが、代表的なものとしては以下の3つが挙げられます。
①分配金を得られない
②事業者が信頼できない
③解約ができない
いずれもただ単に損失を被るだけでなく、トラブルによって余計な時間を取られてしまったり、気苦労を味わわされたりといったデメリットも付随します。あらかじめ認識しておかないと、いざというときにパニック状態に陥ってしまう可能性があるので、以下の解説を読んで事前にしっかり学んでおきましょう。
失敗例①:分配金を得られない
これはすでに述べたことと被る部分もありますが、不動産クラウドファンディングには分配金が得られないリスクがあります。
投資家に対して支払われる分配金は、家賃収入や売却収入から得られた利益を投資家の出資の割合に応じて配分する形で決定されます。たとえば4人の投資家が10万円・20万円・30万円・40万円と出資をしたのであれば、収益を1:2:3:4の割合で分配することになります。
しかし投資先の不動産を借りる人が現れなければ、家賃収入を得ることもできません。とくにマンション単位で投資したのではなく区分マンション(マンションの一室)に投資した場合、その部屋が空室である限り、収入はずっと0円のままとなります。
投資先がホテルであった場合にも、社会情勢の問題や閑散期に入ったことで客の入りが悪いと、分配金の減少につながります。
失敗例②:事業者が信頼できない
不動産クラウドファンディングにおいて、投資家が投資する先は不動産ではなく、不動産クラウドファンディング事業者です。
不動産クラウドファンディング事業者は、国土交通省が定める厳しい要件をクリアし「不動産特定共同事業法」の免許を取得しています。その意味では素性もわからない怪しい業者ではないのですが、それだけでは経営状態までわかるわけではありません。資金繰りに苦しんでおり、今にも倒産しそうな状態の可能性もあり得ます。
不動産クラウドファンディング事業者が倒産してしまえば、出資金はすべて無駄になってしまいます。信頼できる事業者であるかという問題は、不動産クラウドファンディング投資において大きな意味を持っています。
失敗例③:解約ができない
不動産クラウドファンディングは、基本的に途中解約できません。不動産クラウドファンディング事業者からすれば、集めたお金で不動産をすでに購入している以上、その一部分だけを現金に換えて返還することはできないからです。
解約ができないため、長期間のファンドを選んでしまうと、社会情勢の変化などによって大きな損失を被る可能性もあります。投資する際には、再び現金に戻すのは容易ではないということをしっかり理解したうえで実行に移しましょう。
不動産クラウドファンディングで失敗しない対策
不動産クラウドファンディングで失敗しないための対策としては、以下の3つが挙げられます。
①物件を吟味する
②事業者を吟味する
③リスクを考慮する
基本的なことではありますが、それゆえに大切です。順番に見ていきましょう。
対策①:物件を吟味する
まず物件をしっかり吟味することが大切です。不動産ごとに需要はまちまちで、誰もが借りたいと思っている物件もあれば、誰にも見向きもされない物件もあります。これから投資しようと思っている物件がどのくらい「人気商品」なのかを、事前にしっかりと見極めなければいけません。
具体的には、物件情報や財産管理報告書に目を通しておくとよいでしょう。すでに述べたとおり、いったん投資してしまうと途中解約できないケースがほとんどであるため、最初にしっかりと「当たり」を引くことが肝心となります。
対策②:事業者を吟味する
不動産クラウドファンディング事業者をしっかりと吟味することも大切です。
事業者ごとに実績はまったく異なりますし、取り扱っているファンドや入室金の手数料なども違ってきます。投資を始める際には複数の事業者を比較し、安全性が高いと思われるところを選んで投資先にしましょう。
特に注意して見るべきなのは、事業者の実績です。実績を見れば、配当の遅延や元本割れがないかを確認できます。もしそれらが過去に発生した形跡が見つかったのであれば、今後の投資においても同じことが起きる可能性があるので、リスクが高いといえるでしょう。
対策③:リスクを考慮する
どれだけ注意深く不動産や投資先を吟味したとしても、リスクをゼロにすることはできません。それは不動産クラウドファンディングが投資である以上、仕方のないことです。
しかし、具体的にどれくらい大きなリスクがどのくらい起こり得るのかについては、事前にある程度予測を立てることが可能です。したがって投資をただの運任せのギャンブルにしないためにも、最悪の可能性まで含めて事前に徹底的に調べておくことが大切です。
【関連記事】不動産投資の成功率を高める6つの方法!注意点もあわせて解説!
まとめ
不動産クラウドファンディングにおける失敗の可能性や、その具体例について解説しました。
不動産クラウドファンディングは、比較的低いリスクで高いリターンを得られる新時代の投資方法として人気を博しています。しかしリスクについてきちんと把握することなく安易に飛びついてしまうと、予想もしなかった痛手を被る可能性があります。失敗の可能性から目を背けるべきではありません。
この記事を参考にして、正しくリスクを踏まえた堅実な不動産クラウドファンディング投資を目指してください。
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