節税対策として不動産は効果がある?対策できる税金種類も紹介します
不動産投資に興味をお持ちの方の中には、不動産投資が節税につながるという話を耳にされたことも多いのではないでしょうか。
不動産投資では、物件を購入する費用や運用の損益によって赤字を出すことで、税金を安く抑えられる場合があります。
本記事では、不動産投資で節税を考えている方に向けて、不動産投資が税金対策になる理由やどのような人が節税のための不動産投資に向いているかを解説します。是非参考にしてください。
目次
不動産で節税対策できる税金の種類
はじめに、不動産投資で節税が見込める税金の種類をご紹介します。
不動産投資では、課税所得を減らすことで所得税や住民税を節税できるほか、相続税や贈与税などの対策も可能です。
種類①:所得税
個人の所得に対してかけられる税金で、1年間の全ての収入から控除などを引いた額を課税所得として税額を計算します。
日本では所得税に累進課税制度が採用されているので、所得額が大きいほど税額も大きくなり、逆に少なくなれば税金が安くなります。
サラリーマンの場合、今までは給与の金額のみで所得税が計算されていましたが、不動産投資をはじめると、投資による赤字を差し引いたものが課税所得になるので、給与額が同じでもこれまでより税金が安くなります。
種類②:住民税
住民税はゴミ処理や消防・救急など地域の行政サービスを提供するための費用として、都道府県や市区町村に納める税金です。
住民税も所得税と同じく、給与など毎年の収入によって税額が決定されるため、所得が減れば税金が安くなります。
種類③:相続税
親や親族が亡くなったときにお金や土地など、相続した財産にかかる税金です。
不動産投資であっても、相続の際には税金がかかるのですが、賃貸用不動産として相続する場合は、現金で相続する場合よりも税率が安くなります。
例えば、現金1億円を相続する場合、1億円全額が相続税の課税対象になります。
しかし、不動産の場合は、国税庁が定める相続税評価額により、5割~6割が評価額とされます。
そのため、相続税の課税対象となるのは5000万~6000万となり、現金そのままを相続するより節税につながるのです。
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種類④:法人税
企業など法人の所得に対して課税される税金です。
個人であれば所得税に当たるものですが、所得税と異なるのは税率が低い点です。
所得税は累進課税のため税率が最大55%になりますが、法人税は企業規模が大きくなってもそれほど変わらず、最大でも33%です。
そのため、不動産投資の規模が大きくなってきた場合は、法人化すれば税金対策につながります。
種類⑤:贈与税
他人から無料で財産をもらったときに課税される税金です。
贈与税が発生するのは個人のみで、企業など法人からの場合なら贈与税はかかりません。
また、贈与財産には年110万円までの基礎控除があるため、贈与税が必要になるのは110万円以上の財産を受け取った場合です。
贈与税が節税になる理由は相続税と同様で、こちらも現金より不動産の評価額のほうが低くなるため、税金も低くなるのです。
さらに、贈与税には、60歳以上の祖父母や父母から20歳以上の子・孫に贈与を行う場合には、相続時精算課税制度が適用でき、2500万円までは税金がかからなくなるメリットもあり、さらなる節税が可能です。
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不動産が節税対策になる2つの仕組み
不動産投資が節税につながる仕組みには主に、物件の減価償却と赤字を出すことによる損益通算の2つがあります。
不動産投資が税金対策になる仕組みを詳しくご説明します。
仕組み①:減価償却
不動産投資では、物件に対する減価償却を経費として計上することで、課税所得を下げ、税金を低く抑えられるようになります。
財産の中でも、不動産や車などは年々少しずつ価値が下がっていくという考えのもと、課税所得を計算する際、減価償却といわれる方法が用いられます。
例えば、1億円の物件を購入した場合、その年に1億を計上するわけではなく、毎年1000万円ずつなど、耐用年数に応じて分割して経費にできます。
経費は給与などの所得から差し引けるため、課税所得が減って所得税や住民税の節税につながります。
減価償却のポイントは、2年目以降の実際には支出のない年でも経費を計上できる点で、物件を購入した年以外でも税金対策が可能です。
