【2023年版】不動産投資の今後の展望を徹底解説!最新の市況動向と注目のエリアは?
2023年は不動産投資のプラスに働く要素が多く、都市の再開発によって地価が高騰している地域も珍しくありません。
物価上昇によって不動産価格が増加し、賃料収入の追い風となるケースも。
その一方、金利幅の上昇によってローン価格が変動し、返済に苦しむ可能性も想定されます。
また、2022年問題と呼ばれる「生産緑地問題」により、郊外の不動産価格が下落している事例も散見。
この記事では、2023年における不動産投資の状況と、今後の展望について解説します。
目次
不動産投資の2023年の状況と今後の展望
コロナによる影響が緩和されつつある中、都心近郊部を中心に商業需要が高まっています。
令和3〜4年に掛けて全国的に地価も上昇しており、緩やかな上昇傾向といえるでしょう。
また、総務省が発表した資料によると、令和4年の消費者物価指数は前年と比較して4%上昇。
生鮮食品を中心にインフレの煽りを受けており、安定した賃料収入を得られる不動産投資の追い風となっています。
引用元:
・総務省|令和4年消費者物価指数
・国土交通省|令和4年地価公示
2023年の不動産投資への影響
2023年の不動産投資へ影響を与える要素は、大きく5つに分類されます。
- 金動動向
- インバウンドの増加
- 都心部の再開発と新横浜線の開業
- 東海地方の成長
- 名古屋のリニア開通
2022年12月に日本銀行が金利上昇を発表したことで、不動産購入時の住宅ローンに影響も。
また、コロナによる経済悪化が緩和され、外国人旅行客や飲食店サービスに活気が戻りつつある点もポイントです。
2023年の不動産投資が受ける影響について解説します。
影響①:金利動向
令和4年に日本銀行の金融政策決定会合によって、長期金利の変動許容幅を0.5%に拡大することを公表。
従来、設定されていた0.25%の倍となる数値となり、金利圧力が働くことが懸念されます。
金利上昇によってローン返済額が上昇する反面、家賃の底上げや不動産価格の上昇に働くケースも。
変動リスクを抑えるために固定金利へ変更するなど、支出を減らす取り組みが求められます。
引用元:日本経済新聞|令和4年日銀が緩和縮小、長期金利の上限0.5%に 事実上の利上げ
影響②:インバウンドの増加
インバウンド需要の高まりと比例して、商業地の経済活性化が期待されています。賃貸需要の増加も予想されており、不動産投資の追い風になるといえるでしょう。
また、政府観光庁は令和5年に前年の1.38倍となる予算案を公表。約307億円の予算をフル活用し、地域活性化によるインバウンド観光地支援を推し進めています。
影響③:都心部の再開発と新横浜線の開業
都心部では再開発プロジェクトとして大型ビルの供給が進んでおり、2023年に竣工予定の建物も数多く存在します。
- 虎ノ門ヒルズステーションタワー
- 東宝プロムナードビル
- 田町タワー
- フロントプレイス四谷
- 東京歌舞伎町タワー
都心部の活性化により賃貸需要が高まることはもちろん、不動産価格の高騰による出口戦略が立てやすいこともポイントです。
また、相鉄線・東急線を結ぶ「新横浜線」が2023年3月に開通。神奈川県中央からのアクセスが高まり、都心部での商業需要が増える要因になるといえるでしょう。
影響④:東海地方の成長
東海地方の成長も影響の1つです。
東海三県は都心部と比較して地価が低く設定されており、今後は、2027年に開通予定のリニア新幹線でアクセス性も良好になる予定。
さらに、愛知県では再開発が進んでおり、特に名古屋市は主要駅のターミナル化にも動き出しています。
コロナの影響によりリモートワークが浸透している昨今、都内から離れて東海地方に移住する人も増加傾向にあるといえるでしょう。
令和4年に発表された名古屋市の世帯数は過去最大を記録し、東海地方に対する需要の高まりを感じさせます。
引用元:
・名古屋市|令和4年令和4年11月9日発表 「名古屋駅スーパーターミナル化及び名古屋駅とつながる駅周辺まちづくり」に関する国への要望活動の実施について
・名古屋市|令和4年愛知県人口動向調査結果(名古屋市分)
