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日本の不動産価格は今後下がる?都道府県別の推移とともに見通しも解説

日本の不動産価格は今後下がる?都道府県別の推移とともに見通しも解説

不動産価格は株価と同様、時代背景によって変化します。
変動の要因はさまざまですが、社会情勢に左右されることがほとんどです。
近年、不動産価格は上昇傾向にありますが、今後は下がる可能性もあります。

この記事では、今後の不動産価格や都道府県別の推移・見通しを解説します。
不動産価格を左右する要因なども紹介するので、不動産を資産として保有している方や、不動産購入を検討している方はぜひ今後の参考にしてください。

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不動産価格の今後を知るうえで押さえたい指標

不動産価格の今後を知るうえで押さえたい指標は、以下の3つです。

  1. 不動産価格指数
  2. 地価公示価格
  3. 路線価

算出方法や意味を把握し、今後の予測に役立てましょう。

 

指標①:不動産価格指数

不動産価格指数とは、年間約30万件の取引価格情報を元に、不動産価格の動向を数値化したものです。
国土交通省により、毎月公表されています。

一般の方でも閲覧可能なため、不動産価格の動向を知る方法としてはメジャーなものです。
不動産の価格は数か月で変動するものも多いため、毎月もしくは2~3か月に1回程度確認し、価格動向を把握しましょう。

なお、本記事で後述する都道府県別の価格推移では、不動産価格指数と実際の取引価格を元にしています。

引用元:国土交通省|不動産価格指数

 

指標②:地価公示価格

地価公示価格とは、国土交通省により1年に1回公表される標準値の価格です。
毎年1月1日時点における1㎡あたりの価格を、不動産鑑定士が出します。
全国の標準値で出すため、適正な価格が示されるものです。

地価公示価格は、固定資産税の評価や相続税評価の基準になります。
インターネットでも調べられるため、今後の予測をするうえでは押さえておくべき指標です。

実勢価格とは異なることを理解しながら、不動産価格を示す1つの指標として必ずチェックしましょう。

 

指標③:路線価

路線価とは道路に接する土地の評価で、国税庁により毎年7月に公表されます。
地価公示価格や不動産鑑定士の評価で決定され、インターネットでも閲覧可能です。

地価公示価格の約8割程度になっており、相続税や贈与税などの税金を算出する際に用いられます。
路線価は道路に接する1㎡の土地価格で、地価公示価格と同様、基準として押さえておくべき指標の1つです。

過去の路線価もインターネットで確認できるため、数年の路線価を調べ、不動産価格の予測に役立てましょう。

 

不動産価格指数の推移

不動産価格指数は、以下2つに分かれています。

  1. 住宅用不動産の場合
  2. 商業用不動産の場合

それぞれ数年でどのように推移しているのかを知り、今後の予測をしましょう。

 

住宅用不動産の場合

住宅用不動産は、2020年から現在まで上昇傾向です。
2010年を平均の100とした場合、令和6年12月の不動産価格指数は下記の通りです。

区分 不動産価格指数
住宅総合 141.3
住宅地 117.6
戸建て住宅 118.9
マンション(区分所有) 207.1

中でもマンションの上昇率が高く、需要の増加が示唆されます。
近年都市部への人口流入が顕著で、それと同時にマンションの需要が高まることが予測されます。

今後も都市部への人口流入が止まらなければ、マンションの価格は高騰する一方で、地方の戸建ては低迷する可能性もあるでしょう。
このように数年の不動産価格指数を知り、今後の価格を予測すると、効率の良い資産形成が可能です。

なお、弊社ゴールドトラストでは、資産形成のノウハウを学べるプライベートサロンを運営しております。
お持ちの不動産を活かした、効率の良い資産形成方法を知りたい方は、「100億円資産形成倶楽部」のページをご覧ください。

引用元:国土交通省|令和6年不動産価格指数(令和6年9月・令和6年第3四半期分)を公表

 

