不動産投資へのコロナ禍の影響は?現状と今後の予想やおすすめの不動産を紹介

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新型コロナウイルス感染拡大が始まった2020年1月から3年が経ちました。

政府は2023年5月8日にインフルエンザなどと同じ5類へ移行する方針を発表し、本格的に「ウィズコロナ」へと動き始めています。

ようやく日本経済が活発に動き始めましたが、この3年間で対面での対応の規制や事務所の撤退・縮小などによって仕事がコロナの影響を受けてしまった人もいるのではないでしょうか。

そんな経験をした人におすすめなのが、副収入の確保のための「不動産投資」です。

この記事では、これから不動産投資を始めようと思っている人のために「不動産投資へのコロナ禍の影響と現状、今後の予想・おすすめの不動産」について解説していきます。不動産に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

 



 

コロナ禍での不動産投資の状況

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行動制限や事業規模の縮小などのコロナ禍での動きが、不動産投資にどのように影響したのか、コロナ禍での不動産投資の状況を、次の項目に分けて見ていきます。

・供給されたマンション数と人気のエリア
・不動産の価格
・不動産投資の利回り

これまで経験したことがない「コロナ禍」においての、不動産投資の変化を知ることで、今後の予測が可能です。

不動産投資を始めようと思っているのなら、まずは現状を知り、スタート地点に立ちましょう。

供給されたマンション数と人気のエリア

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首都圏における投資用マンションの供給数は、2021年は年間で「6,028戸」で、前年の6,260戸から3.7%減少しました。

しかし、2022年上期(1〜6月)の供給数は「3,768戸」で、前年同期(2021年1〜6月)と比べると、3.2%(118戸)増加しています。

9,210.jpg2021年年間と2022年上期(1〜6月)の供給エリアランキングは、次の通りです。

2021年年間(1〜12月) 2022年上期(1〜6月)
第1位 江東区 698戸 大田区 449戸
第2位 墨田区 430戸 江東区 439戸
第3位 横浜市南区 380戸 豊島区 311戸
第4位 川崎市中原区 376戸 横浜市南区 296戸
第5位 品川区 297戸 墨田区 239戸

2021年年間のトップは「江東区698戸」、2022年上期(1〜6月)のトップは「大田区449戸」でした。

引用元:不動産経済研究所|令和4年不動産経済 マンションデータ・ニュース

不動産の価格

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2020年と2021年の年間、2022年上期(1〜6月)の不動産平均価格と㎡単価は、次の通りです。

平均価格(万円) ㎡単価(万円)
2020年 3,176 120.2
2021年 3,132 116.9
2022年上期(1〜6月) 3,221 120.7

年間の価格で見ると、2021年は前年よりも平均価格が1.4%(44万円)、㎡単価が2.7%(3.3万円)下落しています。

しかし、2022年前期(1〜6月)の価格では、前年の同期(2021年1〜6月)よりも平均価格は3.1%(96万円)、㎡単価は2.1%(2.5万円)の上昇となりました。

引用元:不動産経済研究所|令和4年不動産経済 マンションデータ・ニュース

不動産投資の利回り

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2022年上期(1〜6月)では、不動産価格が上昇となりましたが、利回りについては若干の下落がみられます。

2020年から2022年の区分マンションにおける「利回りの推移」は、次の通りです。

2020年 2021年 2022年
利回り(%) 7.68 7.44 7.41
前期比 ↑0.31 ↓0.24 ↓0.03

2019年から2020年は0.31上昇しましたが、2021年は-0.24、2022年は-0.03と下落傾向にあります。

引用元:健美家|令和4年収益物件市場動向年間レポート

コロナ禍の不動産投資への影響

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前項ではコロナ禍での不動産投資の現状について解説してきてきましたが、分野別で具体的にどのように影響が出たのかをお伝えしていきます。

マンション不動産への影響

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コロナ禍のマンション不動産への影響はあまりなく、コロナ禍よりも前の変化と変わりがない上下幅となっています。

〜投資用マンションの現状概要〜

・供給数:2021年は減少→2022年前期には回復して増加
・不動産価格:2021年は下落→2022年前期には回復して上昇

居住場所への需要は、コロナ禍であっても変わりありません。

リモートワークの推進や生活の変化など、暮らし全体で見れば変化はあったものの、マンション不動産としては、大きな変化とはなりませんでした。

オフィス用不動産への影響

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マンション不動産への影響が小さい一方で、オフィス用不動産は大きく影響を受けました。

ワークスタイルの変化や企業の撤退などにより、これまでオフィスを契約していた企業が不在となってしまった不動産が増加しています。

ザイマックス不動産総合研究所の調査によると、2022年7~9月期の空室率は4.02%で、2015年以来7年ぶりに4%を超える数値まで上昇しました。

【コロナ禍】

空室率(%)
2021年7〜9月 3.4
2021年10〜12月 3.6
2022年1〜3月 3.6
2022年4〜6月 3.9
2022年7〜9月 4.0

【コロナ前】

空室率(%)
2018年4〜6月 1.29
2018年7〜9月 1.10
2018年10〜12月 0.87
2019年1〜3月 0.81
2019年4〜6月 0.87

