不動産投資は副業になる?ならない?始める際の注意点を解説
不動産投資は比較的低いリスクで安定的なリターンを見込める投資として人気があります。最近では副業解禁の動きが激しくなったことや、いわゆる「老後2,000万円問題」が話題になったこともあり、サラリーマンでも不動産投資を始める方が増えてきています。
しかし、なかには副業禁止の会社もあり、「自分の立場で不動産投資を始めてもいいのだろうか?」という疑問からなかなか踏み出せずにいるケースも少なくありません。不動産投資は副業のうちに含まれるのでしょうか。
この記事では、不動産投資は副業としてみなされるかどうかについて考察するとともに、始める際の注意点や、会社員に不動産投資がおすすめな理由などについても解説します。
目次
不動産投資は副業になる?ならない?
まず結論からいいますと、「不動産投資は副業とみなされない可能性が高い」となります。
そもそも会社が副業を禁止する理由は、以下のようなものです。
・会社の技術に関係ある分野で副業をおこなうことで情報漏洩が起こるかもしれない
・本業より副業に力を入れることで、会社でのパフォーマンスが低下するかもしれない
しかし不動産投資は、ただの投資であるため会社の技術とは関係ないことがほとんどです。不動産を所有していたからといって情報が漏洩することは考えられません。そして日常的に業務があるわけでもないので、本業のパフォーマンスが低下する可能性も低いといえます。
以上のことから、不動産投資は副業とみなされない可能性が高いと考えられるでしょう。ただし副業か副業でないかは曖昧なものなので、会社が「絶対にダメ」と主張する場合もあります。その場合に抗うか従うかは、不動産投資を始めたい気持ちがどれくらい強いのかによるでしょう。
不動産投資が副業に含まれにくい理由
前項でも少し触れましたが、ここで不動産投資は副業に含まれにくい理由をより具体的に解説します。主に以下の3つが挙げられます。
①相続で始めるケースが多いから
②本業と両立しやすいから
③資産運用の認識が強いから
順番に見ていきましょう。
理由①:相続で始めるケースが多いから
たとえば親がアパートを経営していた場合、その親が亡くなったら子供である自分がアパート経営を相続することになります。自分から積極的に不動産投資に関わろうとしたわけでもないのに、ある日突然、アパート経営という名の不動産投資を始めることになります。
いくら会社が副業禁止にしていたとしても、親から受け継いだものを手放せと迫ることはできません。それは会社員個人の財産に踏み入る行為であり、法的にも許されるものではありません。
こういったやむを得ない場合をすべて禁止にできないため、不動産投資は副業禁止の範囲に含めることが難しいと考えられています。
理由②:本業と両立しやすいから
すでにある程度解説しましたが、会社が副業を禁止にする主な理由として、「副業にリソースを割くことで本業のパフォーマンスが低下してしまうから」ということが挙げられます。たとえば朝から夕方まで本業の会社で働いたあと、深夜に副業でアルバイトをする社員がいたとしたら、体力的な問題から日中の仕事に力が入らなくなることが懸念されます。
しかし不動産投資は根本的に時間労働ではありません。不動産の管理は管理会社に委託できるので、物件にほとんど関わることなく収入だけを得られる体制を作れます。したがって「本業に支障が出るから」という理由から副業を禁止している会社も、不動産投資はお咎めなしで済ませることがほとんどです。
理由③:資産運用の認識が強いから
不動産投資は仕事というよりは資産運用のニュアンスの強いものです。労働によって金を稼ぐのではなく、自分がすでに持っている資産を運用することで利益を得る行為だからです。
この場合、不動産投資は株式投資などの仲間であるとみなされるので、会社としても服用の範疇から外さざるを得なくなります。自分の資産をどのように使おうが、それは従業員1人1人の自由であり、会社がそこに踏み込むことは許されないからです。
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不動産投資を副業で始める時の注意点
第二の収入の柱として不動産投資を始める際には、以下の3つの点に注意が必要です。
①自分で確定申告をおこなう
②むやみに言いふらさない
③本業をおろそかにしない
いずれも問題なく不動産投資を続けていくためには大切なことなので、以下の解説を読んでしっかり把握しておきましょう。
注意点①:自分で確定申告をおこなう
