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FIREの必要金額シミュレーション|生活費別・年代別・資産額別で解説

FIREの必要金額シミュレーション|生活費別・年代別・資産額別で解説

資産運用で経済的に自立し、仕事を早期退職するFIREを選択すれば、経済的・精神的にゆとりを持って豊かな人生を送れます。
しかし、なんとなくFIREを選ぶと、「途中で資金が足りなくなった」などの後悔を感じるケースがあるため、事前のシミュレーションが欠かせません。
実際、FIREを目指したい方の中には「自分の場合はいくら必要か知りたい」とお考えの方も多いでしょう。

この記事ではFIREに必要な金額について、年代別・資産額別のシミュレーションを解説します。
FIREの特徴や、達成後にも考えるべき生活費以外の支出金額シミュレーションもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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FIREとは

FIRE(Financial Independence, Retire Early)とは資産運用で経済的に自立する仕組みを構築してから、仕事を早期退職する生活スタイルのことです。
FIREには、下表のような種類があります。

種類 特徴
フルFIRE(ファットFIRE) 資産運用の所得ですべての必要費用を補填する
サイドFIRE 資産運用の所得を軸に生活し、不足部分をアルバイトやフリーランスなどのサイドビジネスでまかなう
バリスタFIRE 資産運用の所得で生活費の半分を、残りの半分を企業に雇用されながら得る賃金で補うスタイルで、企業の社会保険や福利厚生を維持できる
リーンFIRE 生活費の節約を前提に、少ない資産で早期リタイアする

上記のうちで最も理想的なスタイルは、資産運用の所得のみで生活するフルFIREで、完全に仕事を辞められる分、自由な生活を実現できます。
ただし、選ぶべきFIREの種類は資産額やライフプランによっても異なるため、ご自身の状況に合ったFIREを選ぶことが大切です。

 

FIREの必要資金を算出する際に用いる「4%ルール」とは

FIREの必要資金を算出する際に用いる「4%ルール」について、以下の2点から解説します。

  1. 概要
  2. 注意点

FIREに必要な金額をシミュレーションする前に、基礎知識をチェックしましょう。

 

概要

FIREの必要資金を算出する際に用いる「4%ルール」とは、生活費を投資元本の4%以内に収める場合、資産を減らさずに暮らせるという考え方です。
具体的には、年間支出の25倍の資産を築く場合に、年利4%の運用益で生活費をまかなえるとされています。
例えば、年間の支出が350万円のケースでは、FIREに必要な資金目安は以下の通りです。

350万円×25倍=8,750万円

なお、FIREの4%ルールは、アメリカにおける株式市場の一般的な成長率7%と物価上昇率3%の差をもとに算出されています。
つまり、アメリカの株式(S&P500)をメインにして資産を運用し、年利4%の利益額内で生活すれば、資産を切り崩すリスクを減らせるという理論です。
一見するとFIREの必要資金は簡単に算出できるような印象を受けますが、落とし穴もあるので、次の章で解説する注意点を踏まえて検討しましょう。

 

注意点

FIREの必要資金を算出する「4%ルール」の注意点は、以下の通りです。

  • 日本の物価上昇率や税金が加味されていない
  • 必ずしも年利4%の利益が得られるとは限らない
  • 市場の暴落により資産が大きく目減りする可能性がある
  • 急な出費で資産が減るおそれがある

前の章で解説したように、4%ルールはアメリカの市場データに基づいた考え方であるため、日本で実践する際は日本の物価上昇率や税金を踏まえる必要があります。
具体的には、日本銀行が公表している物価上昇率の目標は2%であり、税金・手数料の支払いも含めると日本でFIREを目指す場合の年利目安は5〜6%です。

また、年利4%を下回ったり、市場が暴落したりするリスクがあるので、余裕を持って年利を設定しておくことが重要だといえます。
加えて、ケガや病気で入院費や治療費が必要になるなど、想定外の支出で資産が減る可能性もあり、年利をぎりぎりで見積もるのは避けるのが無難です。

FIREを目指す際は、すべて4%ルールに当てはめるのではなく、ご自身の状況や日本の経済状態を踏まえてシミュレーションしましょう。

 