商業用不動産の場合

商業用不動産は年によってばらつきがありますが、2010年から比べると住宅用と同様に上昇傾向です。
下表は、2010年を平均100とした場合、令和6年12月時点での商業用不動産価格指数は下表の通りです。

区分 不動産価格指数
店舗 154.0
オフィス 180.1
倉庫 119.4
工場 129.7

近年はオフィスの価格が高い一方で、倉庫や工場といった第一次産業は低迷が続いています。

商業用不動産は、年ごと・月ごとにばらつきがあるため、住宅用よりも頻繁なチェックが必要です。
商業用不動産を保有している方は、不動産価格指数を見て、ご自身の不動産がどれくらいの価格になっているかを確認しましょう。
今後、商業用不動産の購入を検討している方も、こまめに価格をチェックすることをおすすめします。

引用元:国土交通省|令和6年不動産価格指数(令和6年9月・令和6年第3四半期分)を公表

 

【都道府県別】不動産価格の推移

不動産価格推移は、都道府県によっても大きな差があります。
下記5つの都市ごとに、不動産価格の推移をチェックしましょう。

  1. 東京都
  2. 大阪府
  3. 愛知県
  4. 福岡県
  5. 宮城県

不動産価格の推移を把握し、今後の予測にお役立てください。

 

推移①:東京都

東京都の不動産価格は、下表の通りです。

マンション(万円) 新築戸建て

(万円)

土地(㎡単価)

(万円)

新築 中古
2023年12月 9,041 5,892 4,989 43.70
2024年6月 11,679 6,156 5,943 44.80
2024年12月 記録なし 6,228 6,137 44.43

マンション・戸建てに関わらず、2023年12月から上昇傾向にあります。
特に新築マンションは2024年6月で1億円を超える価格です。

それに比べ、新築戸建ては5,000万円〜6,000万円と新築マンションと比べると安定した価格になっています。
土地の㎡単価は44万円で落ち着いており、戸建て需要の低下に伴う土地価格の安定が示唆されます。
ただし、新築マンションの需要は増えているため、今後も東京都内ではマンション増加が見込まれるでしょう。

※不動産投資による節税は、物件などの条件により効果が異なります。
節税を目的とした投資をする際は、専門家のサポートを受けながら行いましょう。

引用元:

近畿レインズ|令和6年月例速報 2024(令和6)年12月度Market Watch
株式会社不動産経済研究所|過去の発表資料・データニュース一覧

 

推移②:大阪府

大阪府の不動産価格は、下表の通りです。

マンション(万円) 新築戸建て
(万円)
土地(㎡単価)
(万円)
新築 中古
2023年12月 3,987 3,209 3,414 18.79
2024年6月 9,039 3,236 3,795 16.12
2024年12月 記録なし 3,551 3,925 19.22

2024年6月の新築マンション平均価格は東京都の価格に近くなっており、2023年12月と比較すると倍以上になっています。
それに比べ、中古マンションや新築戸建ては3,000万円台で安定です。

新築マンションにつられ、大阪府内の中古マンションも価格が上昇する可能性も捨てられません。
上がらないからといって手放す前に、今後の動向をチェックしましょう。

引用元:

近畿レインズ|令和6年月例速報 2024(令和6)年12月度Market Watch
株式会社不動産経済研究所|過去の発表資料・データニュース一覧

 

推移③:愛知県

愛知県の不動産価格は、下表の通りです。

マンション(万円) 新築戸建て
(万円)
土地(㎡単価)
(万円)
新築 中古
2023年12月 記録なし 2,338 3,138 11.41
2024年6月 記録なし 2,378 3,227 11.20
2024年12月 記録なし 2,312 3,428 11.94

中古マンションより新築戸建ての価格が高いことから、東京都・大阪府以外の主要都市では、戸建ての需要がまだあると見受けられます。
ただ土地の価格は大阪府に迫ってきており、今後も上昇する可能性があるので注意しましょう。