仕組み②:損益通算
不動産投資による所得は総合課税といわれ、給与所得など、その他の所得と合算して課税されます。
総合課税では、例えば給与所得が黒字で不動産所得が赤字だった場合に、黒字から赤字分を差し引く損益通算ができます。
そのため、不動産投資で赤字が出れば、その他の所得から減じて課税所得を抑えられ、税金対策につながるのです。
不動産投資では、減価償却のほか、固定資産税や物件の維持・管理費、火災保険、入居者募集の広告費なども経費にでき、これらを計上することで所得を圧縮し、節税が可能になります。
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節税対策として不動産投資が向いている人の2つの特徴
不動産投資をはじめれば、誰もが節税によるメリットを得られるわけではありません。節税としての不動産投資に向いている人の2つの特徴についてご説明します。
特徴①:課税所得が900万円を超えている
不動産投資による節税効果が大きいのは、所得が高く、累進課税による税率が大きくなる人です。
具体的には、課税所得が900万円を超えるサラリーマン・個人事業主の方は、所得税・住民税を合わせた税率が40%以上になるため、不動産投資により課税所得を減少させれば大きな節税効果が期待できます。
900万円を下回っている方は、まずは節税よりも収入を現在よりアップさせるのを目標とするほうがいいでしょう。
特徴②:相続税対策を必要としている
現在、現金などの財産を多く保有していて、相続税が高くなると予想される場合も不動産投資による節税をおすすめできます。
相続は現金で行うよりも不動産のほうが税額を抑えられ、節税効果も高くなっています。
近い将来、相続や贈与が発生する可能性のある方は、不動産投資による税金対策を検討してみてください。
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節税対策として不動産投資をする際の3つの注意点
税金対策として非常に有効な不動産投資ですが、実践の際には、リスクや注意点も存在します。不動産投資で節税対策をする際に注意したい3つのポイントを解説します。
注意点①:不動産投資の特有のリスクがある
不動産投資も投資である以上、メリットだけでなくリスクも存在しています。
購入した物件に入居者が集まらず、空室ができてしまったり、災害で損害を受けたり、入居者がトラブルを起こしたり、上手く売却ができなかったりなど、不動産経営には多くのリスクがつきものです。
場合によっては節税効果以上の出費や手間がかかる可能性もあります。
不動産投資をするなら、節税だけを目的にするのは危険です。リスクや将来のことを考えた上で、本当にはじめるべきかどうかを検討しましょう。
注意点②:次の融資が受けられなくなる可能性もある
不動産投資で節税対策を行うときは、基本的に経費などで赤字を出す方法を採りますが、赤字を計上していると、銀行など金融機関からのイメージが悪くなり、次回以降融資を受けられなくなる可能性があります。
赤字は銀行から見ると、経営不振に映ります。
新しい物件を購入して不動産投資を拡大していきたいと考えている方は、安易に赤字を出して節税するのは控え、きちんと事業として成立させられるようにしましょう。
注意点③:相続の際にトラブルとなるケースがある
不動産投資で相続税を節約している場合にも注意が必要です。
不動産で相続させると、現金を受け取らず、すぐに売却して現金化するのも難しいため、相続人が相続税の納税に困る可能性があります。
また、不動産は均等に分割するのが難しい資産のため、相続について親族同士でトラブルになるケースもみられます。
相続税対策に不動産投資を行うなら、事前に相続人と話し合って了承を得ておくほうがいいでしょう。
まとめ
不動産投資は、減価償却や損益通算により、所得税や住民税、相続税など、さまざまな税金を圧縮してくれるため、非常に優れた節税方法です。しかし、不動産投資による節税は所得額などで向いている人とそうでない人がおり、投資ならではのリスクも存在しています。
そのため、不動産投資を利用して節税する際は、メリットやデメリットを考慮して、自分に合った方法かどうかをよく検討するようにしましょう。
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※不動産投資による節税は物件などの条件により効果が異なります。節税を目的とした投資をする際は専門家のサポートを受けながら行いましょう。