不動産投資のリスクは高い?リスクの種類とその対策を徹底解説
何の投資をするにせよ、少なからずリスクが存在します。
そして、投資で成功するには、リスクに備える「リスクヘッジ」が必須です。
これは不動産投資でも同様のことが言えます。
不動産投資には大きな利益を得られる可能性がある一方で、知らないと危険なリスクもいくつか存在します。
そのため、これから不動産投資を始める方は、どのような種類のリスクがあり、どのように対策するべきかを理解しましょう。
当記事では、不動産投資のリスクやその対策を分かりやすく解説しているため、是非参考にしてください。
目次
不動産投資のリスクについて
不動産投資は一般的に「ミドルリスク・ミドルリターン」と言われています。
ローリスク・ローリターンの「預貯金」や「国債」と比較して元本割れのリスクがある一方で、投下資本に対する見返りも期待できます。
他方でハイリスク・ハイリターンな「先物取引」や「株式投資」等と比較すると、リスクが少なく、成功時の見返りも少ないということです。
しかし、不動産投資のリスクに対する知識や対策方法を知らないと、実質的なリスクは増加します。
反対に言えば、正しい知識や対策を知ることで「ミドルリスク」であっても、顕在化した時の被害を最小限に留めることが可能となるのです。
不動産投資のリスク8種類
それでは、不動産投資の具体的なリスクにはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは不動産投資のリスクを8種類解説します。
リスク①:空室・滞納
「空室リスク」とは、所有している物件に入居者がおらず、家賃収入を得ることができないリスクです。
「利回り」や「取得価格」の要素のみで物件を選択してしまった際などに顕在化しやすいです。
また「滞納リスク」も同様に家賃収入を得ることができないリスクです。
滞納が続いている状況だと、家賃収入が得られないだけでなく、新規入居者を迎え入れることもできません。
また強制退去をするにせよ各種費用を要するため、大きな損害に繋がってしまいます。
リスク②:地震・天災
地震や天災も不動産投資のリスクです。
具体的には「地震やそれに伴った津波による建物の破損」が挙げられます。
完全に回避することは難しいリスクであり、地震や天災によって不動産が破損してしまうと、不動産価値が大きく減少します。
また、破損部の修繕に費用を要するケースも多いです。
リスク③:火災・事故
地震や天災と同様に、火災や事故によって建物が破損してしまうと大きな損失を生みます。
これらのリスクも、いつ起こるか予想がつきにくく、完全に防止することが難しいことが特徴です。
そのため、被害を最小限に留めるための対策を行う必要があります。
リスク④:修繕
修繕リスクとは、建物や設備が修繕を要する状態になった際に発生するリスクです。
新築物件であっても中古物件でも、一定の時間が立てば老朽化し、修繕を要する状況となります。
長期的に不動産を運用する場合、建物や設備の修繕を要する場面は必ずと言って良いほど現れるでしょう。
その際に発生する修繕費が負担となり、収支を圧迫する可能性があるのです。
リスク⑤:家賃下落
不動産は築年数が経ち、経年劣化するにつれて家賃が下落する傾向にあります。
家賃が下落すると、利回りが悪化し、家賃収入額が減少するのは当然ですが、売却価格も下落します。
三井住友トラスト基礎研究所の調査によると、築0年~10年の10年間で最も家賃の下落が大きく、築11年以降は下落幅が緩やかになるというデータがあります。
そのため、新築物件や築年数が浅い物件を購入する際に起こりやすいリスクと言えるでしょう。
リスク⑥:不動産価格下落
上述の通り、経年劣化や建物の破損等の内部的な問題によって不動産価格は下落しますが、外部的事情も大いに影響します。
具体的には「地域のブランド力の低下」や「他の地域における電車の路線開通の状況」等が挙げられます。
不動産価格が下落するということは、運用後に売却する際の価格が下落するということです。
その結果出口戦略に失敗し、最終的に収支がマイナスになってしまう恐れもあります。
リスク⑦:資金流動化
不動産投資には流動性リスクも存在します。
「流動性リスク」とは「不動産を売却したいタイミングですぐに売却できないリスク」です。
自身が不動産を売りに出しても、買い手が付かない状況が続くことで発生します。
