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1,000万円の贈与税はいくら?ケース別の税額や特例を解説|注意点も

1,000万円の贈与税はいくらですか?ケース別の税額や特例を解説|注意点も

1,000万円の贈与税は、一括贈与で177万円かかりますが、分割贈与なら税負担を大幅に抑えられます。
年間110万円以内であれば、贈与税を0円にすることも可能です。

お子さんへの贈与を検討する方の中には、「できるだけ税負担を抑えて財産を渡したい」とお考えの方も多いでしょう。
実際、贈与方法や特例制度の選び方によって、最終的な税額は数十万円から百万円以上も変わってきます。

この記事では、1,000万円の贈与税額をケース別に解説し、特例制度についても紹介します。
手続き上の注意点も解説するので、ぜひ参考にしてください。

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贈与税の基礎知識

贈与税とは、個人から財産をもらったときにかかる税金のことです。
なお、贈与税は財産を受け取った人が納める必要があります。
ここでは贈与税の課税方式として、以下の2つを解説します。

  1. 暦年課税
  2. 相続時精算課税

贈与税の仕組みや税率について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

暦年課税とは

暦年課税とは、1年間に贈与された資産の合計額に応じて課税される方式です。
暦年課税には年間110万円の基礎控除が設定されており、基礎控除額を超える際は110万円を超えた部分に所定の税率を乗じて税額を計算します。
なお、暦年課税の条件は下表に挙げる贈与の種類によって異なります。

一般贈与 特例贈与
対象 特例贈与以外のすべて 直系尊属から18歳以上の直系卑属
親から未成年の子
・夫婦間
・兄弟姉妹間
父母・祖父母から子・孫

また、暦年課税の税率は下表のように、10〜55%の8段階に設定されています。

一般贈与 特例贈与
基礎控除後の課税価額 税率 控除額 基礎控除後の課税価額 税率 控除額
200万円以下 10% 200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円 400万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円 600万円以下 20% 30万円
600万円以下 30% 65万円 1,000万円以下 30% 90万円
1,000万円以下 40% 125万円 1,500万円以下 40% 190万円
1,500万円以下 45% 175万円 3,000万円以下 45% 265万円
3,000万円以下 50% 250万円 4,500万円以下 50% 415万円
3,000万円超え 55% 400万円 4,500万円超え 55% 640万円

一般贈与と特例贈与では課税価額などに違いがあり、一般贈与よりも特例贈与のほうが贈与税を抑えられる傾向にあります。
暦年課税を検討する際は一般贈与と特例贈与で条件が異なるので、それぞれの税額をシミュレーションしてから決めることがポイントです。

引用元:国税庁|No.4408贈与税の計算と税率(暦年課税)

 

相続時精算課税とは

相続時精算課税とは、生前贈与した財産を相続発生時にまとめて精算する制度方式で、60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫への贈与に適用できます。
相続時精算課税の特徴は、以下の通りです。

  • 毎年110万円までは贈与税・相続税がかからない(基礎控除)
  • 基礎控除を除いた贈与額が累計2,500万円まで贈与税がかからない(特別控除)
  • 基礎控除・特別控除を超えた金額には一律20%の贈与税がかかる
  • 途中で暦年課税に変更できない

例えば、父親から5年間で毎年500万円、合計2,500万円の贈与を受けたケースで考えてみましょう。
毎年、基礎控除110万円を超える390万円分の特別控除枠を使います。
5年間で390万円×5年=1,950万円となり、特別控除の範囲内のため、この場合は贈与時に税金がかかりません。

2024年の税制改正により年間110万円の基礎控除が導入され、この金額内なら申告手続きも不要です。
まとまった金額を計画的に贈与したい方には、メリットの大きい制度といえます。
ただし、贈与時は税負担が軽くても、最終的には相続時に精算される点には注意しましょう。

