不動産投資のキャッシュフローとは?計算方法や重要な理由を3つ解説

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不動産投資にチャレンジしたとしても、利益が出せないのでは意味がありません。投資はただのギャンブルではなく戦略にもとづいておこなうものなので、押さえるべきところをきちんと押さえ、着実に利益を上げていくことが大切です。

不動産投資を長く続けていくにあたって重要なことの1つに、キャッシュフローがあります。極端にいえば、キャッシュフローさえきちんとしていれば、不動産投資で失敗することはまずないといってもよいでしょう。

この記事では、不動産投資におけるキャッシュフローの概念について解説するとともに、計算方法や改善方法などについても触れていきます。最後まで読むことで、不動産投資のもっとも重要なポイントが理解できます。

 


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不動産投資のキャッシュフローとは

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不動産投資におけるキャッシュフローとは、家賃収入からローンの返済や経費などを差し引いたもの、つまり手元に残る現金の流れのことで、キャッシュがどれだけ手元にあるかを表すものです。

不動産経営においては、よく「利回り○%」のような数字を目にします。しかしこれは「○%」の金額がそのまま利益(キャッシュ)になるという意味ではないので、注意しなければいけません。実際にどれだけの現金が手元に残るかを知るには、別の計算が必要となります。

たとえば表面的な利回りが同じであったとしても、金利などのローンの条件、物件の築年数などによって決まる減価償却費や稼働率などによって、キャッシュは大きく変わってきます。

キャッシュフローと帳簿上の利益の違い

不動産投資においてよく出てくる数字としては、家賃収入・減価償却費・管理費・経費・税金などがあります。これらを計算したものを帳簿上で管理します。いずれも重要ですが、帳簿上の数字とキャッシュフローは別のものだと覚えておきましょう。

キャッシュフローとは、現金などの「すぐに使える手持ちの資金」を意味しますが、帳簿上の数字は、取引が成立した時点の収入と支出を計上したものです。実際にお金が入ったり出たりするのは、帳簿上の日付よりあとである場合が多々あります。

したがって、帳簿上で利益があってもキャッシュが不足する、といった事態に陥ることもあり得るので、注意が必要です。

不動産投資でキャッシュフローが重要な理由3つ

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不動産投資においてキャッシュフローが重要である理由は、以下の3つです。

① 物件の評価が向上する
② ローンの繰り上げ返済が可能になる
③ 給与や生活費を投資に使わずに済む

いずれも安定した生活と投資を続けていくうえで大きな要素なので、以下の解説をしっかり読んで把握しておきましょう。

理由①:物件の評価が向上する

キャッシュフローがよい物件は、不動産としての評価が向上します。キャッシュフローがよいということは、家賃収入が高く、かかる費用が少ないことを意味するからです。そのため将来にわたって収益性が高い物件であるという判断につながり、たとえば売却する際に高く売れる可能性が生まれます。

考えるべき順序としては、以下のようになるでしょう。

・キャッシュフローをよくしたい
・キャッシュフローのために家賃を上げたい
・家賃を上げるために物件の魅力を高める

物件につぎ込んだコストが、優れたキャッシュフローという形で返ってくる仕組みです。

理由②:ローンの繰り上げ返済が可能になる

手元に豊富なキャッシュがあれば、不動産購入の際に組んだローンの繰り上げ返済も可能になります。これによって完済時期が早まり、返済総額が減少し、結果として収益性が向上します。

収益が増えれば自己資本が増え、次の物件の頭金や初期費用などに活用できますので、事業拡大のサイクルがよい具合に回っていくことでしょう。またキャッシュフローが良好になることで金融機関からの評価も高まり、融資を受けやすくなります。

理由③:給与や生活費を投資に使わずに済む

会社員として勤めながら不動産投資を兼業している場合、不動産投資のキャッシュフローに余裕がなくなると、給料などから支出を補わなければならなくなります。いうまでもなくこれは本末転倒な状態です。不動産投資が本業の収入や生活を圧迫するような状態は、何としても避ける必要があります。

キャッシュフローがしっかり回っていれば、給与や生活費を投資につぎ込む必要はありません。不動産投資をあくまでも副業として独立させ、本業とはまったく異なる「もう1つの収入源」として頼りにできます。

不動産投資のキャッシュフロー計算方法

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不動産投資におけるキャッシュフローの計算方法は、以下のように表せます。

キャッシュフロー = 家賃収入 ー(ローン返済額 + 運営経費)