新築マンションのデータはありませんが、駅前や開発計画がある地域は高くなる傾向があります。
今後の開発計画なども、あわせてチェックしましょう。

愛知県内で不動産投資を検討している方は、資産価値が落ちない地域について解説している以下の記事もぜひ参考にしてください。

【関連記事】【愛知県】資産価値が落ちない街ランキング!不動産投資がおすすめの理由も

引用元:近畿レインズ|令和6年月例速報 2024(令和6)年12月度Market Watch

 

推移④:福岡県

福岡県の不動産価格は、下表の通りです。

マンション(万円) 新築戸建て
(万円)
土地(㎡単価)
(万円)
新築 中古
2023年12月 記録なし 2,466 3,112 3.99
2024年6月 記録なし 2,534 3,184 4.26
2024年12月 記録なし 2,604 3,361 3.96

福岡県は、愛知県と似たような推移になっています。
中古マンションは2,000万円台、新築戸建ては3,000万円台で安定しています。
しかし、どちらも上昇傾向にあるため、今後も上昇する可能性も少なくありません。

土地単価は愛知県と比べると半分以下で、2024年6月から12月は下がっています。
首都圏から離れた地方から都市部への人口流出が原因になっている可能性もあります。

引用元:近畿レインズ|令和6年月例速報 2024(令和6)年12月度Market Watch

 

推移⑤:宮城県

宮城県の不動産価格は、下表の通りです。

マンション(万円) 新築戸建て
(万円)
土地(㎡単価)
(万円)
新築 中古
2023年12月 記録なし 2,469 2,746 4.30
2024年6月 記録なし 2,619 3,238 5.26
2024年12月 記録なし 2,632 3,510 4.40

宮城県も福岡県や愛知県と似た推移ですが、中古マンションと比較し、新築戸建てが700万円ほど高くなっています。
新築戸建ての需要があるためか、土地単価も福岡県より高くなっており、中古マンションは2,000万円台で安定中です。

新築マンションのデータはありませんが、福岡県や愛知県といった地方主要都市よりも下がることが示唆されます。
今後地方でのマンション購入を検討している方は、価格推移をきちんと確認し、開発計画などの下調べをしましょう。

引用元:近畿レインズ|令和6年月例速報 2024(令和6)年12月度Market Watch

 

今後の不動産価格を左右する要素

不動産価格を左右する原因は多数ありますが、そのなかでも今後大いに影響を与える要素は以下の3つです。

  1. 世界情勢
  2. インバウンド需要
  3. 金融政策

各要素がどのように不動産価格に影響するか、根本的な原因を考えながら予測しましょう。

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要素①:世界情勢

2022年以降は、ウクライナ侵攻や円安による世界情勢の変化が多くありました。
その影響でエネルギー価格の高騰や建築資材不足が引き起こされ、不動産価格が上昇しているのです。

過去にもリーマンショックやバブル崩壊が、マンション価格の下落につながった事例があります。
日本とは無縁の遠い地域の紛争なども、日本の不動産価格に影響を与えます。
不動産価格を予測したい場合は、国内の事だけでなく、国外の情勢も気にかけることが大切です。

なお、建築資材の高騰も今後続く見込みです。
高騰の原因や、対策について知見を深めたい方は下記記事をご覧ください。

【関連記事】建築資材の高騰はいつまで?原因や不動産投資家ができる対策も解説

 

要素②:インバウンド需要

2020年のコロナ騒動以降、外出自粛によりインバウンド数は減少傾向でした。
しかし、下表からも分かる通り、近年は徐々に観光客数も増加しています。

訪日外客数
2020 411万5,900人
2021 24万5,862人
2022 383万2,110人
2023 2,506万6,350人
2024 3,686万9,900人

特に宿泊施設や商業施設の需要が高まり、不動産価格上昇の一手を担っているのです。

また、円安の影響もあり、国外の富裕層からの需要も高まっています。
国内の需要だけでなく、国外からの需要も気にしながら価格予想をしましょう。

引用元:日本政府観光局|令和7年訪日外客統計

 