2024年の税制改正による最新の節税ポイントについて知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

【関連記事】【2024年から】相続税・贈与税の改正内容|節税のポイントも解説

引用元:国税庁|No.4103相続時精算課税の選択

 

1,000万円の贈与税はいくら?【一括贈与編】

1,000万円を一括で贈与する場合の贈与税について、以下の2パターンで解説します。

  1. 特例贈与の場合
  2. 一般贈与の場合

それぞれ実際にいくらの贈与税がかかるのか、具体的な計算例を交えて見ていきましょう。

 

特例贈与の場合

特例贈与を利用する場合、1,000万円の一括贈与で177万円の贈与税が発生します。
特例贈与における贈与税の計算式は、以下の通りです。

(1年間に受け取った贈与財産-基礎控除額110万円)×税率-控除額

例えば、母親から1,000万円の贈与を受けた場合で見ていきましょう。

計算ステップ 計算内容
1.贈与税率を調べる ・まずは贈与財産から基礎控除額を差し引く(1,000万円-110万円=890万円)
・890万円は速算表の「600万円超1,000万円以下」に該当するため、税率30%・控除額90万円である
2.贈与税額を計算する (1,000万円-110万円)×30%-90万円=177万円

なお、特例贈与が適用されるには、受け取る人がその年の1月1日時点で18歳以上である必要があります。
贈与した日ではない点に、注意しましょう。

また、贈与契約書を作成し、誰から誰へ・いくら贈与したかなどを明確にしておくことで、申告時のトラブルを防げます。

 

一般贈与の場合

同じ1,000万円でも一般贈与では231万円の贈与税がかかり、特例贈与より54万円多く納税する必要があります。

一般贈与の場合における贈与税の計算式は、特例贈与と同様ですが、税率と控除額が異なります。
例えば、夫から妻へ1,000万円を贈与した場合を考えてみましょう。
前述の計算式に当てはめると、以下のように贈与税を算出できます。

(1,000万円-110万円)×40%-125万円=231万円

一般贈与では大きな金額を贈与すると累進課税により税負担が一気に増えるため、分割贈与を検討する方が有利なケースも多くあります。
贈与者との関係性を確認し、どちらの方式が適用されるかを事前に把握しておくことが重要です。

 

1,000万円の贈与税はいくら?【分割贈与編】

1,000万円を数年かけて分割贈与する場合、年間の贈与額によって税負担は大きく変わってきます。
特例贈与を前提とし、「相続開始前7年以内の持ち戻し」を考慮しない条件で計算した結果は下表の通りです。

贈与年数 贈与税の合計額
年間110万円 10年 0円
年間200万円 5年 45万円
年間250万円 4年 56万円
年間300万円 4年 57万円

年間110万円の基礎控除内であれば贈与税はかかりませんが、完了には一定の期間を要します。
一方、年間200万円以上であれば短期間で完了しますが、贈与税の負担が大きくなる点に注意しましょう。

ただし、最初から「1,000万円を分割する」と総額を決めている場合、定期贈与として一括贈与と同様の扱いを受ける恐れがあります。
分割贈与する際は贈与契約書の作成など、定期贈与と判断されないための工夫が必要です。

 

税金を考えるなら1,000万円の贈与は一括と分割どちらが良い?

1,000万円の贈与を検討する際、一括と分割のどちらが有利かは、贈与税だけでなく将来の相続税も含めて総合的に判断しなければなりません。
ここでは、以下の2つから解説します。

  1. 贈与税のみに着目した場合
  2. 将来の相続税も考えた場合

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贈与税のみに着目した場合

贈与税だけを考えるなら、分割贈与の方が圧倒的に有利です。
前述の通り、1,000万円を一括で贈与すると177万円(特例贈与)または231万円(一般贈与)の贈与税が発生します。

これに対し、分割贈与なら基礎控除を使って税負担を大幅に軽減できます。
例えば、毎年110万円以内で贈与すれば贈与税は0円です。
年間200万円ずつ5年間で贈与しても贈与税の合計は45万円となり、一括贈与より大幅に節税できます。

