公務員の不動産投資は副業にあたる?向いている理由や注意点を解説
公務員は法律によって副業が禁止されています。
老後2,000万円問題や民間企業が副業解禁の流れにあるなか、公務員でも副業を始めて資産を増やしたい方も多いのではないでしょうか。
実は公務員であっても、不動産投資であれば条件付きで事業を始められます。
さらに、一般の会社員と比べて社会的信用が高く、有利な条件で投資できる可能性も少なくありません。
この記事では、公務員が不動産投資に向いている理由や注意点を解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
公務員の不動産投資は副業にあたる?
公務員の不動産投資は、条件の範囲内であれば副業にあたりません。
副業にあたらない条件の範囲は、おもに以下のとおりです。
・所有物件数が5棟10室以下
・年間の収入額が500万円以下
・職員の職種と不動産投資に利害関係がない
・物件の管理を事業者に依頼しても職務の遂行に支障がない
・公務員としての公正性や信頼性を損なわない
引用元:人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について
なお、上記の項目に違反した場合は、国家公務員法に抵触し処分を受ける可能性があります。まずは、与えられた条件をしっかり把握しておきましょう。
公務員が副業で不動産投資を行った場合の罰則
ここからは、公務員が条件の範囲外で不動産投資を行った場合の罰則について解説します。なお、公務員は税金から給与を支給されており、国民への説明責任を果たす観点から、懲戒処分は原則として公表されます。不動産投資を始める前に、必ず確認しておきましょう。
罰則①:戒告
「戒告」とは本人に対し、将来を戒める旨の申し渡しをする処分です。4つの懲戒処分のなかでは、もっとも軽い処分とされています。
似たような名前の処分に「訓告」と「厳重注意」があり、「戒告」と比べると軽い処分です。「訓告」と「厳重注意」は懲戒処分にもあたらないため、「戒告」とは種類が異なる点に注意が必要です。
罰則②:減給
毎月の俸給から、一定額が減らされる処分が「減給」です。減給の幅は処分ごとに異なります。
通常の服務規定であれば、正当な理由なく10日以上欠勤した職員や、虚偽の申請で病気休暇を取得した場合などに減給が適用されるケースがあります。
罰則③:停職
「停職」とは一定期間職務に従事させず、俸給の支払いを停止する処分です。
過去の以下のような規定違反で、公務員が停職処分を受けた事例があります。
・ストライキの企画・指令
・機密データを私物のパソコンに複写、その後ウイルス感染により情報が流出
・上司から指示された業務を遂行せず、虚偽の報告書を作成。その後、出張旅費を不正に受領
引用元:2 懲戒処分事例 |人事院
罰則④:免職
「免職」は公務員としての職を失わせる処分を指します。
懲戒処分として行われたものを「懲戒免職」と呼び、4つの懲戒のなかでは最も重い処分です。
免職処分が適用された事例を1つ紹介します。
・休日中に物損事故を起こす
・事故を起こした際、酒気帯び運転だったことが判明する
・1,2に対する上司からの説明を求められた際、虚偽の回答を繰り返す
ポイントは公務員の社会的信用を失墜させた点です。税金から俸給を得ている立場上、厳しい処分となっています。
不動産投資が公務員に向いている理由
ここからは、不動産投資が公務員に向いている理由を3つ解説します。
理由①:融資が通りやすい
公務員は社会的信用が高く、融資が通りやすい傾向にあります。また、金利などの条件面においても、比較的有利な待遇を受けられる可能性が高いのがメリットです。
融資の審査では、おもに次のような属性がチェックされます。
・年齢
・勤務先
・勤続年数
・年収
同じ条件であっても、一般の会社員よりも信用度が高くなりやすいため、公務員が不動産投資に向いているひとつの理由となっています。
【関連記事】不動産投資の融資とは?メリット・デメリットやローンを組む際に目安となる年収をご紹介
理由②:本業の妨げになりにくい
不動産投資は基本的には放っておくだけの投資のため、本業を邪魔せずに取り組めるのもメリットです。
