サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の補助金制度とは?

サービス付き高齢者向け住宅 補助金制度

現在「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」に注目が集まっています。

高齢化社会によって、高齢者が安心して生活できる環境が求められているためです。

実際に、サービス付き高齢者向け住宅の戸数は増加しており、今後も増え続けることが予想されます。

また、サービス付き高齢者向け住宅への投資は高額になるという特徴がありますが、補助金制度も提供されています。

補助金制度を活用して不動産投資を行うと、経済的負担を減らして不動産投資が可能です。

更に、サービス付き高齢者向け住宅の取得によって、税制の優遇を受けることもできるのです。

そこで本記事では、サービス付き高齢者向け住宅の概要補助金の詳細受けられる税制優遇制度等を解説しています。

サービス付高齢者向け住宅への投資を検討している方にとっては必須の知識となるため、是非参考にしてください。

 

サービス付き高齢者向け住宅とは

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「サービス付き高齢者向け住宅」とは、以下のような生活支援サービスを提供する、バリアフリー対応の賃貸住宅です。

・バリアフリー構造
・安否確認サービスの提供
・専門の資格を有するスタッフの常駐
・相談サービスの提供
・食事サービスや生活支援サービス(任意提供)


サービス付き高齢者向け住宅は、老人ホームと比較されることも多いですが、入居者にとっては以下のようなメリットがあります。

・老人ホームと比較して生活の自由度が高い
・通常の賃貸と近い家賃であるため、経済的負担が少ない


このような特徴から、要介護度が少ない高齢者を中心として人気が高まっています。

また、現在は高齢化率が25%を超え、将来的にも増加し続けると考えられています。

そのため、サービス付き高齢者向け住宅は将来的にも高い需要を保ち続けるでしょう。

実際に、サービス付き高齢者向け住宅の戸数は毎年増加傾向にあり、大きな注目を浴びていることが分かります。

参考:サービス付き高齢者向け住宅の登録状況|サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム


サービス付き高齢者向け住宅の補助金制度

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サービス付き高齢者向け住宅には「建設費用が高額になる」という特徴があります。

建物のバリアフリー化専門のスタッフの常駐各種サービスの提供を行う必要があるためです。

そこで、サービス付き高齢者向け住宅に投資する場合は、補助金制度を活用するのがおすすめです。

サービス付き高齢者向け住宅は、国土交通省の「高齢者等住宅安定化推進事業」の対象となっています。

住宅建設時に当該補助金制度を活用することで、物件の建設費用の一部が補助されます。

その結果、より負担を減らしつつ不動産投資を行うことが可能となるでしょう。

参考:サービス付き高齢者向け住宅整備事業 応募について|サービス付き高齢者向け住宅整備事業


サービス付き高齢者向け住宅の補助金交付対象

当該補助金は、サービス付き高齢者向け住宅に関する費用全てが補助金の対象となるわけではありません。

サービス付き高齢者向け住宅を新築もしくは改修する際の「工事費用」の一定割合が補助金の対象となります。

工事費用には具体的に以下のようなものが含まれます。

・共用部分及びバリアフリー化に係る工事
・各種法令に適合させるために必要な構造
・設備の改良に係る工事


一方で「敷地外に係る工事費」「建物に含まれない備品費」「過大な設備の設置等に要する費用」等は対象外であるため注意が必要です。


サービス付き高齢者向け住宅の補助金の限度額

サービス付き高齢者向け住宅の補助金の限度額は、床面積によっても異なります

物件を新築する際の補助金額の上限は以下の通りです。

床面積30㎡以上135万円/戸(一定の設備が完備されていることが条件)
床面積25㎡以上120万円/戸
床面積25㎡未満70万円/戸

なお、補助率は「1/10」と一律であり「工事費等×1/10」もしくは「上限金額」のいずれか小さい方が補助金の金額となります。

また、物件の改修補助金の対象となっており、補助率3分の1」と上限195万円/戸」が定められています。


サービス付き高齢者向け住宅の補助金の交付要件

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当該補助金を受けるための主な要件は以下の通りです。

・サービス付き高齢者向け住宅として10年以上登録運営する物件である
・入居者の家賃が、近傍同種の住宅の家賃と均衡が取られるように定められている
・事業に要する資金調達が確実である ・家賃の徴収方法が前払いに限定されていない
・市町村におけるまちづくりの方針と整合している
・運営情報の提供を行う
・入居者が任意の事業者による介護サービスを利用できる
・土砂災害特例警戒区域に該当しない立地
・地方公共団体から応急仮設住宅又は福祉避難所として利用の要請があった際は協議に応じる
・発災時には原則として地方公共団体と協議の上、要配慮者を受け入れる
・家賃は所在市町村に応じて設定された額である