また、年間250万円でも贈与税は56万円に抑えられ、一括贈与の約3分の1程度です。
このように税額を比較すると、分割贈与の節税効果は非常に大きいといえるでしょう。

 

将来の相続税も考えた場合

将来の相続税も考えた場合も、基本的には分割贈与のほうが有利ですが、資産状況や相続までの期間によって最適な方法は異なります。

2024年以降、相続開始前7年以内の贈与は相続財産として扱われるため、贈与のタイミングが重要です。
また、遺産総額が相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人数)を大きく超える場合、早めに計画的な分割贈与を始めることで相続財産を減らせます。

一方、基礎控除内に収まる場合は、無理に贈与する必要性は低いでしょう。
このように、将来の相続税は総資産や相続する人数などを考慮して、長期的な視点で計画を立てることが大切です。

 

1,000万円の贈与税を考えるときに押さえておきたい特例制度

贈与税には、使い道が限定される代わりに大きな非課税枠が利用できる特例制度があります。
1,000万円規模の贈与で活用できる特例は、以下の3つです。

  1. 住宅取得等資金
  2. 教育資金
  3. 結婚・子育て資金

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

特例の対象となる財産①:住宅取得等資金

住宅取得等資金の贈与税非課税特例とは、親や祖父母から18歳以上の子などが住宅購入資金の援助を受けた場合に利用できる制度です。
2026年12月31日までの贈与が対象で、省エネ等住宅の場合は1,000万円まで、それ以外の住宅では500万円までが非課税になります。

この特例を使えば、通常の基礎控除110万円に加えて、住宅資金として最大1,000万円まで非課税で贈与を受けられます。
ただし、特例を適用するには以下の要件を満たさなければなりません。

  • 購入する住宅の面積が原則50㎡(15.1坪)以上である
  • 贈与を受けた人の所得が2,000万円以下である
  • 贈与税の申告を期限内に行う

住宅購入を検討している方にとって、大きな節税効果が期待できる制度といえるでしょう。
なお、現金ではなく不動産そのものを贈与する場合の税金や評価額の計算方法について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

【関連記事】知っておきたい不動産贈与税の基礎知識や評価額の決め方を解説

 

特例の対象となる財産②:教育資金

教育資金の一括贈与非課税特例とは、祖父母などから孫への教育資金援助に活用できる制度です。
30歳未満の子や孫が教育資金として贈与を受ける場合、最大1,500万円まで非課税になります。

また、2013年4月1日から2026年3月31日までに行われた贈与に適用されます。
この特例を利用する際の注意点は、以下の通りです。

  • 教育目的以外に使用すると課税対象になる
  • 領収書などで教育資金として使ったことを証明する必要がある
  • 受贈者が30歳に達した時点で残額があれば課税される
  • 専用口座を開設し、非課税申告書を提出する必要がある

学費や塾代など、具体的な教育計画がある場合に有効な制度です。
ただし、使い切れなかった資金には贈与税がかかるため、必要な金額を見極めましょう。

 

特例の対象となる財産③:結婚・子育て資金

結婚・子育て資金の贈与税非現金特例とは、18歳以上50歳未満の方の親や母から結婚・子育て資金として贈与を受けた場合、最大1,000万円まで非現金になります。
適用期間は、2015年4月1日から2027年3月31日までです

  • 結婚・子育て以外に使用すると課税対象となる
  • 2019年4月以降の贈与には受贈者の所得制限がある
  • 50歳到達時の残額は課税対象となる
  • 専用口座を開設し、非課税申告書を提出する必要があります

結婚や出産を控えている方には魅力的な制度ですが、年齢制限や所得制限があるため、事前に要件を確認しましょう。

 