いちど入居者が決まってしまえば、基本的な運営は管理会社が代理するため、オーナーはほとんど関与しなくなります。万が一入居者からクレームがあっても、管理会社が間に入って対応してくれるため安心です。
手間をかけずに資産形成したい方には、不動産投資がおすすめです。
理由③:将来設計をしやすい
不動産投資は将来設計をしやすい投資といわれています。なぜなら、毎月発生する収益をある程度予測できるためです。
将来設計を正確に立てるためには、次にような収入と支出の項目をあらかじめ把握しておく必要があります。
・収入…家賃収入、礼金
・支出…ローン返済、管理委託費、共益費
・その他の支出…固定資産税、都市計画税、備品のリフォーム費用
株や債券のように価格変動が大きいと、安定した収益を出し続けるのは困難です。不動産投資は堅実な戦略を立てたい方向けの投資といえます。
不動産投資を公務員が行う際の注意点
ここからは、不動産投資を公務員が行う際の注意点を3つ解説します。
注意点①:確定申告が必要である
不動産投資で利益を得た場合は、確定申告が必要です。不動産所得は、次のように計算します。
不動産所得の金額=総収入金額-必要経費
それぞれの金額に含まれる項目は、以下の通りです。
・総収入額……家賃、敷金、保証金、更新料など
・必要経費……固定資産税、損害保険料、リフォーム修繕費用
引用元:不動産所得の計算方法|国税庁
確定申告には大変そうなイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、要点を押さえておけばそれほど難しくはありません。
後から見返したときにつじつまが合うよう、収支の記録や領収書を保管しておくと、確定申告に役立ちます。
【関連記事】アパート・マンション経営の確定申告は必須?申請できる必要経費も解説
注意点②:規定に気を付ける
公務員が不動産投資できるのは、あくまでも法令の範囲内のみです。
不動産業者に聞くだけではなく、自分でどこまでが許容範囲なのか見極められるようにしておく必要があります。
以下は人事院が規定する、不動産投資についての規定を一部抜粋したものです。
二 不動産又は駐車場の賃貸 次のいずれかに該当する場合 (1)不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合 イ 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。 ロ 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。 ハ 土地の賃貸については、賃貸契約の件数が10件以上であること。 ニ 賃貸に係る不動産が劇場、映画館、ゴルフ練習場等の娯楽集会、遊技等のための設備を設けたものであること。 ホ 賃貸に係る建物が旅館、ホテル等特定の業務の用に供するものであること。
太陽光発電投資や駐車場投資の場合は、個別の規定も存在します。必ず自分で目を通して確認しましょう。
注意点③:リスキーな投資を勧められやすい
信用度が高い公務員を狙った、ハイリスク物件の勧誘に注意が必要です。
不動産業者は高い物件を成約すればするほど手数料を多くもらえるため、高額物件を優先的に勧めてくるケースがあります。
とくに初めて不動産を購入する際は、判断軸がなくわからない点も多いでしょう。お勧めされただけで物件を買って後悔しないよう、購入前に不動産投資の知識をつけておくことが重要です。
不動産投資の始め方9ステップ
不動産投資に興味があっても「何から始めたらいいかわからない」と思われる方はいるでしょう。
不動産業界は必要な知識も多く、断片的な知識だけでは対応できません。
まずは下の記事を参考に、不動産投資の基礎知識を幅広く学んでみましょう。
初心者の方でも、不動産投資の始め方を簡単にマスターできます。
【関連記事】不動産投資の始め方9ステップを初心者向けにわかりやすく解説
まとめ
公務員の不動産投資は、条件の範囲内であれば副業にはあたりません。
一般の会社員よりも有利な条件で投資できる可能性も高く、チャンスが広がる可能性も多くあります。
ぜひあなたも不動産投資への一歩を踏み出してみませんか。
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