 

企業の事業所のスタイル変化は、ウィズコロナへと向かい始めた2023年も継続していくと考えられます。

オフィス用不動産については、今後もコロナ禍の影響が出続けるといえるでしょう。

引用元:
ザイマックス不動産総合研究所|令和4年オフィスマーケットレポート 東京2022Q3
ザイマックス不動産総合研究所|令和元年オフィスマーケットレポート 東京 2019Q2

コロナ禍での不動産投資の今後

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コロナ禍での不動産投資の今後について、次のポイントに分けて解説していきます。

・不動産価格の差が激しくなる
・郊外エリア・地方の需要が高くなる
・オンライン内見

前項までコロナ禍における「現状」と「影響」をお伝えしてきました。

それらの結果を踏まえて、今後どのように不動産投資が動いていくのかをみていきましょう。

不動産価格の差が激しくなる

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コロナ禍の影響で、需要が集まり不動産価格が上がったエリアと、空き家・空室が多くなり不動産価格が下がったエリアがあります。

オフィス用不動産においては、前項でお伝えした通り、コロナ前から空室率が徐々に上がっており、上昇が止まりません。

2022年12月の「首都圏新築マンション」に絞って見てみると、次のような動きがあります。

平均価格(万円) 前年同月比(%)
東京都下 5,408 ↑21.7%
東京23区 8,302 ↑3.2%
埼玉県 4,508 ↓2.0%

東京都下エリアが2021年より21.7%も価格が上昇しているのに対し、東京23区では3.2%の上昇、埼玉県では2.0%の下落となっています。

3つのエリアだけを見ても、これほど価格変動に差があり、2023年においても、価格差は広がっていくと考えられるため、購入を希望するエリアの動向の詳しいリサーチが必要です。

引用元:不動産経済研究所|令和5年首都圏新築分譲マンション市場動向 2022年12月

郊外エリア・地方の需要が高くなる

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コロナ禍となった際、大手企業を中心に「テレワークの普及」へ動き、ワークスタイルが大きく変化し、通勤時間を気にして不動産を選ぶ必要がなくなりました。

これまでは、駅や通勤先へ近い利便性重視の不動産選びが首都圏では主流でしたが、コロナ禍の今では「郊外エリアや地方に暮らす」という選択肢が増えています。

テレワークしても問題がないような広い部屋が確保できる物件や、隣の部屋の音が聞こえづらい防音性が高い物件など、コロナ禍で求められる不動産を視野に投資計画を進めることが大切です。

オンライン内見

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感染予防対策として「オンライン内見」を実施する不動産会社が増えています。

対面の接客は、コロナ禍となった当初は難しく、思うように営業ができない会社が多くありました。

購入する側も、感染する恐れがあることから、内見ができず購入をやめる、または先延ばしにすることも多くあったかと思います。

しかし、オンライン内見が浸透してきた今であれば、じっくり中を確認した上で購入が可能です。

不動産投資においても、このようなオンライン内見の浸透は追い風となると考えられます。

【関連記事】マンション経営のメリット・デメリットや失敗しないポイントを解説

コロナ禍でもおすすめの不動産

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コロナ禍においてもおすすめの不動産は「アパート・マンション」です。

供給数・価格どちらも2021年までは落ち込み気味でしたが、2022年前期(1〜6月)になって回復し、上向き傾向にあります。

また、コロナ禍であっても減少・下落の幅は小さく、大きな影響を受けていませんでした。

ウィズコロナへと動いていく2023年であっても、安定してニーズがあり、不動産投資で収益を上げ続けられる見込みがあります。

以下の動画でも不動産投資に役立つ情報を発信しています。是非ご覧ください。

まとめ

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この記事では「不動産投資へのコロナ禍の影響と現状、今後の予想・おすすめの不動産」について解説してきました。

〜記事のポイント整理〜

・コロナ禍であってもマンション不動産の需要は変わらない
・オフィス用不動産は空室率が上がっており、今後も上昇すると予測
・2023年に不動産投資を始めるなら「アパート・マンション」がおすすめ

エリアごとに価格や需要に変化はあるものの、人々の流れや動向をしっかりチェックすれば、アパート・マンションでの不動産投資は利益が見込めます。

供給数や価格の変動などを参考にしながら、不動産選びを進めていきましょう。


オンラインセミナーも随時開催しておりますので、スケジュールについては弊社ホームページ
セミナー情報」よりご確認ください。




【関連記事】アパート経営はいくら儲かる?収入や支出、5つの儲かるコツを解説

この記事の監修者

西尾 陽平
西尾 陽平
役職
土地活用事業部 執行役員
保有資格
資産形成シニアコンサルタント、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後同社へ入社し、地主さんの土地活用という資産形成や節税を実践で学び、現在は土地のない方へ、土地から紹介し不動産の資産形成の一助を行っている。実践の中で身に付いた視点で、分かりやすく皆様に不動産投資のあれこれをお伝えしています。