FIREに必要な資金の計算方法

FIREに必要な資金の計算方法は、以下の3ステップです。

  1. 年間生活費を算出する
  2. 4%ルールを用いて資金がいくら必要か計算する
  3. 課税やインフレ状況を加味する

例えば、一般的な2人以上世帯の平均生活費から、FIREの必要資金をシミュレーションしましょう。
総務省統計局が公表している2024年の「家計調査」によれば、2人以上の世帯における平均生活費は30万243円です。
家計調査の結果をもとに、4%ルールでFIREに必要な資金は以下のように算出できます。

30万243円×12ヶ月×25倍=9,007万2,900円

上記の資金を株式投資の運用で得る場合、税率は20.315%となります。
税金を差し引いて1ヶ月に30万円、年間に合計360万円の利益を得るために必要な資金は下表の通りです。

項目 計算
税引き前に必要な年間の利益 451万7,789円
(360万円÷(1-0.20315))
FIREに必要な資金 1億1,294万4,725円
(451万7,789円×25倍)

生活費や家族構成によっても異なりますが、2人以上の世帯におけるFIREに必要な資金は1億円前後だと想定できます。
ご自身でシミュレーションする場合は、生活費や税金などを含めて細かく条件を設定し、なるべく正確に計算しましょう。

引用元:総務省統計局|家計調査報告-月・四半期・年-「家計調査2024年(令和6年)平均(2025年2月7日公表)」

 

【生活費別】FIREに必要な資金の金額シミュレーション

4%ルールを使ってFIREに必要な資金を生活費別にシミュレーションすると、下表の通りです。

1ヶ月の生活費 年間生活費 FIREの達成に必要な資金
10万円 120万円 3,000万円
15万円 180万円 4,500万円
20万円 240万円 6,000万円
25万円 300万円 7,500万円
30万円 360万円 9,000万円
35万円 420万円 1億500万円
40万円 480万円 1億2,000万円

上記はあくまでも目安であり、シミュレーションする場合はご自身の生活費をもとにしながら、必要な資金を計算しましょう。
なお、市場低迷などのリスクがあるので、資金は多めに用意することが大切です。

 

【年代別】FIREに必要な資金の金額シミュレーション

FIREに必要な資金の金額シミュレーションを、以下の3世代に分けて紹介します。

  1. 30代でのFIREを目指す場合
  2. 40代でのFIREを目指す場合
  3. 50代でのFIREを目指す場合

なお、今回のシミュレーションの条件は以下の通りです。

  • FIRE後の総生活費は90歳までを想定する
  • 生活費の月額は総務省統計局が公表している2024年の「家計調査」を参考にする
  • 本人は会社員時代に厚生年金に加入し、退職後にFIREを選択して国民年金に加入する
  • 配偶者はすべての期間で国民年金に加入する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

30代でのFIREを目指す場合

35歳でFIREを選択するケースを想定して必要な資金をシミュレーションすると、下表の通りです。

世帯人数 FIRE後の総生活費 年金受取額 必要な資金
単身 約1億1,200万円
(16万9,547円×12ヶ月×55年)
約3,600万円
(約142万円×25年)
約7,600万円
2人 約1億7,700万円
(26万8,755円×12ヶ月×55年)
約5,600万円
((約142万円+約83万円)×25年)
約1億2,100万円
3人 約2億500万円
(31万96円×12ヶ月×55年)
約5,600万円
((約142万円+約83万円)×25年)
約1億4,900万円
4人 約2億2,500万円
(34万1,400円×12ヶ月×55年)
約5,600万円
((約142万円+約83万円)×25年)
約1億6,900万円

上記のように、30代の単身世帯で約7,600万円、夫婦2人・子ども1人のような3人世帯で約1億4,900万円あれば、FIREを目指せます。
年収によっても異なりますが、生活費とは別に35歳までに1億円前後を貯めるのは難しいケースも考えられ、次の章以降で紹介する40代以降のFIREも検討しましょう。

 