計算式からわかる通り、家賃が高ければ高いほどキャッシュは残りやすくなります。とはいえむやみに家賃をあげては借り手がつかなくなるので、物件のクオリティや立地条件などとのバランスもしっかり考える必要があるでしょう。

ローン返済は、融資を受けた際に決められた計算通りにおこなわれます。借入金額や返済方式、返済頻度や返済期間などによって、毎月の返済額が決定します。インターネット上にはさまざまなローンシミュレーターが用意されているので、返済額について改めて調べたくなった場合には利用してみましょう。

運営経費にはさまざまなものがあります。管理費・清掃日・エレベーター費用・修繕費用などが該当します。ただしこれらを事前に正確に計算するのは難しいため、まずは概算で求めるのが通常の形です。

不動産投資のキャッシュフローを改善する5つの方法

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不動産投資においてキャッシュフローを改善する方法としては、以下の5つが代表的です。

① 家賃収入を増やす
② ローンの繰り上げ返済をおこなう
③ 自己資金比率を増やす
④ 不動産投資ローンの借り換えをおこなう
⑤ 空室率を下げてくれる管理会社を選ぶ

順番に見ていきましょう。

方法①:家賃収入を増やす

家賃収入を増やすのは基本中の基本です。前項で解説したキャッシュフローの計算方法からもわかるとおり、家賃収入からさまざまな支出を引いた残りがキャッシュとなるからです。そもそもの家賃収入が高くなければ、キャッシュフローをよくすることはできません。

家賃収入を増やすためには、市場のニーズに合った間取りや立地条件をしっかり考慮する必要があります。場合によってはコストがかかることを承知で、大規模なリフォームを実行したほうがよいこともあるでしょう。

方法②:ローンの繰り上げ返済をおこなう

ローンの繰り上げ返済をおこなうことで、キャッシュフローは改善します。支払総額が少なくなるのはもちろんのこと、完済が早くなればそのぶん資金面で安定する時期も早まり、経営が安定するからです。

もちろん繰り上げ返済するためにはそもそもキャッシュフローがある程度良好でなければならないため、「鶏が先か卵が先か」という話になってしまいますが、可能な限り手元の資金は繰り上げ返済に回すことをおすすめします。

方法③:自己資金比率を増やす

物件を購入する際に自己資金の比率を増やせば増やすほど、ローンの借入金額が少なくなります。借入金額が少なければ利子も少なくなるので、月々のローン返済額が小さくなり、手元に残る金額が大きくなるからです。

不動産購入時の自己資金の目安は、物件購入費用の2~3割といわれています。理論上は自己資金ゼロでも始められますが、購入後のキャッシュフローの点からおすすめはできません。

方法④:不動産投資ローンの借り換えをおこなう

不動産購入時に組んだローンを、別のローンに借り換えることも検討してみましょう。たとえば金利7%のローンから金利5%のローンに借り換えるだけでも、支払総額を大きく減らせます。不動産投資のためのローンは金額が大きいので、わずかな金利の差であっても大きな違いとなって表れます。

不動産を購入したときと現在ではさまざまな状況が異なっているはずです。購入時に選択できなかったローンを、現在であれば選択できることもあるので、金融機関のローン商品は定期的にチェックしておきましょう。

方法⑤:空室率を下げてくれる管理会社を選ぶ

どれだけよい物件を購入しても、借り手が見つからなければ利益につながりません。物件の管理は管理会社に委託することになるので、空室率を下げられるかも管理会社の能力にかかっています。

できる限り空室期間の少なく済ませられる、腕の良い管理会社を比較検討しましょう。

【YouTube】空室リスク回避法|空室リスクを下げるには?

まとめ

不動産投資におけるキャッシュフローについて、重要性や計算方法、注意すべきポイントなどについて解説しました。

基本的にキャッシュフローが良好であれば、不動産投資はいつまでも持続できます。物件の規模や良し悪しにかかわらず、手元に現金を残せるかどうかが投資の成否を分けるポイントとなります。

この記事を参考にして、ぜひキャッシュフローの改善について真剣に検討してみてください。

オンラインセミナーも随時開催しておりますので、スケジュールについては弊社ホームページ
セミナー情報」よりご確認ください。



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この記事の監修者

西尾 陽平
西尾 陽平
役職
土地活用事業部 執行役員
保有資格
資産形成シニアコンサルタント、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後同社へ入社し、地主さんの土地活用という資産形成や節税を実践で学び、現在は土地のない方へ、土地から紹介し不動産の資産形成の一助を行っている。実践の中で身に付いた視点で、分かりやすく皆様に不動産投資のあれこれをお伝えしています。