1,000万円の贈与税に関する手続き上の注意点

贈与税の申告や納税を行う場合、特に押さえておくべきポイントは以下の2点です。

  1. 申告と納税は贈与を受けた人が行う
  2. 法人から贈与された財産は所得税・住民税の対象になる

順番に見ていきましょう。

 

注意点①:申告と納税は贈与を受けた人が行う

一方、財産をあげる側には年間110万円という制限はありません。
が孫A、孫Bにそれぞれ100万円ずつ贈与しても、それぞれの孫が他に贈与を受けていなければ、どちらも基礎決めの範囲内となり贈与税はかかりません。

このように、贈与税は「もらった人」を基準に計算し、
複数の人から贈与を受ける場合は、合計額の把握が大切になってきます。

注意点②:法人から贈与された財産は所得税・住民税の対象になる

 

法人から財産をもらった場合は、贈与税ではなく得税・住民税の対象になります。贈与税の対象となるのは、個人から財産をもらった場合のみです。

法人の役員や従業員が
会社から財産をもらった場合、その財産は「給与得」として扱われます

一方、役員や従業員以外の人が法人から財産を受け取った場合は、「一時得」となります

会社から財産をもらう予定がある場合は、贈与税ではなく所得税の対象になることを理解しておきましょう。

1,000万円の贈与税を賢く抑えたい方は

 

1,000万円の贈与税を受け入れるには、特別な視点での計画的な贈与が欠かせません。一括贈与と分割贈与のどちらが有利か、特例制度をどう活用するかは、資産状況や相続までの期間などによって大きく異なります。また、2024年の税制改正により相続開始前7年以内の贈与が持ち戻されるルールも加わり、贈与のタイミングがより重要です

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1,000万円の贈与税に関するよくある質問

 

1,000万円の贈与税に関するよくある質問は、以下の2つです。

1,000万円の贈与税はいくらになる?

  1. 贈与税の税額を抑える方法はありますか?
  2. 順番に回答します。

質問1:1,000万円の贈与税はいくらになるのですか?

 

1,000万円を一括贈与する場合、特例贈与(※)では177万円、一般贈与では231万円の贈与税が発生します。 ※父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与

一方、分割贈与の場合は毎年110万円以内であれば贈与税は0円
、年間200万円ずつ5年間税で贈与しても合計45万円です。

質問②:贈与税の税額を考える方法はありますか?

 

贈与税を基本的な方法は、分割贈与と特例制度の活用です。毎年110万円以内の基礎控除を利用すれば、贈与税を掛けずに財産を移転できます。 また、以下のような特例制度を利用することで、さらに大きな節税効果も期待できます。

住宅取得等資金(最大1,000万円)

  • 教育資金(最大1,500万円)
  • 結婚・子育て資金(最大1,000万円)
  • ただし、相続開始前7年以内の贈与は相続財産の対象になる点にはご注意ください

まとめ:1,000万円の贈与税は受け取る人や渡し方などによって変わってくる

 

1,000万円の贈与税は、贈与方法や受け取る人との関係によって大きく変わります。一括贈与では177万円ほどが、分割贈与を活用すれば税負担を抑制され、年間110万円以内であれば贈与税を0円にすることもできます。また、住宅取得等資金や教育資金といった特例制度を利用することで、さらなる節税効果が期待できるでしょう

ただし、最適な贈与方法は資産状況や相続までの期間などによって異なります。
贈与税と相続税の両方を考慮しながら、長期的な視点で資産承継の戦略を立てることが大切です。
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この記事の監修者

西尾 陽平
西尾 陽平
役職
土地活用事業部 執行役員
保有資格
資産形成シニアコンサルタント、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後同社へ入社し、地主さんの土地活用という資産形成や節税を実践で学び、現在は土地のない方へ、土地から紹介し不動産の資産形成の一助を行っている。実践の中で身に付いた視点で、分かりやすく皆様に不動産投資のあれこれをお伝えしています。