マンションの維持費とは?基礎知識を解説
マンションの購入を検討しているなら「維持費」の知識は必須です。
維持費はマンションを購入した後であっても、継続的に支払う必要がある費用であり、家計の収支に大きく影響するためです。
維持費の知識がないままマンションを購入してしまうと「用途の分からない費用を支払い続けている」といった事態になってしまいます。
維持費は、居住者が快適にマンションに住めるように支払っている費用であるため、その内訳を理解することは非常に重要です。
そこで本記事では、マンションの維持費の内訳や相場、注意点等を解説しています。
マンションと戸建てで悩んでいる方にも参考になる内容となっているため是非参考にしてください。
目次
マンションの維持費の内訳5つ
マンションの維持費を大きく分けると5つの費用とすることができます。
ここでは、マンションの維持費の内訳5つをそれぞれ解説します。
①管理費
「管理費」とは、マンションの共用部分を維持・管理するための費用を指します。
具体的には以下のような用途で使用されます。
・エレベーターの点検費用
・エントランスや廊下を掃除するための人件費
・エントランスや廊下の電気代
・管理人の人件費
基本的には毎月発生する費用ですが、住居者が快適にマンションを使用するための費用です。
物件によっても大きく異なりますが、月額1.5万円から2万円程度が相場と言えます。
②修繕積立金
「修繕積立金」とは、マンションを修繕する時のために毎月積み立てる費用です。
物件を現状維持するために使用する他に、物件の価値を向上させるために使用することもあります。
具体的には以下のような用途で使用されます。
・定期的な計画によって行われる修繕費
・災害や事故によって生じた破損の修繕費
・物件のセキュリティ向上のための費用
・物件のバリアフリー化を実現するための費用
物件の修繕には多額の費用を要するため、月々少額ずつ積み立て、プールする仕組みとなっています。
③駐車場代・駐輪場代
マンションで駐車場や駐輪場を借りる場合は、その賃料も発生します。
駐車場や駐輪場の相場は、その地域によっても異なるため一概には言えません。
しかし、都市部になると5万円前後となる場合も多いです。
その一方で、1台までであれば無料であるといった物件も存在するため、平均費用ではなく、個別的に判断すると良いでしょう。
また、当然ですが、自動車や自転車を所有していない方は支払う必要がない費用となっています。
④固定資産税・都市計画税
マンションを購入すると「固定資産税」や「都市計画税」の税金が発生します。
それぞれの税額は、固定資産税評価額によって異なるため、土地が高額になるほど税額も高額になる傾向があります。
具体的には、固定資産税の税率は1.4%、都市計画税の税率が0.3%です。
その他に、様々な軽減措置も設けられているため、一概には言えませんが、年額8~12万円が相場と言えるでしょう。
また、固定資産税と都市計画税は個別的に支払うのではなく、1つの納付書でまとめて支払う仕組みとなっています。
⑤保険料
マンションの専有部分が火災や天災によって破損した場合に備えて、火災保険や地震保険にも加入する必要があります。
マンションの各種保険は、基本的に月額ではなく、1年や10年等の複数年単位で加入する形態が多いです。
エントランスや廊下等の共用部分についての保険料は、自ら負担する必要がないため、一戸建てよりも保険料が抑えられます。
具体的には年間5,000円から30,000円程度が一般的ですが、保険の内容によっても大きく変動することが多いです。
また、1年払いよりも10年払いのように、一定期間分をまとめて支払う方が安価になる傾向があります。
マンションの維持費の相場
上記した費用をまとめると、マンションの維持費の相場は月間で「2.5万円~8.5万円」程度です。
これに加えて年ごとに支払いがある固定資産税(月換算6,500円~1万円程度)と各種保険料(月換算400円~2,500円程度)が加算されます。
具体的な内訳は以下の通りです。
・管理費:1.5万円~2万円/月
・修繕積立金:1万円~1.5万円/月
・駐車場代・駐輪場代:0円~5万円/月
・固定資産税・都市計画税:8万円~12万円/年
・各種保険料:5,000円~3万円/年
しかし、これらの金額はあくまで相場である点に注意しましょう。
実際はマンションの形態や立地などを踏まえて個別的に判断する必要があります。
例えば、積立修繕金はマンションの築年数によっても変動します。
また、駐車場は一等地であれば8~10万円かかるケースも存在するのです。
そのため、維持費の目安に囚われず、個々のマンションの状態を総合的に考えて判断することが大切です。
マンションの維持費の注意点
