マンションオーナーとは?仕事内容から平均年収・失敗しないコツを解説
「不労所得を得たい」「老後に備えて資産形成したい」と考えて、マンションオーナーを検討する方も多いでしょう。
費用がかかるため手の届かないイメージもありますが、運用の仕組みや収支について理解しておけばマンションオーナーになるのも難しくありません。
ただし、仕事内容や収支計算など基本情報の認識が不十分だと、オーナー業務や返済に苦労する可能性もあるので注意が必要です。
そこで本記事では、マンションオーナーの仕事内容や平均年収について解説します。
失敗しないコツについても紹介するので、参考にしてください。
目次
マンションオーナーとは
マンション購入は、少ない投資で大きなリターンを見込めるレバレッジ効果や節税の観点から、人気の高い不動産投資です。
ここではマンションオーナーの基礎知識として、以下の3つを紹介します。
- 仕事内容
- 役立つ資格
- 必要な費用
それぞれ詳しく見ていきましょう。
仕事内容
マンションオーナーの仕事は、管理を外部委託するかで大きく異なります。委託しない場合のマンションオーナーの仕事内容は、以下の通りです。
- 入居者の募集(広告の出稿・問い合わせ対応など)
- 新規契約や更新の手続き(契約書の作成・締結など)
- 家賃の回収(入金チェック・未回収分の催促など)
- 内見・退去の立ち合い(原状回復のための業者手配など)
- クレーム対応(入居者への交渉・業者の手配など)
- 修繕対応(大規模修繕の計画策定など)
毎月の家賃回収や3〜4月の繁忙期の対応などがあるため、マンションオーナーのみで運営する場合は業務が膨大になるでしょう。
管理会社に委託するとマンションオーナーが行うべき仕事を任せられるので、手間なく経営ができます。
ただし、最終判断はオーナーが行う必要がある旨を念頭に置いておくことが重要です。
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役立つ資格
マンションオーナーに役立つ資格は、主に以下の3つです。
資格名 | 種類 | 特徴 |
賃貸不動産経営管理士 | 国家資格 | 賃貸住宅管理における税務・法律・設備管理など幅広い分野の知識を習得できる |
マンション管理士 | 国家資格 | マンションの維持・管理に関する助言や大規模改修工事の計画を策定できる |
不動産実務検定 | 民間資格 | 満室経営や税金対策など不動産運用に関する実践知識を体系的に学べる |
資格を取得することで、マンション運営を管理会社任せにすることなく自身も深く関われます。
また、管理会社の方針を理解できたり、打ち合わせをスムーズに行えたりするのもメリットです。
必要な費用
マンション経営に必要な費用相場は、以下の通りです。
費用相場 | 内訳の例 | |
購入時 | 新築の場合は諸費用として物件価格の3〜5% | ・融資手数料 ・火災保険料 ・固定資産税 など |
保有時 | 毎月の家賃収入の20〜30%程度 | ・修繕費 ・管理費 など |
売却時 | 売却価格の3%+6万円と消費税 | 売却手数料 など |
マンション購入時は上記の諸費用に加えて、必須ではないものの頭金を支払う可能性があります。
頭金を支払ったほうが返済を楽にできますが、マンション購入時の経済状況は人によって異なるため金融機関と相談しましょう。
マンションオーナーに向いているのはこんな人
マンションオーナーに向いている人は、以下の通りです。
- 最終的な決断ができる人
- 失敗しても自身で経営する覚悟のある人
- 初期費用を用意できる人
- 融資を受けやすいサラリーマン
マンション経営は自然災害など、予期せぬアクシデントが発生するリスクがあります。
そのため、失敗しても諦めず根気強く運用を継続できる人は、マンションオーナーに向いています。
また、安定収入があるサラリーマンは金融機関から融資を受けやすいため、マンションオーナーになりやすいでしょう。
マンションオーナーは儲からない?平均年収を紹介
「マンションオーナーは儲からない?」と疑問に感じる方のために、平均年収を以下の観点から紹介します。
- 収入形態
- 利回り
- 収支シミュレーション
自身がマンションオーナーになることを具体的にイメージしながら、チェックしてみてください。
収入形態
マンションオーナーの収入形態は、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2種類です。
- インカムゲイン:貸し出して家賃収入を得ること
- キャピタルゲイン:購入時よりも高値で売却して利益を得ること
インカムゲインは長期的に安定した収入を得られるのがメリットですが、空室のリスクがあります。
キャピタルゲインは大きな利益を得られる可能性がある一方で、人口減少や自然災害などにより下落する危険性があるため注意が必要です。
利回り
マンション経営の利回りは主に2種類あり、それぞれの計算方法は以下の通りです。
- 表面利回り:(年間家賃収入)÷(物件購入価格)×100
- 実質利回り:(年間家賃収入-年間費用)÷(物件購入価格+購入時諸費用)×100
表面利回りのみで投資先を決めると、費用が含まれていないため収益性が悪い可能性があります。