影響⑤:名古屋のリニア開通
2023年現在、東京から名古屋への所要時間は約1時間30分。2027年に着工予定のリニア中央新幹線が開通することで、約50%の時間短縮が期待されています。
都心部からのアクセス向上により観光客が増加し、名古屋周辺の公示地価に好循環をもたらすといえるでしょう。
再開発している駅ターミナルの存在も相まって、観光客の増加も予想されます。
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2022年問題は不動産投資にどのような影響を与えたか
2022年問題は「生産緑地問題」ともいわれており、税優遇を受けられる生産緑地が2022年に一斉解除されることを指します。
農業などで使用していた土地を手放す人が増加し、需要と供給が崩れる不安材料に。
供給過多による賃料下落や、不動産価格に悪影響を与えることも予想されます。
しかし、生産緑地の面積と指定箇所にはバラつきがあり、主要部に生産緑地が残っているケースは稀といえるでしょう。
都心部や駅近くの地価が下落するとは考えにくく、すべての不動産投資が影響を受ける訳ではありません。
一方、都心部から離れた郊外など、生産緑地が大量に存在する地域は注意しましょう。
安価で売り出された土地をハウスメーカーが買い占め、ファミリー層向けアパートなどの賃貸物件が急増することも想定されます。
2022年問題は不動産投資を検討しているエリアごとに影響度が異なるため、判断材料として慎重に取り扱う必要があるといえるでしょう。
2025年問題と不動産投資への影響
2022年の生産緑地問題に引き続き、2025年にも不動産投資に影響を与える要素が存在します。
- 後期高齢者の増加
- 大阪万博の開催
団塊世代の医療負担額が減少することで、若い世代の負担額が増加。商業サービスの冷え込みに繋がる可能性も。
また、三大都市圏である大阪で万博が開催され、海外観光客のインバウンド需要に影響を与えることも予想されます。
ここでは、2025年に不動産投資が受ける影響について具体的な変動内容をそれぞれ解説します。
影響①:後期高齢者の増加
1点目は後期高齢者の増加です。
高齢者が増加することで商業需要が落ち込み、地方や郊外を筆頭に地価の低下が予想されます。
また、老後介護などを考慮して世帯合併が進み、空き家が増加する可能性も。
都心部に移住して2世帯住宅を構えるなど、地方との2極化が進むことも考えられます。
空き家が増えることで物件の供給量が増加し、結果として価格の冷え込みに繋がる場合も。
影響②:大阪万博の開催
2025年に開催される大阪万博の経済効果は約2兆円に及ぶと予想され、インバウンド需要の高まりが期待されます。
なお、1970年に開催された第一回大阪万博では約6400万人が来場し、記録的な経済効果をもたらしました。
また、統合型リゾートを軸においた国際観光拠点にも注力しており、IR誘致によってインバウンド需要を獲得する動きも。
不動産価格の単発的な増加ではなく、右肩上がりで地価を伸ばしていくことが予想されます。
引用元:大阪市|令和4年大阪へのIR誘致
まとめ:2023年の不動産投資の状況
2023年は不動産価格の上昇を見込めるエリアが多い反面、供給過多や金利上昇などのマイナス要素と向き合う必要もあります。
- 公示地価・物価指数のそれぞれが上昇傾向
- 金利圧力や社会問題を考慮する必要がある
- 都市の再開発によって不動産価格の増加が見込めるエリアも
インフレによる物価高によって不動産価格が上昇しやすく、資産価値の増加が予想されます。
また、三大都市で再開発が活発化するなど、都心部を中心に土地価値が高くなるといえるでしょう。
しかし、緑地問題や後期高齢者増加により、地方や郊外の不動産価格が冷え込む可能性も。
金利幅の上昇と相まって、一部のエリアでは苦しい展開になることも予想されます。
狙いをつけたエリアの再開発情報や、問題視されている社会情勢を考慮しつつ、リスクを抑えた不動産投資を検討しましょう。
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