マンションを購入する前に理解しておくべき維持費の注意点がいくつか存在します。
ここでは、マンションの維持費の注意点を3点解説します。
注意点①:中古マンションは維持費の値上がりや建て替えの可能性がある
中古マンションは維持費の値上がりや建て替えが生じる可能性があります。
上記でも軽く触れた通り、積立修繕金はマンションの築年数によっても変動します。
具体的には築年数が浅いほど積立修繕金は安く、築年数が経っているほど高額になるのです。
これは、築年数が経つほどマンションの劣化が進むため、多くの修繕費を要するようになるためです。
また、中古マンションは老朽化によって建て替えが行われる場合もあります。
建て替えの費用は住居人が負担するため、タイミングによっては追加の費用が発生する場合もあるのです。
建て替え費用は一概に言えませんが高額な傾向にあるため、マンションの購入時は建て替えのタイミングも考慮することが大切です。
注意点②:管理費や修繕積立金の収支状況を調べる
中古マンションを購入する際は、管理費や修繕積立金の収支状況を確認しましょう。
収支状況が悪化している場合、管理費や修繕積立金や不足し、結果として値上げに繋がる可能性があるためです。
収支状況が悪化する原因は、入居率の低下や未払い等があります。
そのため、マンションの購入時は管理費及び修繕積立金の収支に加えて、大規模修繕計画が作成されているかも確認をしましょう。
注意点③:維持費の支払いに終わりはない
維持費の支払いに終わりはない点にも注意が必要です。
例えマンション購入時のローンを完済しても、維持費は住み続ける限り支払う必要があります。
しかし、維持費の支払いが一概にデメリットとなるわけではありません。
マンションの修繕が必要になった際は、積立金から修繕ができるため、遠い将来も綺麗で快適な住居に住み続けることができるのです。
そのため、将来の住居への投資と考えると良いでしょう。
マンションの維持費は戸建ての維持費より高いのか
中には「マンションの維持費は戸建ての維持費よりも高い」との声もあります。
そこでここでは、戸建ての維持費の内訳を解説します。
戸建ての維持費の内訳
戸建てにおける維持費の内訳の目安は以下の通りです。
・修繕費:13,000円~20,000円/月(修繕費500~700万円/30年間所有と仮定する)
・駐車場代:0円
・固定資産税・都市計画税:10万円~15万円/年
・各種保険料:1万円~3万円/年
・庭のメンテナンス・セキュリティ料:0~15万円/年
しかし上記の費用はあくまで目安であるため、実際は大きく前後する場合があります。
特に注意が必要なのは修繕費です。
マンションの場合は修繕費として積み立てがされますが、一戸建ての場合は修繕が必要になったタイミングで個々に支払いを行います。
そのため上記には30年間の所有で計500~700万円を目安としていますが、実際は個々の状態によって大きく変動します。
また、戸建ての場合はマンションとは異なり、庭のメンテナンス費用やセキュリティ料が発生する点も留意が必要です。
維持費に大きな差はない
マンションの維持費は戸建てよりも高いという情報がありますが、実際は大きな差がありません。
実際の維持費は車の有無や、修繕費の工夫の仕方によって大きく変動するため、一概には言えないでしょう。
そのため、維持費の違いで購入する不動産の形態を変えるのはおすすめしません。
維持費以外のメリット・デメリットや生活の理想に照らし合わせた物件選びをすることが、後々後悔しないためには重要と言えます。
参考:マンションの維持費は高い?月額・年額の目安と一戸建てとの比較も解説
まとめ
本記事では、マンションの維持費の内訳や費用の相場等を解説しました。
マンションを購入しても維持費は永続的に発生するため、その内容や費用を考慮して物件を選ぶことは非常に重要です。
マンションを購入して継続的に要する主な費用は以下の通りです。
・管理費
・修繕積立金
・駐車場代・駐輪場代
・固定資産税・都市計画税
・各種保険料
よくマンションの維持費は戸建ての維持費よりも高額であると言われますが、実際は大きな違いがありません。
維持費は個々の物件や車の有無、修繕費の工夫によっても大きく異なるため、どちらが大きいかは一概には言えないのです。
そのため、維持費の違いで不動産の形態を変えずに、その他の条件を総合的に鑑みて決定しましょう。
しかしもちろん、維持費は継続的に発生する費用であるため、内訳の内容を正しく理解し、後悔のないマンション選びを行いましょう。
参考:マンション購入後にかかる維持費の内訳と相場を解説
参考:購入前に考える、マンションの維持費のこと
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