アパート経営は土地ありだと有利!その理由や必要資金を解説
「相続をして土地が手に入った」「実家の土地をどう活用しようか迷っている」という方にはアパート経営がおすすめです。
アパート経営をするにあたって土地をすでに持っていれば金銭面での負担が大きく異なるためです。
しかし、土地を持っている場合、立地の良し悪しを選べないという注意点もあります。
アパート経営を事業として考えるためには慎重な判断が必要です。
この記事では、土地がある場合のアパート経営が有利な理由やアパート経営に必要な資金を解説します。
土地を持っていてこれからアパート経営を検討している方は参考にしてみてください。
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目次
アパート経営で土地ありの場合とは?
アパート経営で土地ありの場合とは、土地を購入せずに、建築費用だけでアパート経営するパターンのことです。
土地をすでに持っている場合は、利回りを高くしやすくなるメリットがあります。
利回りとは、投資した元本から一定期間に得られる利益の割合を表すものです。
一方で、土地から購入してアパート経営する場合でも、以下のケースであれば利回りを高くしやすくなります。
・土地…自己資金で購入
・建物…金融機関からの借入
しかし、手元から現金がなくなるため、アパート経営にとって大きなダメージです。
自己資金が手元にない場合、土地代も含めて金融機関からの借入になるため、その分の利回りが低くなります。
そのため、資金面や利回りを考えると、土地ありの場合が有利といえるでしょう。
アパート経営は土地ありが有利な5つの理由
前述の通り、アパート経営は「土地あり」が有利です。
ここでは、土地をもっていると有利になる5つの理由を解説します。
1.利回りが高くなりやすい
2.物件に資金をかけられる
3.ローンが少額になる
4.賃貸ニーズを把握しやすい
5.ローンの審査が通りやすい
理由①:利回りが高くなりやすい
良い立地の土地がある場合は、アパート経営に有利です。
土地代を削減できるため、高い利回りが見込める物件になり、キャッシュが貯まるスピードも早くなります。
まさに、ローリスクハイリターンという投資原則が成り立つので、土地活用としてのアパート経営が向いています。
理由②:物件に資金をかけられる
土地ありの場合、建物に資金をかけられる点もメリットです。
土地代が浮いた分、防犯カメラやオートロック設備、宅配ボックスやカードキー機能などの最新の設備に投資でき、入居率の上昇も目指せます。
施工の質が上がれば、空室率が減少し、修繕費も発生しにくいのでおすすめです。
理由③:ローンが少額になる
土地をすでにもっている場合は、ローンが建物のみとなるため、借入を少額にできます。
アパート経営は、毎月の融資返済額が家賃収入額に対してどれくらいの割合(返済比率)になるのかが重要です。
ローンが少額になることで、返済比率が低下して経営に有利なキャッシュフロー(お金の流れのことで、収入から支出などを引いて実際に手元に残るお金)が手元に多く残ります。
また、空室が出てしまった場合でも短期間であれば返済への影響が少なくなるというメリットも。
理由④:賃貸ニーズを把握しやすい
土地をもっている人は、もともと立地エリアの状況を把握していることが多いため、賃貸ニーズを把握しやすいというメリットがあります。
例えば、大学などが近くにある場合は学生用の物件のニーズに合わせた物件を建築しようと考えられるでしょう。
理由⑤:ローンの審査が通りやすい
土地をもっている場合は、土地を担保にできるケースが多いため、アパートローンの審査が通りやすいというメリットもあります。
ちなみに、土地なしの場合でも土地と建物両方に担保が設定されるため、最終的には土地・建物両方が担保に入ります。
土地ありでアパート経営をする場合の必要資金
ここでは、土地ありでアパート経営する場合の必要資金5つを解説します。
1.アパート建築費用
2.諸経費
3.不動産取得税
4.印紙税
5.登録免許税
それぞれの資金について事前にしっかり理解しておきましょう。
資金①:アパート建築費用
アパート建築費用は、建物の構造によって金額が異なります。 以下の表を参考に建築費用を算出してみましょう。
アパート建築費用の目安
構造 | 建築費相場 |
木造 | 70~90万円/坪 |
軽量鉄骨造 | 80~100万円/坪 |
重量鉄骨造 | 90~110万円/坪 |
鉄筋コンクリート造 | 100~120万円/坪 |
資金②:諸経費
アパート経営では、の建築費用の他に諸経費がかかります。
具体的な諸経費は以下のようなものがあります。
設計費用 | 建物の立面図や平面図の作成、間取りの設計費用など |
