インフレ対策に向いている投資法5選!上手に資産を守る・増やす方法も解説

インフレ対策に向いている投資法5選!上手に資産を守る・増やす方法も解説

「投資を始めるなら、インフレに強い方法を選びたい」という方も多いでしょう。

モノやサービスの価格が上昇するインフレ時にはお金の価値が下がることもあり、すべての投資法が最適とはいえません。

効率よく資産を増やすには、インフレの特徴に合った投資法を選ぶことが重要です。

そこで本記事では、インフレの定義とインフレ対策に向いている投資法5選について紹介します。

向いていない投資方法や気をつけるポイントも解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

インフレとは

インフレとは「インフレーション(Inflation)」の略で、モノやサービスの価格が継続的に上昇することです。

一方で、連続的に価格が下落することをデフレーション(Deflation)、またはデフレと呼びます。

ここでは、インフレについて以下に挙げる3つの観点を踏まえて解説します。

  1. 生活に与える影響
  2. 日本の現状
  3. 世界の状況

インフレ対策に向いている投資法を知る前に、インフレについて理解を深めましょう。

 

生活に与える影響

インフレが生活に与える影響は、主に以下の2つです。

  1. モノやサービスの価格が上がる
  2. お金の価値が相対的に下がる

例えば、100円で購入できたペンが150円に値上がりすると、同じ製品を今までと同じ金額では買えません。

同じ製品に対して1.5倍のお金を払う必要があり、お金自体の価値は下がるのです。

また、インフレは社会情勢によって与える影響の良しあしが変わります。

好景気中のインフレであれば従業員の給与がアップして、社会全体の消費の活性化につながります。

しかし、原価高騰などにより発生するインフレでは、企業の収益が上がりません。

結果として従業員の給与も上がらず、経済に悪い影響を及ぼします。

このようにインフレは直接的だけではなく、間接的にも生活へ影響するため、日頃からの対策が大切といえるでしょう。

 

日本の現状

ロシア・ウクライナ情勢や金融政策の影響により、日本では物価高が続いているのが現状です。

2023年8月分の消費者物価指数によると、天候の影響を受ける生鮮食品を除いた総合指数の前年同月比は3.1%上昇しています。

前年同月比で上昇率が高かった費目は、下表の通りです。

費目 前年同月比
生鮮食品を除く食料 9.2%
家具・事務用品 7.1%
教養娯楽 5.0%

上昇率が3%を超えるのは12ヶ月連続で、継続的に物価が上がっています。

引用元:総務省統計局|2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)8月分

 

世界の状況

エネルギー価格の高騰などにより、日本と同様に世界のインフレ率も高まっています。

IMF(国際通貨基金)によると、世界のインフレ率は下表の通りです。

世界のインフレ率
2021 4.7%
2022 8.7%
2023(見通し) 6.8%

現在は金融引き締めなどが実施されていることから、2024年には5.2%まで下がる見通しとなっています。

ただし、ロシア・ウクライナ情勢など予測の難しい事柄が多いため、上方修正される可能性もあるでしょう。

引用元:

IMF|2022年10月 世界経済見通し(WEO)
IMF|2023年世界経済は軌道に乗っているものの、安心するのは時期尚早

 

インフレ対策に向いている投資方法5選

インフレ対策に向いている投資方法は、以下の5つです。

  1. 株式投資
  2. 投資信託
  3. 外貨建て資産
  4. 金投資
  5. 不動産投資

それぞれの向いている理由や注意点について解説するので、自分に合った投資方法を見つけてください。

 

方法①:株式投資

株式投資は、インフレ対策に向いている投資方法の1つです。

企業が製品やサービスの値上げを実施することで業績向上につながり、株価も上昇するためです。

配当金の還元も期待でき、キャピタルゲイン(売買益)とインカムゲイン(配当金)の両面で利益を得られるでしょう。

ただし、すべての企業が価格アップを実現できるとは限らず、業績が悪化する場合もあります。

企業の動向をチェックしながら、銘柄選定することが大切です。

 

方法②:投資信託

投資信託とは、投資家から収集した資金を運用のプロが株式や債券に投資することです。

投資先が株式であれば、インフレにより株価が上昇することでリターンが期待できます。

投資信託は1万円など少額からスタートできるのがメリットで、株式投資はハードルが高いという方にもおすすめです。

ただし、下記のタイミングに手数料が発生して収益が減ってしまうため、複数の金融機関や証券会社の料金プランを比較しておくことが重要だといえます。

  • 購入
  • 保有
  • 解約時

2024年から始まる新NISAにより、投資信託の注目度はさらに高まるでしょう。

【関連記事】新NISAはデメリットしかない?メリットの有無や上手な活用方法を解説

 

