戸建賃貸経営とは?メリット・デメリットや経営する際の注意点を紹介
不動産投資といって一般的なのはアパートやマンションの経営ですが、最近では戸建賃貸の経営も増えてきています。かつては専門家もあまりおすすめしない投資手法だったのですが、現在では投資としての安定性が見直されており、注目集めるようになってきました。
この記事では、不動産投資経営における戸建賃貸について、その性質やメリット・デメリット、注意点などについて解説します。最後まで読むことで、アパートやマンションなどとの比較検討ができるようになるでしょう。
目次
戸建賃貸経営とは
戸建て賃貸経営とは、一戸建ての物件を入居者に貸すことで家賃収入を得る土地活用法のことを指します。かつては不動産投資と言えばアパートやマンションが定番だったのですが、近年では以下のような理由から、魅力が再評価され始めました。
・建築費を低く抑えられる
・アパートに過剰供給のイメージがつき始めている
・賃貸のニーズが以前より多様化している
すでに空き家となっている戸建て物件を所有しているなら、新しく建築せずとも賃貸を始められます。また戸建ての賃貸経営は狭い土地にも向いており、15~30坪程度の小規模な土地活用を検討している方にも有益な選択肢の1つとなるでしょう。
アパート経営に関しては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。
【関連記事】アパート経営はいくら儲かる?収入や支出、5つの儲かるコツを解説
戸建賃貸経営の5つのメリット
戸建賃貸経営のメリットとしては、以下の5つが挙げられます。
①小さな土地でも活用できる
②立地で経営が左右されにくい
③建築費などの初期費用が安くて済む
④供給が少なく需要が高い
⑤管理の手間がかからない
どれもアパートやマンションにはないメリットであり、戸建賃貸を考える際には大切なポイントとなります。以下で順番に解説します。
メリット①:小さな土地でも活用できる
戸建賃貸経営は、小さな土地を効率よく活用できる点がメリットの1つです。これから建物を建築する場合でも、30坪程度あれば十分な運営を始められます。駐車場などの活用方法がうまく思いつかない狭い土地を持っている場合には、戸建賃貸経営が有力な選択肢の1つとなるでしょう。
また小さな土地でも活用できるため、「広い土地を分割して戸建住宅をそれぞれ建築し、子どもたちに残す」といった相続税対策もできます。分割しやすい相続税対策資産であることも、戸建賃貸経営の魅力の1つといえるでしょう。
メリット②:立地で経営が左右されにくい
戸建賃貸経営には、立地によって経営が左右されにくいメリットもあります。戸建賃貸は、駅から離れた立地でも住環境さえまともであれば一定の人気があるからです。
理由の1つとして、マイカーを所有している家族が駐車場付きの戸建て賃貸を好む傾向にあることが挙げられます。彼らは駅が遠くてもあまり生活に問題がないため、駅から遠くても家賃が安いことを選ぶ傾向にあります。
また変形地や狭小地でも、戸建賃貸であれば建築にあたって問題ないケースが多い点もメリットでしょう。アパートやマンションの場合には整形地でなければ間取りが取りにくいのに対し、戸建住宅は自由な間取りが可能となるため、土地に制約されることがあまりないからです。
メリット③:建築費などの初期費用が安くて済む
戸建賃貸経営は、建築費などの初期費用を低く抑えられる点もメリットであるといえます。すでに建っている家を貸し出す場合に建築費が必要ないのはもちろんのこと、これから建てようとする場合でも、アパート経営などと比べて借入金額をだいぶ低く抑えられます。
建築費の相場としては、坪あたり70万円から可能です。15坪の戸建て住宅を建築した場合、建築費は1,050万円となります。アパートやマンションをこの金額で建築することはまず不可能です。戸建賃貸投資であれば、不動産投資としては比較的リスクの少ない、小さな投資を始められます。
メリット④:供給が少なく需要が高い
戸建て賃貸はアパートやマンションと比べて供給量が少ない傾向にあります。賃貸用のアパートが世に溢れているのに対し、賃貸用の戸建はそれほど目につきません。すなわちライバルが少ないことを意味します。
供給量が少ないのは需要が少ないせいではないかと思われがちですが、そうではありません。ニーズがあるところへのアプローチは強く、戸建物件を借りて住みたいと考えている方は多いのが現状です。したがって狙い目となります。
メリット⑤:管理の手間がかからない
戸建賃貸経営は管理の手間がかからない傾向にあります。入居者が1つの物件につき1家族であることや、共用部分の清掃・機器の交換といった作業が不要となることが主な理由です。
アパートやマンションの経営は、戸数が多いため大きな家賃収入が見込める代わりに、管理費用も膨らんでしまう性質があります。
戸建賃貸経営の3つのデメリット
戸建賃貸経営のデメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
①空室時のリスクが大きい
②メンテナンスやリフォーム費用が高くなる
③近隣トラブルの可能性がある
どれもしっかり押さえておくべきポイントなので、以下の解説をしっかり読んで把握しておきましょう。
デメリット①:空室時のリスクが大きい
戸建賃貸に住むのは基本的に1家族であり、物件は常に「空室であるかないか」の2択です。それまで住んでいた家族が出ていって空室となった場合には、家賃収入がまったく入らない状態になってしまいます。戸数の多いアパートやマンションと比べると、空室に関するリスクは大きいといわざるを得ません。
リスク分散のために、複数の戸建てを賃貸するといった戦略もあります。
【YouTube】空室リスク回避法|空室リスクを下げるには?