ほとんどのサラリーマンは本業において確定申告をする機会はありませんが、不動産投資をしている場合には、毎年の収入を不動産所得として確定申告する必要があります。確定申告は自分で書類を作って税務署に提出しなければならないため、時間も手間もかかります。しかし申告しないと脱税と見なされてしまうこともあるので、正確に手続きをしなければいけません。
確定申告を正確に完了できるか不安な場合には、税理士に相談することをおすすめします。ある程度費用はかかってしまいますが、プロの手による確実な仕事が期待できます。また不動産収益が多い場合には、節税対策などの相談に乗ってもらえる点もメリットです。
注意点②:むやみに言いふらさない
これは法的な問題ではなく主に人間心理の問題になりますが、不動産投資をしていることをむやみに言いふらさないのも注意すべきポイントです。上司の耳に届くことによって「不動産投資で儲かっている」イコール「本業に身が入らなくなるかもしれない」という発想から何かしらの制約を受ける可能性がありますし、同僚からやっかみを受けることもないとはいえません。
基本的に不動産投資をしていることを周囲の誰かに教えたからといって、得することは何もありません。家族にまで内緒にするのは問題かもしれませんが、基本的には誰にも言わずに淡々と進めていくのがよいでしょう。
注意点③:本業をおろそかにしない
不動産投資が基本的に時間と労力を必要としないものであることはすでに述べましたが、ある程度成功することで、本業に身が入らなくなる可能性はないとはいえません。たとえば本業の収入より不動産投資の収入のほうがはるかに多くなってしまった場合、気持ちのうえで「本業なんて別にどうでもいいや」となってしまうこともあり得ます。
しかしせっかく本業を持って収入を得ているのであれば、それを手放すリスクにつながる態度は取らないほうがよいでしょう。本業の収入の範囲で生活をし、不動産投資の収入は将来のために確保しておく、といった気持ちで臨むのが適切ではないでしょうか。
会社員に不動産投資がおすすめの理由
会社員に不動産投資をおすすめできる理由としては、以下の3つが挙げられます。
①融資が通りやすい
②時間をかけずに投資できる
③老後資金を確保できる
1つひとつ見ていきます。
理由①:融資が通りやすい
終身雇用が崩壊しつつあるとはいえ、会社員はまだまだ安定的な収入を得られる堅実な職業であるとみなされています。そのため不動産投資をするにあたって、最初に不動産を購入するための資金調達がしやすいというメリットがあります。金融機関としては、安定した収入を得ている会社員は融資をしやすい相手だからです。
理由②:時間をかけずに投資できる
不動産投資は時間をかけずに続けられるので、朝から夕方まで拘束される会社員にはぴったりであるといえます。具体的には、投資物件の管理(清掃や修繕などといったもの全般)を管理会社に委託することで、ほとんど物件そのものに関わることなく収入だけを得られる仕組みを作ることが可能です。
高い収入が得られたとしても、時間的・体力的に大きな束縛を受けるのであれば、会社員と両立することは難しいといわざるを得ません。その点で不動産投資は、最初の意思決定さえ済ませてしまえば、あとは基本的に放っておくだけで物事が進むので、自分の時間もしっかり確保できます。
理由③:老後資金を確保できる
2019年に「老後2,000万円問題」が話題となりました。年金だけでは老後の生活を賄えず、自分で2,000万円ほど用意することが必要だと騒ぎになった出来事です。
実際に2,000万円貯めておくことが必要かは定かではありませんが、いずれにせよ老後のための資金を多く持っておくに越したことはありません。しかし会社員の給料だけでは、なかなか大きな貯蓄ができないのも事実です。
そこで不動産投資を始めて第2の収入の柱を作ることがおすすめとなります。もちろん投資である以上リスクはありますが、比較的確実性の高い形で堅実に資産を構築できることでしょう。
【関連記事】老後に必要な資金の目安を紹介!準備するための5つの方法も解説!
まとめ
不動産投資は副業とみなされるのか、副業として始める際にどのような点に注意すればよいのか、などについて解説しました。
2022年現在、多くの会社において副業が解禁されていますが、それでもまだ副業禁止を社内ルールとしているところは存在します。しかし不動産投資はすでに述べたような理由から、副業の一種とみなされない可能性が高いといえます。そのため「他の収入源を持ちたいけれどもどう動けばよいかわからない」と悩んでいる会社員には、おすすめの投資です。
この記事を参考にして、ぜひ第2の収入の柱としての不動産投資を成功させてください。
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