40代でのFIREを目指す場合

45歳でFIREを選ぶケースを想定して必要な資金を計算すると、下表の通りです。

世帯人数 FIRE後の総生活費 年金受取額 必要な資金
単身 約9,200万円
(16万9,547円×12ヶ月×45年)
約4,600万円
(約182万円×25年)
約4,600万円
2人 約1億4,500万円
(26万8,755円×12ヶ月×45年)
約6,700万円
((約182万円+約85万円)×25年)
約7,800万円
3人 約1億6,700万円
(31万96円×12ヶ月×45年)
約6,700万円
((約182万円+約85万円)×25年)
約1億円
4人 約1億8,400万円
(34万1,400円×12ヶ月×45年)
約6,700万円
((約182万円+約85万円)×25年)
約1億1,700万円

上記の総生活費には教育費も含まれますが、子どもの年齢や授業料の程度によっても異なるので、家庭の状況に合わせてシミュレーションしてください。

40代でのFIREに必要な資金は、世帯人数3人以下であれば約1億円以下に収まり30代のケースと比較しても負担は軽く済みます。
ただし、40代までに5,000万〜1億円稼ぐには、副業や転職などはもちろん、積極的に投資を実践することが重要です。

 

50代でのFIREを目指す場合

FIREを目指す場合に必要な資金を、55歳でFIREを選択するケースを想定してシミュレーションすると下表の通りです。

世帯人数 FIRE後の総生活費 年金受取額 退職金 必要な資金
単身 約7,100万円
(16万9,547円×12ヶ月×35年)
約5,700万円
(約226万円×25年)
1,200万円 約200万円
2人 約1億1,300万円
(26万8,755円×12ヶ月×35年)
約7,800万円
((約226万円+約85万円)×25年)
1,200万円 約2,300万円
3人 約1億3,000万円
(31万96円×12ヶ月×35年)
約7,800万円
((約226万円+約85万円)×25年)
1,200万円 約4,000万円
4人 約1億4,300万円
(34万1,400円×12ヶ月×35年)
約7,800万円
((約226万円+約85万円)×25年)
1,200万円 約5,300万円

上記のように、50代におけるFIREの必要な資金目安は、退職金を含めることで5,000万円以下のケースが増えます。
ただし、費用負担は減るものの、医療費やリフォーム費用などの出費で資金がショートするリスクがあるので、注意が必要です。

また、50代からの資産形成はスピード感が求められるため、不動産投資など効率良く資産形成ができる方法を検討しましょう。

引用元:総務省統計局|2024年家計調査「3-1世帯人員別」

 

【資産額別】FIREに必要な資金の金額シミュレーション

FIREに必要な資金の金額シミュレーションを、以下のような3つのケースを想定して解説します。

  1. 資産3,000万円でFIREを目指す場合
  2. 資産5,000万円でFIREを目指す場合
  3. 資産8,000万円でFIREを目指す場合

なお、本章における前提条件は、夫婦世帯(子なし)の一般的な平均生活費です。
ご自身の資産状況と照らし合わせながら、それぞれの内容をチェックしましょう。

 

資産3,000万円でFIREを目指す場合

資産3,000万円でFIREを目指す場合、基本的にはそのままではFIREを選択するのは困難です。
仮に3,000万円をすべて投資しても、年利4%だと年収は120万円で、月10万円程度で生活するのは極めて難しいといえます。
FIREに1億円の資金が必要だと仮定し、資産3,000万円のうち2,500万円を投資すると下表の年数で達成が可能です。

利回り 達成年数の目安
4% 35年
6% 25年
8% 20年

資産が3,000万円の場合は、いきなりフルFIREするのではなく、資産を増やしながらFIREのタイミングを判断しましょう。
3,000万を1億に増やす方法や投資・節税のコツを知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】3,000万を1億に増やす方法とは?目標の利回りや投資・節税のコツも解説

 

資産5,000万円でFIREを目指す場合

資産5,000万円でFIREを目指す場合、フルFIREは現実的ではありません。
5,000万円全額を年利4%で運用すると年収は200万円であり、かなり切り詰めた生活が求められるので、避けるのが無難です。
FIREに1億円の資金が必要だと仮定して、資産5,000万円のうち4,500万円を投資する際は、以下の年数で目標を達成できます。

