相続税が気になる方必見!マンション相続税の評価額の計算方法や節税方法を解説
相続税という言葉は知っているけど、具体的にはどれくらいかかるのか詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
相続税は計算方法があり、知識があれば節税することもできます。
その中でもマンションに関しての相続税はより複雑です。
本記事ではマンションの相続税評価額の計算方法や節税方法を詳しく解説しています。
相続に関しての基礎知識をつけ、正しい節税方法をすることが大切です。
相続税が気になる方は今後の参考にしてください。
目次
マンションの相続税とは?
相続税とは、財産を相続する際にかかる税金のことです。財産には保有の土地や建物といった不動産はもちろん、証券や金銭、資格が含まれます。
マンションは不動産の一部なので、相続する際にはもちろん相続税がかかります。
基本的には通常の一戸建てと同じ扱いになりますが、分譲マンションは専有部分や共有部分があるので少しだけ計算が複雑になります。
それ以外の基礎控除や計算方法は一戸建てと変わりません。
実際にマンションを相続する際には以下のような流れになります。
- 法定相続人を確認
- マンションを含めた遺産総額を確認
- 相続税の計算
法定相続人とは民法上財産を相続できる権利を持っている人のことで、被相続人の配偶者、子、父母、兄弟・姉妹です。
法定相続人が確認出来たら、相続する遺産をすべて金銭に換算し相続税を算出するという流れです。
それでは次に相続税の計算方法を解説しましょう。
マンションの相続税の計算方法は?いくらになる?
マンションの相続税の計算式は以下の通りです。
相続税額=(全ての相続財産額-基礎控除額)×相続税率
分譲マンションは区分所有建物と言って、建物の一部を所有していることになるため建物部分や土地部分に建物や土地の割合を乗じる必要があります。
それでは計算式に使う以下の3つの要素について詳しく説明していきましょう。
- 相続税評価額
- 控除額
- 税率
要素①:相続税評価額
相続税評価額とは、相続する財産を金銭に換算してどれほどの価値になるかを表したものです。
相続税評価額は具体的に土地と建物を別々に計算し、最後に足して算出します。
建物と土地の評価方法はそれぞれ異なるので1つずつ解説していきます。
建物の相続税評価額
建物部分の評価額は基本的に固定資産税の評価額を参考にします。
固定資産税の評価額は毎年納める納税通知書に記載されているので確認しましょう。
一般的にはマンション購入価額の70%程度と言われています。
土地の相続税評価額
土地部分の評価額は路線価というもので求められますが、地域によっては路線価がない場合もあります。
路線価は国税庁のホームページに記載されているので確認しましょう。
路線価がある場合の計算式は以下の通りです。
土地部分の相続税評価額=路線価(/㎡)×マンション敷地面積(㎡)×マンションの持ち分割合
路線価がない場合には
土地の評価額=固定資産税評価額 × 地域ごとに定める倍率×マンションの持ち分割合
で求められます。地域ごとに定める倍率は年ごとに改訂されるので注意しましょう。
要素②:控除額
控除額は、通常の一戸建てと同じ基礎控除が基本的には適用されます。
基礎控除の概要に関しては後ほど説明します。
基礎控除の計算式は以下の通りです。
基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)
法定相続人は計算前に確認しましょう。
要素③:税率
税率は以下の通り、国税庁により決められています。
法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000万円以下 | 10% | – |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
それでは以上を踏まえ、実際にマンションの相続税を計算してみましょう。
条件は以下の通りです。
マンションの全体面積(㎡) | 1,500 |
専有部分の面積(㎡) | 100 |
土地の路線価/㎡(円) | 40万 |
固定資産税(円) | 200万 |
法定相続人の人数(人) | 1 |
まずは建物部分の評価額を算出します。
固定資産税が200万円なので、そのまま200万円(①)が建物部分の評価額です。
次に土地部分の評価額を出します。
路線価がでているため、計算式に当てはめると、
土地部分の相続税評価額 =40万円×1500㎡×100/1500
=4,000万円(②)
となります。
これで土地と建物の評価額はそれぞれ算出されました。
次に控除額の計算です。
法定相続人が1人なので、控除額は以下の通りです。