要素③:金融政策

2013年から続く国内の金融緩和政策も、不動産価格に大きな影響を与えています。

金融緩和とは、金利を引き下げることにより景気を上向かせる政策です。
金利が下がると市場に多くのお金が供給され、経済活動が活発になります。
経済活動が活発になれば景気が上向きになり、低金利で住宅ローンなどを組む人も増えるという仕組みです。

しかし、市場に多くのお金が供給されるとその分価値が下がり、物価が上昇するインフレが発生します。

不動産はお金と異なり、インフレ・デフレに影響されにくく資産を守る投資先になります。
そのため、インフレ時にも不動産の価格は保たれ、今後上昇する可能性まであるのです。

このように一見別の問題に見える金融政策やインフレなども、不動産価格に密接に関わります。
金融政策や金利などにも注目しながら、今後の不動産価格を予測しましょう。

 

不動産価格はどうなる?今後の見通し

今後、不動産価格は下記2つのようになる見通しと予測されています。

  1. 緩やかに下がる可能性がある
  2. 地域によって差が生まれる可能性がある

あくまで予測と可能性ですが、資産を守るために対策も一緒に検討しましょう。
なお2025年の不動産価格や今後期待できる地域などを知り、資産形成に役立てたい方は以下の記事もあわせてチェックしてみてください。

【関連記事】2025年以降に不動産価格が大暴落する?価格上昇が期待できる地域も解説

 

見通し①:緩やかに下がる可能性がある

緩やかに下がる要因として考えられるのは、下記の2つです。

  1. 金利の引き上げ
  2. 2025年問題

金利が上がると住宅ローンなどの融資を受けにくくなり、経済活動が減少します。
住宅ローンの利用が避けられ、不動産需要も低下します。
需要が少なくなると不動産価格も下がるため、緩やかに価格が下がる可能性があるのです。

また、2025年問題も要検討事項になります。
2025年問題では、下記のようなことが予測されます。

  • 労働力不足
  • 都市部への人口流入
  • 空き家の増加
  • 社会保障費の増加

主に高齢化社会になった影響で起こる事象ですが、これにより不動産価格は緩やかに下がる可能性があるのです。
不動産価格が下がった場合の対策も視野にいれながら、資産形成をしましょう。

 

見通し②:地域によって差が生まれる可能性がある

地域によって差が生まれる要因も、2025年問題と密接に関係があります。
高齢化社会の影響で都市部への人口流入は止められず、地方には空き家が増え、不動産価格が下がることが示唆されるのです。

空き家は景観の問題から、増加すると地域の地価を下げる恐れがあります。
高齢者の増加が顕著になる地域や開発予定のない地域は、不動産価格が下がる可能性があるため注意しましょう。

一方で、リニアモーターカーの好影響を受けると予測される東海地方は、不動産価格の上昇が期待できます。
今のうちから価格が上がりそうな地域、下がりそうな地域の予測を立て、今後の資産形成に役立てましょう。

なお、各地域の不動産価格が知りたいときは「不動産情報ライブラリ」の活用がおすすめです。
不動産情報ライブラリを上手く活用して、資産形成に役立てたい方は下記記事をご覧ください。

【関連記事】不動産情報ライブラリとは?掲載情報や特徴・賃貸経営で役立つシーンを解説

 

まとめ:今後の不動産価格は国内外の状況次第で変わりうる

不動産価格は、国内だけではなく世界情勢の影響を大いに受けます。
国内の金利や金融政策はもちろん、世界で起こっている状況にも目を向け、広い視野を持つことが大切です。
国が出している政策や、情報をいち早く入手できるよう、常にアンテナを張りましょう。

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この記事の監修者

西尾 陽平
西尾 陽平
役職
土地活用事業部 執行役員
保有資格
資産形成シニアコンサルタント、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後同社へ入社し、地主さんの土地活用という資産形成や節税を実践で学び、現在は土地のない方へ、土地から紹介し不動産の資産形成の一助を行っている。実践の中で身に付いた視点で、分かりやすく皆様に不動産投資のあれこれをお伝えしています。