不動産投資先を決める際は、トータル費用を踏まえた実質利回りを重視しましょう。
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収支シミュレーション
収支シミュレーションを、一棟マンションと区分マンションの2つのケースに分けて紹介します。
ケース①:一棟マンションの場合
8,800万円の一棟マンションをフルローン(期間25年・金利2%)で返済した場合、実質利回りは7.4%となります。
項目 | 金額 | 計算式 |
物件購入価格・借入額 | 8,800万円 | 1,100万円×8室 |
満室時想定年収 | 768万円 | 8万×8室×12ヶ月 |
年間ローン返済額 | 約447万円 | 約37万円×12ヶ月 |
年間諸費用 | 115.2万円 | 768万円×15% |
実質利回り | 7.4% | (768万円-115.2万円)÷8,800万円×100 |
返済後利回り | 2.3% | (768万円-562.2万円)÷8,800万円×100 |
新築マンションの実質利回りは6%程度が理想とされているため、家賃を低くする場合は特に注意しましょう。
逆に利回りを優先して家賃を高く設定すると、入居希望者が集まらず空室となる危険性があります。
着実に利益を上げるために、ローン返済後の利回りについてもチェックしてください。
ケース②:区分マンションの場合
1,100万円の区分マンションをフルローン(期間25年・金利2%)で返済した場合、実質利回りは7.4%です。
一棟マンションの場合と同じ結果に見えますが、多くの年収を得られないのがネックだといえます。
項目 | 金額 | 計算式 |
物件購入価格・借入額 | 1,100万円 | |
満室時想定年収 | 96万円 | 8万×12ヶ月 |
年間ローン返済額 | 約55万円 | 約4.6万円×12ヶ月 |
年間諸費用 | 14.4万円 | 96万円×15% |
実質利回り | 7.4% | (96万円-14.4万円)÷1,100万円×100 |
返済後利回り | 2.4% | (96万円-69.4万円)÷8,800万円×100 |
経費を少額に抑えられるものの、区分マンションは空室となると家賃収入が0円となるため注意しましょう。
リスクを分散したい場合は、区分マンションを複数所持する、あるいは一棟買いするのがおすすめです。
マンションオーナーで失敗しない3つのコツ
マンションオーナーで失敗しないコツは、以下の3つです。
- 物件購入時に出口戦略を立てておく
- 維持費用を踏まえてキャッシュフローを管理する
- 物件価値を高めつつ入居者の満足度を上げる
コツをつかんで、マンション経営を成功させましょう。
コツ①:物件購入時に出口戦略を立てておく
売りたいときに安値になる、あるいは買い手が見つからないなどのリスクを避けるためにも、マンション購入時には出口戦略を立てておきましょう。
例えば、下記のようなタイミングで売却することをあらかじめ想定しておく方法があります。
- 約6年後の長期譲渡へ税率が低くなるタイミング
- 減価償却の期間が終了して経費が減るタイミング など
他にも売却価格は収益性に左右されるため、価格の下がりにくい物件を購入すると比較的高値で売れるでしょう。
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コツ②:維持費用を踏まえてキャッシュフローを管理する
キャッシュフローとはお金の流れを指し、不動産運用においては家賃収入から経費を差し引いた手元に残る金額を意味します。
自己資金不足を回避するためには、維持費用を踏まえてキャッシュフローを管理することが大切です。
余裕を持ったキャッシュフローにしておくと、急な修繕や支払いにも対応できます。
健全なマンション経営を行うには、キャッシュフローの管理は必要不可欠だといえるでしょう。
コツ③:物件価値を高めつつ入居者の満足度を上げる
マンションの空室リスクを軽減するため、物件価値を高めつつ入居者の満足度を上げることが大切です。
入居者には「長く住みたい」と感じてもらい、入居希望者には「ここに住みたい」と思ってもらうためにも、設備投資やリフォームを実施しましょう。
例えば、以下のような設備投資を行うとマンションの利便性がアップします。
- 入居者無料の光回線・インターネットの導入
- 共有部分のバリアフリー化
- 防犯カメラの設置
- 宅配ボックスの設置
入居者が満足する設備を充実させ、利用満足度の向上や口コミの拡大を図っていきましょう。
まとめ:マンションオーナーになるには予備知識が必要
マンションオーナーは、管理を委託するか否かで仕事内容が大きく変化します。
管理会社に依頼しない場合は、入居者募集から退去の立ち合いまで一貫して行うことが必要です。
収入形態は、貸し出して家賃収入を得る「インカムゲイン」と購入時よりも高値で売却して利益を得る「キャピタルゲイン」の2種類があります。
インカムゲインの場合は表面利回りだけではなく、費用を含めた実質利回りもチェックして購入を決めましょう。
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