利回り 達成年数の目安
4% 20年
6% 15年
8% 10年

 

資産8,000万円でFIREを目指す場合

資産8,000万円でFIREを目指す場合、標準的な支出の世帯であればフルFIREも可能ですが、余裕ある生活は送れない可能性があります。

8,000万円のすべてを年利4%で運用する際の年収は320万円で、月収に換算すると26万円です。
総務省統計局が公表している2024年の「家計調査」によれば、2人世帯の平均生活費は26万8,755円で、月収26万円だと資産が減るリスクがあります。

FIREに1億円が必要だと想定する場合、資産8,000万円のうち7,500万円を投資に回すと以下の年数で目標の達成が可能です。

利回り 達成年数の目安
4% 10年
6% 5年
8% 4年

上記のように8,000万円あれば、10年以内に1億円の資産を築ける可能性があります。

引用元:総務省統計局|2024年家計調査「3-1世帯人員別」

 

生活費以外も!FIRE達成後の支出金額シミュレーション

FIRE後に資金不足で悩まないためにも、余裕を持って準備しておきたい支出を以下の4つに分けて解説します。

  1. 住居費
  2. 医療費
  3. 各種税金
  4. 娯楽費

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支出金額シミュレーション①:住居費

FIRE後に必要な住居費は年間で25万〜100万円で、以下のような費用が含まれます。

  • 家賃
  • 固定資産税
  • リフォーム費用
  • 管理費

住居費は生活費の中でも比較的ボリュームを占める費用であり、なるべく正確にシミュレーションすることが大切です。
なお、住居費は現時点で住宅を保有しているかや、将来的に住宅を購入する予定があるかなどの条件によって異なるので、ライフプランを踏まえて考えましょう。

 

支出金額シミュレーション②:医療費

FIRE後における医療費の相場は、年間20万〜80万円が目安です。
医療費とは、以下の費用を指します。

  • 診察料
  • 治療費
  • 医薬品の購入費
  • 通院費用

また、FIRE後の健康診断や人間ドックの費用は自己負担となるため、注意が必要です。
持病のある方はもちろん、年齢とともに健康リスクが高まることから、医療費は高めに見積もりましょう。

 

支出金額シミュレーション③:各種税金

FIRE後に発生する各種税金の支出額は、年間で50万円~120万円が相場です。
税金には以下のような種類があり、実質的に税金の特性を持つ社会保険料も含みます。

  • 所得税
  • 住民税
  • 健康保険料
  • 社会保険料

ただし、各種税金は所得額や配偶者の有無などの条件によって大きく左右されるので、ご自身の状況に合わせてシミュレーションしましょう。

 

支出金額シミュレーション④:娯楽費

FIRE後の娯楽費は年間60万〜120万円が目安で、以下の費用が該当します。

  • 交際費
  • 旅行の移動費や宿泊費
  • 趣味の書籍費
  • ジムの利用費

娯楽費を極端に減らすと生活の満足度が低下するおそれがあり、FIREの自由な生活を満喫できない可能性があるため、費用の削りすぎには注意してください。
FIRE前に趣味や娯楽にどのくらいの費用をかけているか、あらためて確認してからシミュレーションしましょう。

 

FIREを目指して資産形成したい方は

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まとめ:FIREの必要資金は金額シミュレーションである程度の目安が分かる

FIREとは、資産運用で経済的に自立する仕組みを構築してから、仕事を早期退職する生活スタイルのことです。
4%ルールや生涯に必要な生活費からシミュレーションすれば、FIREに必要な資金の目安を把握できます。

また、FIRE達成後にも住居費や各種税金などの費用が発生するので、ライフスタイルや家族構成に合わせて必要資金をシミュレーションすることが大切です。
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この記事の監修者

西尾 陽平
西尾 陽平
役職
土地活用事業部 執行役員
保有資格
資産形成シニアコンサルタント、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後同社へ入社し、地主さんの土地活用という資産形成や節税を実践で学び、現在は土地のない方へ、土地から紹介し不動産の資産形成の一助を行っている。実践の中で身に付いた視点で、分かりやすく皆様に不動産投資のあれこれをお伝えしています。