方法③:外貨建て資産

外貨建て資産は為替変動で価値が上がる可能性があり、インフレ対策に有効です。

外貨資産は、以下のような種類があります。

  • 外貨預金
  • 外貨の株式・債券
  • 外貨建ての保険商品

円と組み合わせて外貨建て資産を持つことで、資産全体の目減りを予防できます。

ただし、為替の変動リスクがあり、円高に転じると損をする場合もあるため注意しましょう。

 

方法④:金投資

インフレが想定されると金の需要が高まるため、金投資はインフレ対策に向いています。

実際、日本での金の価格は下表のように高騰し続けています。

参考小売平均価格(税抜)
2022 7,649円
2019 4,918円
2016 4,396円

金の取引は米ドルから日本円に換金して実施するため、円安になると日本では金の価格が上昇するのも特徴的です。

金は比較的安全な資産として有名ですが、盗難などに備えて管理する手間がかかるなどのデメリットもあるので事前にしっかり検討しましょう。

引用元:田中貴金属工業|年次金価格推移

 

方法⑤:不動産投資

物価上昇に合わせて家賃を上げやすいことから、不動産投資はインフレ対策に向いている投資方法です。

また、お金の価値が下がる分、ローンの返済額が実質的に目減りします。

不動産は現物資産でモノ自体に価値があり、現金などの金融資産と比較して、インフレ時に価値が下がりにくいのも特徴です。

とはいえ、金利が上昇するリスクがあることから、金利の種類について十分にシミュレーションしておく必要があるでしょう。

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インフレ対策に向いていない投資方法

インフレ対策に向いていない投資方法は、主に以下の3つです。

  1. 現金
  2. 預金
  3. 国内債券

利息を得られない現金や、物価上昇率よりも金利が下回る場合の預金は、保有していても価値は目減りしていきます。

また、債券とは資金借り入れのために国や企業が発行する有価証券のことです。インフレによって金利が上昇すると、債券の価値が低下することからインフレには向いていません。

ただし、現金や預金は「すぐに利用できる」というメリットがあるため、インフレに強い資産と組み合わせることが大切になるでしょう。

 

インフレ対策で投資する際の2大ポイント

インフレ対策で投資する際のポイントは、以下の2つです。

  1. 分散投資する
  2. 長期投資する

ポイントをチェックしておけば、資産運用をスタートしてから後悔するリスクを回避できます。

 

ポイント①:分散投資する

インフレに強い方法を選択しても、投資には損失のリスクをともなうので分散投資を心がけましょう。

分散投資とは危険を回避して、安定した収益を目指す方法です。

分散投資は下表のように、大きく分けると「資産分散」と「時間分散」の2種類があります。

分散投資の種類 特徴
資産分散 ・株式や債券などさまざまな投資に取り組む
・国内と海外の両方に投資する
・収益と損失を均等化できる
時間分散 ・1回に集中せず購入時期を分散させる
・一時的な変動リスクを回避できる

投資先や時期を分散させることで、万が一損失した場合のダメージを最小限に抑えられます。

【関連記事】【初心者向け】投資のポートフォリオとは?作成例やチェックポイントを解説

 

ポイント②:長期投資する

目標金額が同じでも早期にスタートすると元本が少なく済むため、長期投資を前提に計画しましょう。

例えば、年利3%で2,000万円を貯める場合のシミュレーションは下表の通りです。

10年 20年 30年
月の積立額 14万円 6万円 3.5万円
年の積立額 168万円 72万円 42万円
積立期間 10年3ヶ月 20年3ヶ月 29年8ヶ月
積立(元本)総額 1,722万円 1,458万円 1,246万円
運用益総額 291.2万円 544.7万円 759.4万円
合計 2,013.2万円 2,002.7万円 2,005.4万円

30年で2,000万円にする場合と10年の場合を比較すると、元本にはおよそ470万円もの差が出ており、早期に投資を始めたほうがお得になります。

月々の積立額を減らして生活への影響を抑えつつ、着実に資産形成したい方は、長期投資による複利効果を狙っていきましょう。

 

まとめ:インフレ対策は投資による資産運用が有効

モノやサービスの価格が上昇するインフレでは、お金の価値が相対的に下がります。

しかし、分散投資や長期投資を意識して資産運用に取り組むことで、安定的なリターンを見込めます。

生活への悪影響をなるべく減らすためにも、インフレに強い投資方法で早めに対策していきましょう。

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この記事の監修者

西尾 陽平
西尾 陽平
役職
土地活用事業部 執行役員
保有資格
資産形成シニアコンサルタント、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後同社へ入社し、地主さんの土地活用という資産形成や節税を実践で学び、現在は土地のない方へ、土地から紹介し不動産の資産形成の一助を行っている。実践の中で身に付いた視点で、分かりやすく皆様に不動産投資のあれこれをお伝えしています。