デメリット②:メンテナンスやリフォーム費用が高くなる
戸建賃貸は管理費用があまりかからない、という点はメリットの項で開設しましたが、反対に空室時のメンテナンスやリフォームの費用は高額になる傾向があります。
通常使用によって生じた摩耗や劣化の修繕や、時代に合わせた間取りの変化などをおこなう必要が生まれやすいからです。入居時間が長いケースが多いこともそこには関係しています。
デメリット③:近隣トラブルの可能性がある
戸建賃貸にはアパートやマンションと違って上下の騒音トラブルはありませんが、隣地との騒音トラブルが起きる可能性があります。たとえば仕切りの壁について揉めたり、植物が敷地を越えてしまったりといったことです。
もちろん頻度の高いものではありませんが、アパートやマンション経営とは性質の違うトラブルが起きやすいことは認識しておく必要があるでしょう。
戸建賃貸経営を行う際の3つの注意点
戸建賃貸経営を行う際に注意すべきポイントとしては、以下の3つが挙げられます。
①賃貸の形式を理解する
②土地の周辺環境を確認しておく
③初期投資をいくらにするか決める
いずれも実際に経営を始める前に確認しておくべきことばかりです。以下の解説を読んで、しっかりと理解しておきましょう。
注意点①:賃貸の形式を理解する
戸建賃貸に限った話ではありませんが、不動産投資においてはまず賃貸の形式をきちんと理解しておくことが大切です。大抵の場合、貸主である自分と借主である入居者とのあいだには不動産投資会社が入っているので、具体的にどのような契約がなされるのか、しっかり把握しておくのは必須であるといえます。
具体的に不動産投資会社がどこまで担当してくれるのか、という点はとくに大切です。不動産投資とは別に本業を持っている場合、物件にかけられる時間や手間は限られているからです。
注意点②:土地の周辺環境を確認しておく
戸建賃貸経営を始めるにあたっては、土地の周辺環境をきちんと確認しておきましょう。駅からどのくらいの距離か、各種機関・施設に足を運びやすいかといった点も大切ですが、「どのような人たちが住んでいるのか」という目に見えにくい部分も重視する必要があります。
可能であれば、目をつけた土地に実際に足を運び、周辺環境について地元住民に話を聞くなどのフィールドワークをおこなうべきでしょう。
注意点③:初期投資をいくらにするか決める
戸建賃貸は比較的少ない初期費用で始められるのがメリットの1つです。そのメリットを十分に活用したいのであればなおのこと、初期投資をいくらにするのかをきちんと決めておきましょう。
しっかりとした住宅を建築したいという気持ちは誰しも持っているものですが、かといって初期費用をかけすぎると、キャッシュフローがうまく回らず破綻してしまうリスクが増大します。初めて不動産投資をするのであれば、小さく始めて小さく利益を得るサイクルで経営することをおすすめします。
まとめ
戸建賃貸経営の実態やメリット・デメリット、実際に経営する際の注意点などについて解説しました。
戸建賃貸経営は土地の制約を受けにくく、また少ない初期費用で始められるなど、多くのメリットがあります。供給量が少ないためライバルとの過当競争になりにくいのもポイントで、総合的に考えて不動産投資の初心者が手を出すにはちょうどよい手法といえるでしょう。
この記事を参考にして、ぜひ戸建賃貸の経営を検討してみてください。
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