少子高齢化が不動産業界に与える影響やおすすめの不動産を紹介
昨今の日本では、子供の人口が増えず高齢者の人口だけが増え続けていく少子高齢化の危機に直面しています。
そしてこの問題は、不動産業界にも大きな影響を与えてるのを読者の皆さんはご存知でしょうか。
本記事では、少子高齢化が不動産業界に与える影響と、そんな時代だからこそチェックすべきおすすめ不動産を紹介します。
目次
少子高齢化が不動産業界に与える影響
少子高齢化が不動産業界に与える影響として予想されているのは、住宅需要の現象に繋がる可能性があるという点です。
老人ホームや介護施設など高齢者向けの住宅は需要が増加するとされていますが、賃貸住宅を借りる独身の若い世代の住宅需要は減少すると考えられています。
これにより賃貸物件の空室リスクが拡大すると懸念されています。
賃貸物件の空室が増えると月々の家賃の値下げが強いられるうえ、不動産を売却する際に買い手を探すのが困難になるため、将来的な物件価格も下がってしまいます。
2030年問題とは?不動産業界との繋がりは?
少子高齢化が進むに伴い、最近よく不動産業界で耳にするようになったのが「2030年問題」です。
これは2030年に表面化する、少子高齢化による人口減少や人口構造の変化を起因とする日本の社会問題の総称で、社会保障や空き家問題、労働環境などに変化が生じると予測されています。
ここからは、2030年問題の具体例の一部を紹介します。
少子高齢化と人口の減少
1つ目は少子高齢化による人口の減少です。
日本の人口は、2008年に最大で1億2,800万人に達しましたが、その後減少傾向にあり、2030年には約1億1,900万人になると予想されています。
これは不動産業界や投資家にとっても重大な問題といえます。
人口減少が進むことで住宅の需要も減少するため、不動産市場にとっては厳しい状況が生じます。
そのうえ家族・夫婦の世帯数の減少や単身物件の需要減少など、求められる住宅のタイプにも変化が生じるため、不動産関係者には適切な対応が迫られます。
空き家の増加
空き家の増加も2030年問題のうちの1つです。
少子高齢化が進み高齢者が亡くなったり家族を失ったりすると、借り手のいない空き家が増えてしまい、不動産業界には悪影響です。
国内の空き家の数は、2018年までの30年間で約390万戸から約845万戸と増加しました。
特に賃貸や売却用に入用されていない空き家の数は347万戸にものぼり、これは2013年と比較して約30万戸の増加となっています。
また、今後20年間で築40年を超えるマンションは約280万戸増加すると予想されており、既にある建造物の老朽化も問題とされています。
このような空き家はまだ効果的な再利用の方法が見出せておらず、不動産業界にとっても課題の1つといえるでしょう。
引用元:総務省統計局|平成30年住宅・土地統計調査住宅数概数集計結果の概要
国土構造の変化
2030年から2040年までの間に日本各地へのリニア中央新幹線が開通され、東京圏・名古屋県・大阪圏の日本三代都市間の移動がより簡単になるといわれています。
地方間や主要都市へのアクセスが良くなることで、人々のライフスタイルや働き方にも変化がもたらされ、二拠点生活など人々の住宅選びの選択肢が増えるでしょう。
そのため今後の不動産業界では、マンスリー賃貸や民泊など多様化する住宅ニーズへの対応が求められると予測されています。
少子高齢化で価格変動が予測される地域
少子高齢化で価格変動が予測される地域としてまず挙げられるのが、郊外などの人口減少が顕著に影響する地域です。
高齢化に伴い、若い労働人口は仕事を求め都市部へ流れていきます。
そうすると、地方の小さな村などでは空き家が増えてしまい、家賃や不動産価格の下落につながります。
また、日本の不動産価格に変動をもたらす要因の1つとして挙げられるのがインバウンド需要です。
不動産業界におけるインバウンドとは、日本国外からの外貨での不動産投資が主で、最近では中国の投資家が日本の不動産を購入する動きが多く見られます。
特に東京23区内などの都市部の不動産は資産価値が高く、そのインバウンド需要は顕著です。
少子高齢化によって不動産や地価の価格変動が予測されるのは、そのようなインバウンド需要がない地方郊外です。
コロナ禍の外出自粛や訪日外国人の減少なども相まって、地方の地価は下落傾向にあります。
少子高齢化に向けて不動産業界の対策
ここからは、少子高齢化に伴い不動産業界へも大きな変化が予測されるなか、不動産業界が講じるべき対策を3つ紹介します。
- 時代・ニーズに合わせた住宅の提案をする
- 空き家の活用をする
- IT技術の導入をする
対策①:時代・ニーズに合わせた住宅の提案をする
不動産業界は、時代・ニーズに合わせた住宅を提案することが重要です。
例えば、少子高齢化に伴い、高齢者向けの住宅や単身世帯向け物件の需要が増えます。
また、消費者の環境問題への意識の高まりや健康志向など、不動産業界は時代にあった住宅・サービスの提案が求められます。
時代・ニーズに合わせた住宅の具体例
- 老人ホームなどの高齢者向け施設
- 労働世代の単身者向け物件
- 外国人対応の物件
- マンスリーマンションなどの短期住宅
- 省エネなど環境へ配慮した住宅
【関連記事】サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の補助金制度とは?
対策②:空き家の活用をする
空き家が多く存在する地域では、その活用が求められます。
昨今、働き方の変化などにより、人々が都市部から地方郊外へ移住する動きも見られます。
そのため、郊外にある空き家を活用・リノベーションし賃貸経営することで既にあるストックを有効活用できます。
また、空き家を高齢者向けの住宅にリノベーションすることで、高まる高齢者からの需要を満たすことも可能です。
空き家の活用の具体例
- リノベーションして賃貸経営
- 高齢者施設
- 地方移住者向けの住宅
- 貸しオフィスや倉庫
対策③:IT技術の導入をする
IT技術の積極的な導入も、少子高齢化に向けた不動産業界が取れる対策として効果的です。
loTやAIなど最新のIT技術をサービスや住宅物件に導入することで、不動産業界のビジネスモデルをより効率的なものにすることが可能です。
IT技術の導入の具体例
- ITシステムによる防災案内や災害状況の監視
- 不動産業者による顧客管理ツールの導入
- オンライン内見・オンライン契約
今購入するのがおすすめの不動産
このような状況に鑑みて、購入するのがおすすめの不動産は、以下のようなものです。
- 高齢者向けの住宅
- 首都圏の単身者向け物件
- 公共交通機関のアクセスが良いベッドタウンにある戸建て住宅
少子高齢化に伴い高齢者からの需要は長期的に続くと予想されるため、老人ホームなど高齢者向け施設への投資は安心でしょう。
また、労働世代の単身者向け住宅や、都市部で働く親のいる家族世帯へ向けたベッドタウンにある戸建て物件などへの需要も続くと予想されており、投資価値は高いと考えられています。
以下の動画では、お金に関する知識や不動産投資について詳しく解説しているので、興味のある方は是非チェックしてみてください。
まとめ
少子高齢化が不動産業界に与える影響と講じるべき対策を詳しく解説しました。
高齢化社会が不動産業界に与える影響はネガティブなものが目立つと予想されています。
しかし、このような社会だからこそ増える需要もあるため、不動産投資を検討する際は、このような社会問題が不動産や土地の価値に将来的にどう影響するのか、慎重に考えてみてください。
【関連記事】サ高住経営は儲かる?メリット・デメリットや注意点をわかりやすく解説
オンラインセミナーも随時開催しておりますので、スケジュールについては弊社ホームページ
「セミナー情報」よりご確認ください。