基礎控除額 =3,000万円+(600万円×1)
=3,600万円(③)
最後に税率ですが、土地建物の評価額(①+②)から基礎控除③を引いた金額が600万円なので税率は上記表の1,000万円以下に該当します。
相続税 =600万円×10%
=60万円
このようにして計算すると、相続税は60万円となります。
マンションの相続税で活用できる控除
相続税には、以下の2つの控除を活用できます。
- 基礎控除
- 配偶者控除
それではそれぞれ詳しく説明しましょう。
控除①:基礎控除
前章で計算式にも用いられた基礎控除ですが、相続遺産の総額から一定額控除できる金額を指します。
つまり、基礎控除を超えない部分であれば相続税は非課税になる、非課税枠を設けているということです。
基礎控除がなければ、相続遺産を大幅に超える相続税になる可能性があるのできちんと基礎控除を含めて計算しましょう。
控除②:配偶者控除
相続税においてもう1つ適用できる控除が、配偶者控除です。
配偶者控除とは以下の金額のどちらか多い金額までは配偶者の相続税がかからなくなるという控除です。
- 1億6千万円
- 配偶者の法定相続分相当額
先ほどの例で法定相続人が配偶者であった場合、配偶者控除が適用され相続税は0になります。
引用元:国税庁|2022年|No.4158 配偶者の税額の軽減
マンションの相続税を節税する方法
相続税はなるべく節税したいと考えている人も多いのではないでしょうか。
実際にマンションの相続税は知識があれば節税できます。
主な節税方法は以下の3つです。
- 事前にマンションを購入する
- マンションを売却する
- 小規模宅地等の特例を活用する
それでは1つずつ詳しく解説していきましょう。
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方法①:事前にマンションを購入する
1つ目の節税方法は、事前にマンションを購入することです。
これは相続する遺産のほとんどが現金の場合に限りますが、現金をそのまま相続するより現金で不動産を購入し相続した方が節税できます。
理由は、購入金額よりも不動産の評価額が低いためです。
前述の通り、マンションの固定資産税の評価は一般的に70%と言われています。
そのため、相続前にマンションを購入することで節税対策になるのです。
方法②:マンションを売却する
相続したマンションを売却するのも節税方法の1つです。
相続したマンションをそのまま保有すると、相続税は評価額に応じた税率が課税されます。
しかしマンションを売却すると、売却金額に応じて税率が課税されることになります。
そのため、評価額より売却金額が低かった場合のみ節税になるのです。
逆に売却金額が評価額より高い場合は、節税どころか損をする可能性もあるので注意が必要です。
相続税だけでなく、相続したマンションを保有しておくメリット・デメリット、売却するメリット・デメリットも併せて検討しましょう。
方法③:小規模宅地等の特例を活用する
3つ目の節税方法は、小規模宅地の特例を活用することです。
小規模宅地の特例とは、相続する土地に関する特例である一定㎡以下の土地であれば、土地の評価額を減額できる制度になります。
ただし被相続人と相続人が同居していて、㎡数の要件を満たした場合に限り適用できる特例です。
建物ではなく土地のみの特例になるため、地価が高い場合には大きな節税効果となります。
引用元:国税庁|2022年|No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
まとめ:マンションの相続税について
マンションの相続税は一戸建ての相続税よりも複雑化しますが、基本的には計算式で算出できます。
相続税の算出には以下の項目が必要となります。
- 土地の評価額
- 建物の評価額
- 基礎控除額
- 税率
これらは固定資産税や路線価から算出される数字や国税庁によって決められている金額です。
また相続税には適用できる控除もあるため、自分の受ける相続に適用できる控除があるかどうかを確認する必要があります。
また、マンションの相続においての節税方法は以下の3つです。
- 事前にマンションを購入する
- マンションを売却する
- 小規模宅地等の特例を活用する
節税方法は相続の状況によって、確実に節税できるとは言えず検討が必要です。
大きなお金が関わることなので、メリットやデメリットをきちんと理解し計算した上で正しく節税しましょう。
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※不動産投資による節税は物件などの条件により効果が異なります。節税を目的とした投資をする際は専門家のサポートを受けながら行いましょう。