不動産の売却手続きには半年以上要することも度々あるため、売却しやすいか否かも非常に重要な要素となります。
リスク⑧:金利上昇
不動産投資を行う場合、多くの方がローンを組んで運用を行います。
そして、ローンの金利が上昇することによって、総返済額も増加してしまうリスクが「金利上昇リスク」です。
金利上昇リスクが顕在化してしまうと、当初予定していた収支計画が崩れ、赤字になってしまう原因となります。
不動産投資のリスクの7つの対策
上述の通り、不動産投資には様々なリスクが存在します。
不動産投資で成功させるには、これらのリスクを顕在化させない、もしくは被害を最小限に抑えることが重要です。
そこでここでは、不動産投資のリスクにおける7つの対策を解説します。
対策①:需要のある立地条件や物件を選ぶ
空室リスクや流動性リスクを回避するためにも、需要のある立地条件や物件を選択しましょう。
「利回りが高い」「価格が安い」だけに着目してしまうと、空室リスクや流動性リスクを高める要因になります。
利回りや価格以外にも、地域性や立地、物件の条件等を総合的に考慮した不動産選びを行うことが大切です。
対策②:家賃保証会社への加入を必須にする
家賃滞納リスクを抑えるためには、家賃保証会社への加入が有効です。
家賃保証会社へ加入することで、入居者が家賃を滞納した際に、入居者の代わりに家賃の立て替え払いをしてもらえます。
入居者本人に両親や親族等の保証人がいない場合に有効です。
対策③:各種保険に加入する
地震や火災のリスクに備えるためには、地震保険や火災保険等の各種保険に加入しましょう。
地震や火災を確実に発生させないことは難しいですが、保険加入することで、万が一発生した際の損失を最小限に留めることができます。
加入する保険は補償範囲や保険料等を総合的に検討して決定しましょう。
対策④:賃料収入の一部を積み立てておく
上述した通り、長期的に不動産を運用する場合、ほぼ間違いなく建物や設備を修繕する機会があります。
それにも関わらず、修繕に係る費用を考慮していなければ赤字の原因となります。
そのため、月々の家賃収入の一部を修繕費のための積立金としてプールしておきましょう。
対策⑤:中古物件を選ぶ
家賃下落リスクを防止するには、中古物件の選択がおすすめです。
上記した三井住友トラスト基礎研究所の調査によると、築11年以降の物件は、築0年から10年の物件よりも家賃の下落幅が緩やかです。
そのため、築11年以降の中古物件を購入することで、家賃収入の大幅な減少を防止する可能性があります。
対策⑥:土地の開発計画や景気動向を調査・予測する
不動産の価格は外的な要因によっても低下すると解説しました。
当然ですが、不動産価格は下落しない方が、投資は有利に進みます。
そして、不動産価格の下落を防ぐには、将来的にも需要がある物件である必要があるのです。
将来的にも需要があるかを判断するために、その地域の都市開発計画や、景気動向等を十分に調査し、将来の価格変動を予測しましょう。
対策⑦:元金均等返済・固定金利を選択する
金利上昇リスクを備えるために、元金均等返済・固定金利を選択しましょう。
「元金均等返済」とは、毎月の返済元金が同じで、それに利息が上乗せされるローンの返済方式です。
元金均等返済にすることで、元金の減少が早くなるため、結果的に支払う利息が少なくなります。
また「固定金利」とは、ローンの返済期間中の金利が変動しない制度です。
固定金利を選択することによって、急激に金利が上昇しても支払いの負担は変動しません。
しかし、元々の金利が高い場合は変動金利を選択した方が有利になる場合もあるため、その時の状況から総合的に判断すると良いでしょう。
まとめ
当記事では、不動産投資のリスクの種類や、有効な対策方法を解説しました。
不動産投資で成功させるには「リスクを顕在化させない」もしくは「リスクが顕在化した際の被害を最小限に留める」ことが大切です。
具体的に、不動産投資には以下のような種類のリスクが存在します。
・空室・滞納
・地震・天災
・火災・事故
・修繕
・家賃落下
・不動産価格下落
・資金流動化
・金利上昇
これらのリスクと正しく付き合いながら不動産投資を行うためにも、対策の正しい理解は必須です。
適切な対策をして不動産投資を行うことができれば、リスクに怯えることなく不動産運用が可能となるでしょう。
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