不動産投資の利回りの推移〜平均や最低ラインについてもあわせて解説〜
「今現在の不動産投資の利回りは上がっているの?下がっているの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
利回りの推移を把握すると、今現在はどのくらいの利回りなのか、これからの利回りはどうなるのかを判断できるようになります。
また、推移だけではなく、利回りの平均や最低ラインの考え方を理解することも重要です。
時代の流れや、条件の違いによる利回りの変化を把握していないと、目の前の利回りに惑わされて正しい選択ができなくなる可能性があります。
そこで当記事では、不動産投資の利回りの推移や平均値、最低ラインについて解説しています。
この記事を読めば、目先の利回りだけに惑わされず、物件を総合的に見て判断できるようになるでしょう。
目次
不動産投資における利回りの種類とは
不動産投資において「利回り」は非常に重要な要素の1つです。
不動産投資の利回りとは「不動産の取得価格に対する年間の家賃収入の割合」です。
もちろん、不動産投資は利回り以外にも重要なポイントが多いですが、利回りのみに着目した場合「利回りが高い不動産はそれだけ収益性が高い」と言えます。
しかしその一方で、利回りが高い不動産はリスクも高い傾向にあります。
そのため、利回りだけに着目せずに、総合的に物件を判断することが重要です。
また、一概に不動産投資の利回りと言っても「表面利回り」と「実質利回り」が存在します。
それぞれ意味や計算方法が異なりますが、どちらも不動産投資において重要な要素となるため、必ず理解をしましょう。
以下の記事で「表面利回り」と「実質利回り」の意味や計算例を詳しく解説しています。
【関連記事】不動産投資の利回り平均の目安は何%か?投資用不動産ごとの平均を解説
区分マンションの不動産投資の利回りの推移
不動産投資における区分マンションの利回りは年々減少傾向にあります。
「健美屋株式会社」の「収益物件 市場動向四半期レポート」によると、健美屋に登録されている区分マンションにおける利回りは、2021年1月~3月現在で7.65%です。
一方で2012年は11.84%となっており、2017年の7.34%まで5年連続で下落しました。
その後は多少上下しつつもほぼ横ばいで推移しています。
地域別に着目した場合でも、地域差による利回りの違いはありつつも、同程度の割合で減少傾向にあることが分かります。
この利回りの低下における原因の1つが、不動産価格の高騰です。
2012年1月~3月時点において、区分マンションの全国平均価格が877万円でしたが、2021年時点では1,502万円となっています。
この価格の高騰によって、不動産の取得価格が上がり、利回りが低下する原因となっているのです。
参考:不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家 ( けんびや )「収益物件 市場動向四半期レポート」
一棟アパートの利回りの推移
一棟アパートの利回りも同様に減少傾向にありますが、区分マンションよりは緩やかな下落となっています。
同じく「健美屋株式会社」の「収益物件 市場動向四半期レポート」によると、健美屋に登録されている一棟アパートの利回りは、2021年1~3月で8.66%です。
2012年段階では11.46%だったものの、その後2019年の8.77%まで減少し続け、ここ2年は、ほぼ横ばいになっています。
また、首都圏や各地方都市に着目しても、利回りの地域差はあるものの、同じような減少率を辿っています。
一方で不動産価格は年々上昇傾向にあり、2021年1月~3月時点での平均価格は4,363万円だったものの、2021年には6,760万円となっています。
同じく、この不動産価格の高騰が利回りの低下に繋がっていると言えるでしょう。
参考:不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家 ( けんびや )「収益物件 市場動向四半期レポート」
一棟マンションの利回りの推移
同様に一棟マンションの利回りも減少傾向にあります。
しかし、下落の推移は区分マンションほど急激ではありません。
2012年1~3月段階で10.36%であった利回りは、2018年に7.97%まで下落しました。
その後若干の回復をするものの、2021年時点では8.13%になっています。
不動産価格が高騰している点も他の不動産と変わらず、2012年時点の平均価格が13,130万円でしたが、2021年には15,742万円となっています。
この価格の高騰が利回りの低下の原因になっていると言えます。
参考:不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家 ( けんびや )「収益物件 市場動向四半期レポート」
不動産投資の利回りの平均
不動産投資をする中で、利回りの平均が気になる方も多いです。
利回り平均についての考え方を知らなければ、投資用不動産を正しく選択できない可能性があります。
なぜなら、利回りの平均は不動産が位置する地域や、不動産の形態、状況によって大きく異なるためです。
例えば、基本的には地方の物件の方が都内の物件よりも平均利回りが高いです。
他にも、築年数が長い方が短いよりも平均利回りが高くなる傾向にあります。
このように、地域や物件によっても平均利回りが大きく変わるため、全ての不動産の利回りを同じ基準で評価してはいけないのです。
そのため、地域や条件の違いによるそれぞれの利回りの目安を知っておくことは非常に重要です。
以下の記事では、利回り平均の目安を条件や地域ごとに解説しているため是非ご覧ください。
不動産投資の利回りの最低ライン
「不動産の利回りは最低でも〇%」と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
しかし、それを盲信してはいけません。
上記でも解説した通り、不動産投資の利回り平均は様々な要素によって決定するためです。
そのため、利回りの最低ラインも不動産の条件によって異なる値を設定するべきでしょう。
また、利回りが高い不動産と言うのは反対に、空率や築年数等のリスクも高くなる傾向にあります。
そのため、利回りに加えて、地域や各種条件を総合的に判断した不動産選びが重要です。
不動産の利回り最低ラインの考え方については、以下の記事で解説しているため是非参考にしてください。
【関連記事】不動産投資の利回り最低ライン10%説は本当?
まとめ
当記事では、不動産投資における利回りの考え方や利回りの推移、平均値、利回りの最低ラインについて解説を行いました。
現在、不動産価格の高騰により、利回りが低下している状況です。
また、利回りと言うのは、不動産の地域や状況によって大きく異なります。
その違いを知らずに目の前の数字を盲信してしまうと、不動産投資の失敗の原因ともなります。
そのため、現在の利回りの推移に加えて、地域や状況別の平均値や最低ラインの考え方をしっかりと身に付けることが重要です。
不動産の利回りだけではなく、全体を総合的に判断した投資を行い、成功に一歩近づきましょう。
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