測量費用 | 土地や建物の正確な面積を計るための費用 |
地盤調査費用 | 土地の地盤の強度を調査する費用。建物の杭の数や強度などを知るために必要 |
諸経費は、建築費用に対して4%〜6%程度が目安として考えるのがおすすめです。
資金③:不動産取得税
3つ目は、不動産所得税です。
不動産所得税とは、建物を取得した際に必要な税金で、建物評価額に対して3%がかかります。
建物を取得してから3〜6カ月の間に納税通知書が届く流れです。
引用元:総務省|不動産取得税
資金④:印紙税
印紙税は、建物請負契約書(家を新築する際に、住宅メーカーや工務店と結ぶ建築を請け負う契約書)に貼る印紙の費用です。
建築費によって金額が異なります。
例)1,000万円を超え5,000万円以下…2万円
5,000万円を超え1億円以下…6万円
1億円を超え5億円以下…10万円
建築費が高くなるとそれに合わせて印紙税も高くなるため、事前に把握しておくようにしましょう。
引用元:国税庁│令和4年No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで
資金⑤:登録免許税
建物が完成したら、建物所有権保存登記を行います。
建物所有権保存登記とは、「この建物は私の所有です」ということを登記するものです。
この登記の際にかかる税金が登録免許税です。税額は建物の評価額に税率をかけて算出します。
登録免許税は建物固定資産税評価額×0.4%、債権金額×0.4%、司法書士手数料は6〜7万円程度で考えておきましょう。
土地ありでアパート経営をする時のポイント
次に土地ありの場合で、アパート経営を成功させるポイントを5つ解説します。
ポイントは以下の5つです。
1.賃貸ニーズを把握する
2.収益シミュレーションをしっかり行う
3.自分にあった不動産管理会社を見つける
4.複数社に見積もりをもらう
5.設備や外観に投資する
それぞれのポイントを押さえて、アパート経営を有利にすすめましょう。
ポイント①:賃貸ニーズを把握する
アパート経営には、賃貸ニーズの把握が欠かせません。
近くで募集されている物件の賃料や、アパート建築会社が提示する設定賃料が高過ぎないかどうかをチェックすることが大切です。
また、周辺のエリアがどのような層への賃貸需要があるかを調査しましょう。
単身用なのかファミリータイプにするかなどは、建築会社や不動産会社と念入りな打ち合わせが必要です。
ポイント②:収益シミュレーションをしっかり行う
2つ目は、収益シミュレーションをしっかり行うということです。収益シミュレーションには、細かい数字を入れ込むのが理想ですが、最初は大まかな数字でも構いません。
賃料については相場の家賃をもとに計算します。新築時の賃料はいつまでも続かないため、10年後、20年後と家賃を下げた計画書を作成します。
さらに、空室率も5%で設定して、95%の稼働率で見ておくことが安全な計画をたてるポイントです。
ポイント③:自分にあった不動産管理会社を見つける
3つ目は、自分にあった不動産管理会社を見つけることです。
アパート経営には、信頼できる管理会社選びが欠かせません。
複数の管理会社を訪問して話を聞いてみましょう。
以下のような点をヒアリングし、信頼できる管理会社かどうかを見極めるのがおすすめです。
・管理料
・定期清掃の金額や訪問頻度
・定期清掃の内容
・管理担当者の人数
ポイント④:複数社に見積もりをもらう
建築会社は、複数社に見積もりをとって比較しましょう。
良い建築会社を選ぶためには、以下の内容を加味して決めるのがコツです。
・実質利回り
・建物完成後の管理方式
・アフターメンテナンス体制
・建物のデザイン性
・施工の実績
ポイント⑤:設備や外観に投資する
5つ目は、設備や外観に投資するということです。
土地に支払うお金が必要ない分、設備や外観に投資をしやすくなります。
具体的には、設備のグレードアップや2階建てから3階建てへの変更、木造から鉄筋コンクリート造へのグレードアップなどが考えられます。
設備や外観のグレードが上がれば、選んでもらいやすくなるため、安定したアパート経営が見込めます。
まとめ
アパート経営で、すでに土地をもっている場合のアパート経営は成功しやすい傾向にあります。
アパート経営成功のための5つのポイントは以下の通りです。
1.賃貸ニーズを把握する
2.収益シミュレーションをしっかり行う
3.自分にあった不動産管理会社を見つける
4.複数社に見積もりをもらう
5.設備や外観に投資する
これらのポイントを抑えて、うまく土地を活用しながらアパート経営をしていきましょう。
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