都市計画税とは?固定資産税との違いもわかりやすく解説!
「都市計画税ってどんな税金なの?」
「固定資産税と何が違うの?」
土地や家屋の購入を検討されている方の中には、このような疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。
都市計画税は、固定資産税と同じように毎年税金がかかるため、土地や家屋の購入前にしっかりと調べておきましょう。
この記事では、都市計画税の目的や課税対象者だけではなく、固定資産税との違いや簡単な計算方法までわかりやすく解説しています。
都市計画税について興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
目次
都市計画税とは
都市計画税を知るためには、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 都市計画税の目的
- 都市計画税の課税対象者
- 都市計画税と固定資産税の違い
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
都市計画税の目的
都市計画税は、住みやすく快適な街づくりのための都市計画事業や、土地区画整理事業の費用として市町村や都に支払う税金です。
都市計画事業とは、道路・水道・公園などの公共施設の整備をはじめ、市町村の発展を目指す事業のこと。
また、土地区画整理事業は、土地や区画を整備・改善することで、市街地の開発を目指す事業です。
都市計画税は、税収の使い道が定められている目的税として、そこに住む方が暮らしやすい街づくりに用いられます。
都市計画税をいくら負担するかは、住む地域がどのような街づくりをしていくかに応じて変わり、市町村の自主的な判断に委ねられています。
2021年の調べでは、日本全国の市町村1,719団体(東京特別区は1団体とする)のうち、644団体が都市計画税の対象地域です。
このことから、日本全体に対して約3分の1の市町村が、都市計画税が必要な地域であるといえます。
また、都市計画の区域に入っていない地域は、市街化を図っていないため都市計画税がかかりません。
しかし、市街化区域であっても都市計画税がかからない地域もあります。
それらの地域は、以下の通りです。
- 秋田県:秋田市
- 茨城県:つくばみらい市
- 千葉県:浦安市
- 東京都:青梅市
- 神奈川県:茅ヶ崎市
- 大阪府:阪南市
県庁所在地や特定市でも、都市計画税がかからない地域もあります。
引用元:国土交通省|平成22年【参考 1-4】都市計画税徴収市区町村の属性把握
都市計画税の課税対象者
都市計画税は、原則として毎年1月1日に、都市計画税がかかる市街化区域に土地や家屋を持っている個人や法人に課税される税金です。
1月2日に不動産を取得した場合は、その年の都市計画税はかかりません。
都市計画税は、都・市・町・村全域にはかからず、市街化区域に限定されます。
この市街化区域とは、すでに市街地の区域や、10年以内に市街化を計画している区域です。
2020年の調べでは、日本全国で土地に2,220万人・家に2,768万人が都市計画税を納税しています。
都市計画税は、街づくりの計画や土地の区画整理事業を実施する市町村が税額を決める仕組みです。
ただし、東京都23区の場合は、都がとりまとめて課税します。
引用元:総務省|都市計画税
都市計画税と固定資産税の違い
都市計画税と固定資産税の1番の違いは、土地や家屋が「市街化区域内にあるのか」という点です。
固定資産税は固定資産を持つ方全員が、都市計画税は住みやすく快適な街づくりを目指す市街化区域内に土地や家屋を持っている方が負担する税金です。
都市計画税と固定資産税の違いを、わかりやすく表にまとめました。
都市計画税 | 固定資産税 | |
課税対象 | 市街化区域内にある、土地や家 | 固定資産(土地や家など) |
課税対象者 | 1月1日時点で、市街化区域内に土地や家を持っている方 | 1月1日時点で、固定資産を持っている方 |
税率 | 0.3%(制限税率) | 1.4% |
課税標準 | 固定資産税評価額 | 固定資産税評価額 |
課税標準の固定資産税評価額は、総務省が定めた固定資産評価基準に基づいて算定されます。
土地の場合は地価公示価格の約70%、家などの建物の場合は建築費用の約50〜70%を基準としています。
この固定資産税評価額は、3年ごとに見直しが実施され、直近では2021年に見直(評価替え)されました。
最新の固定資産額は、以下の3つの方法から確認できます。
- 納税通知書の確認
- 固定資産課税台帳を閲覧
- 固定資産税評価証明書を取得
納税通知書は、毎年4〜6月ごろに市町村から送られ、価格の欄に固定資産税評価額が記載されています。
固定資産台帳は、毎年4月1日から第1期納税期限(通常6月末)まで、住んでいる街の市役所で調べられます。
固定資産税評価証明書は、住んでいる街の市役所で取得可能です。
固定資産税評価証明書の申請には、本人確認書類と手数料が必要なため、注意してください。
都市計画税の計算方法
都市計画税は、以下の計算式で求められます。
都市計画税=固定資産税評価額×税率0.3%(制限税率)
この税率は0.3%が上限となっており、税収が安定している市町村は税率を低く設定しています。
また、住宅用地の特例も設けられており、土地の広さが200㎡以下の場合は1/3、200㎡を超える部分は2/3に減額されます。
例えば、以下の条件の場合に、都市計画税がいくらかかるのか見ていきましょう。
- 土地の固定資産税評価額:1,200万円
- 家屋の固定資産税評価額:1,500万円
- 税率:0.3%
- 土地の広さ:180㎡
土地にかかる都市計画税=1,200万円×0.3%×1/3=12,000円
家屋にかかる都市計画税=1,500万円×0.3%=45,000円
土地と家屋にかかる都市計画税=12,000+45,000円=57,000円
上記のように計算できます。
家屋を建てようとする土地に、都市計画税がかかるかどうかは、地元の不動産会社の担当者に問い合わせれば確認できます。
以下の動画では、固定資産税や都市計画税を下げる方法について詳しく解説してるので、興味のある方は是非チェックしてみてください。
都市計画税が軽減されるパターン
都市計画税の軽減措置は、以下の2つに当てはまる場合に適用されます。
- 住宅用の土地である場合
- 免税点に達していない場合
上記でも紹介しましたが、住宅として使用する場合、住宅用地の特例が適用されるのもポイントです。
<住宅用地の特例として都市計画税が、土地の広さが200㎡以下の場合は小規模住宅用地として1/3、200㎡を超える部分は一般住宅用地として2/3に減額されます。
併用住宅(住宅と店舗が共存している住宅)の場合は、1/4以上が居住用としていることが条件です。
また、固定資産税や都市計画税には、免税点が設けられています。
課税標準額が、土地の場合は30万円未満の場合、家屋の場合は20万円未満であれば都市計画税はかかりません。
しかし、同一市区町村内で複数の土地や家屋を持っている場合は、それらの課税標準額が合計されるため注意してください。
例えば、同じ市町村内で課税標準額が15万円と20万円、2つの土地を持っている場合を考えてみましょう。
それぞれ1つだけ土地を持っている場合には、課税対象ではありません。
しかし、同じ市町村内で2つの土地がある場合には、課税標準額が合計して35万円となり、固定資産税と都市計画税の課税対象となります。
まとめ:都市計画税を正しく理解しましょう
都市計画税の目的や課税対象者、固定資産税との違いについて詳しく解説してきました。
都市計画税は、1月1日に市街化区域内に土地や家屋を持っている方に課税される税金です。
固定資産税と同じように毎年必要な費用のため、土地や家屋の購入前にはしっかりと調べておきましょう。
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