また、サービス付高齢者向け住宅を登録するには、以下の3点の基準を満たす必要がある点を確認しましょう。

・住宅に関する基準
・サービスに関する基準
・契約に関する基準


サービス付き高齢者向け住宅の補助金の申請方法

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サービス付き高齢者向け住宅の補助金は以下の流れで手続きを行います。

① 整備事業事務局あてに交付申請書類を提出
② 補助事業の審査
③ 交付決定通知の受取
④ 事業着手
⑤ 事業実績報告の提出
⑥ 補助金額の確定通知の受取


また、補助金の申請には以下の書類を必要とします。

・交付申請書
・印鑑証明書
・委任状
・登録申請書の写し
・土砂災害特別警戒区域と建設地の関係が分かる資料
・申請建物の平面図
・平面詳細図
・求積図
・面積図
・按分面積表
・工事内訳書
・建設工事発注先の妥当性説明書
・事業費統括表
・需要予測書
・地域との連携計画書
・融資の内諾を証する書面の写し
・意見聴取に対する回答書の写し、意見聴取申請書(鑑)の写し
・既存物件の運営情報公開
・入居状況報告書
・「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」に関する報告書


また、改修を含む事業の場合は追加で以下の書類も要します。

・改修の対象となる既存建物の耐震性能を示す書類の写し
・交付申請する工事に係る建築確認済証の写し
・住宅の住戸部分の改修に伴う工事説明書
・工事対象建築物の現況図
・工事対象建築物の現況を示す写真
・工事対象建築物の築年月日を示す資料
・建築基準法その他法令に遵守した建物とすることを誓約する書類
・売買契約書の写しもしくは、売買契約書のひな型

参考:令和3年度サービス付き高齢者向け住宅整備事業交付申請要領|サービス付き高齢者向け住宅整備事業


サービス付き高齢者向け住宅の取得で受けられる税制優遇

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サービス付き高齢者向け住宅の取得をすると、税制優遇も受けられます。

ここでは、サービス付き高齢者向け住宅の取得で受けられる税制優遇を2点解説します。


①不動産取得税の税制優遇

サービス付き高齢者向け住宅を取得すると、不動産取得税が軽減されます。

具体的には、家屋部分について課税標準から1,200万円/戸を控除されます。

更に、土地部分については、以下のいずれか大きい方の金額を税額から控除できます。

45,000円
土地の評価額/㎡×1/2×家屋の床面積の2倍(200㎡を上限)×3%

不動産取得税の税制優遇を受けるためには、以下のような要件を満たす必要がある点に留意しましょう。

・床面積が30㎡以上180㎡以下/戸
・戸数が10戸以上
・国からサービス付き高齢者向け住宅に対する建設費補助を受けている
・主要構造部が耐火構造又は準耐火構造である


②固定資産税の税制優遇

サービス付き高齢者向け住宅を取得すると、固定資産税の税制優遇も受けられます。

具体的には、一戸当たり120㎡相当部分につき、5年間税額の3分の2を参酌し、市町村が条例で定める割合が軽減されます。

税制優遇を受けるには、上記と同様に以下のような要件に当てはまる必要があります。

・床面積が30㎡以上180㎡以下/戸
・戸数が10戸以上
・国からサービス付き高齢者向け住宅に対する建設費補助を受けている
・主要構造部が耐火構造又は準耐火構造である


まとめ

本記事ではサービス付き高齢者向け住宅の概要補助金制度税制優遇制度等を解説しました。

サービス付き高齢者向け住宅を購入する際は、補助金制度の活用によって経済的負担を減らして投資が可能となります。

現在需要が増加している分野でもあるため、積極的に検討したい投資物件と言えるでしょう。

当記事を参考にして、サービス付き高齢者向け住宅への投資を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

西尾 陽平
西尾 陽平
役職
土地活用事業部 執行役員
保有資格
資産形成シニアコンサルタント、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後同社へ入社し、地主さんの土地活用という資産形成や節税を実践で学び、現在は土地のない方へ、土地から紹介し不動産の資産形成の一助を行っている。実践の中で身に付いた視点で、分かりやすく皆様に不動産投資のあれこれをお伝えしています。