円安が不動産投資に与える影響とは?有効な3つの理由も解説
円安が続くなかで、不動産投資に与える影響が気になる方も多いのではないでしょうか。
物価高などマイナスなイメージがありますが、 上手く円安を利用すれば不動産投資でさらなる高収入を見込める可能性もあります。
しかし「家賃収入が減るのでは?」「不動産価値が下がるか心配…」など、悩み始めると投資するか迷う方もいるでしょう。
そこでこの記事では、円安が不動産投資に与える影響と有効な3つの理由について解説します。 円安についての基本情報やメリット・デメリットなども紹介するので、不動産投資を始める参考にしてください。
目次
円安の状況と要因
アメリカと日本の金利政策の違いから、2022年12月時点でのドル円の為替レートは1ドル135円台を記録しました。
9月には1ドル145円台・10月には1ドル150円を超えるなど、1990年以来およそ32年ぶりの円安水準にまで到達し、連日ニュースを騒がせています。
円安の要因の一つとしてアメリカがインフレを封じ込めるため急激に金利を上昇させているのに対し、日本がゼロ金利対策を継続している点が挙げられます。
世界中の投資家が金利がついて儲けられるドルを買い、円を売る動きに転じているため通貨の価値が下がっています。
また、ウクライナ情勢が緊迫化したことも円安を助長させました。 ドルは戦争など国際的な危機の場合でも強いと考えられているので、ドルを買う動きが続いています。
円安のピークは超え、2023年にはドル安円高に転換する見方もありますが、まだまだ不安定な情勢です。
引用元:
・急速に進んだドル安・円高の背景と今後の見通し|三井住友DSアセットマネジメント
・円安加速 1ドル=150円超 何が要因なの?説明します|NHK国際ニュースナビ
・円相場 一時1ドル=150円台 1990年以来 約32年ぶりの円安水準|NHKニュース
・円相場1ドル=145円台後半に “ウクライナ情勢緊迫化も一因”|NHKニュース
・2023年は円安よりも円高リスクに注意|大和総研
円安が不動産投資に与える影響
円安が不動産投資に与える影響は、主に5つあります。
・インフレ効果で不動産価値が上昇する
・海外の投資家による不動産購入が進む
・海外の不動産は購入しにくくなる
・住宅ローンの金利が上昇する可能性が高まる
・木材などの原材料の高騰により建築費用が増加する
最初に押さえておきたいポイントは、円安により海外から日本の不動産を購入しやすくなり、日本から海外の不動産を購入しづらくなることです。
海外投資家からの需要が高まることや、インフレの影響で不動産価値が上昇していきます。 特に都市圏のマンションへの影響が大きく、海外投資家から見ると日本のマンションは割安な状態です。
円安・インフレ対策として金利が上昇する可能性があるので、住宅ローンの金利も影響を受けます。
実際に2022年12月時点で日銀から長期金利の上限を0.5%へ引き上げるとの発表がありましたが、そうなると影響を受けるのは固定型ローンです。
変動金利の上昇は限定的と見られているようです。
また、木材などの原材料が高騰するため、建築費用が増加して初期投資が高額になるケースもあるでしょう。
引用元:
・利上げとはどのような政策?為替・株価・物価に与える影響とは?|三菱UFJ銀行
・日銀が緩和縮小、長期金利の上限0.5%に 事実上の利上げ|日本経済新聞
・<Q&A>住宅ローン金利や物価はどうなる? 日銀の金融緩和修正は暮らしにどう影響するか|東京新聞WEB
円安でも不動産投資は有効な理由
円安でも不動産投資が有効な理由は、以下の3つです。
・家賃の減額を要求される可能性は低い
・海外からの投資需要は上昇
・実物の資産を持てる
それぞれの理由を確認し、不動産投資を検討してみましょう。
理由①:家賃の減額を要求される可能性は低い
円安でも不動産投資が有効な理由の1つ目は、家賃の減額を要求される可能性は低いという点です。
家賃の減額は民法で要件を定められており、単に「円安」や「物価高」という理由で減額を要求されることはありません。
むしろ円安の影響でインフレが起こると賃金が増加し、高額な家賃を設定できるため不動産収入で稼ぎやすくなります。
ただし、物価高の影響は軽く見られないので、設備費・修繕費・光熱費などの増加や賃金が上がらないと入居者が減る可能性は考えておきましょう。
理由②:海外からの投資需要は上昇
円安でも不動産投資が有効な理由の2つ目は、海外からの投資需要が上昇している点です。
都市圏の高級マンションであったとしても、海外投資家から見れば円高時に購入するよりも格段に割安となっています。
ニューヨークなど世界的な都市に比べても、東京などのマンションは元々安価なので円安でさらに購入が進行しているのも特徴です。
エリアにもよりますが、物価高の影響や人気が集中することで不動産価値も上がっていくため、さらに価値が高まったタイミングで売却できます。
ただし、ドル安円高に転じる可能性もあり、急速に不動産の売りが進むと価値が下がるケースもあるので注意しましょう。
理由③:実物の資産を持てる
円安でも不動産投資が有効な理由の3つ目は、実物の資産を持てることです。
「実物資産」とは不動産をはじめとして貴金属など形があるもので、その物に価値がある資産のことです。
円安で円の価値が下がっていくなかで、インフレの影響で不動産価値は逆に上がっていくのが魅力です。
また、マンションであれば家賃収入を得られるため、社会情勢に左右されにくく安定的な収入を得やすいといえます。
メリットがある一方で、修繕やメンテナンスに費用がかかったり、災害などの影響を受けたりする可能性があるのでリスクヘッジもしましょう。
円安で不動産投資をするメリット・デメリット
円安で不動産投資をするメリットはさらなる不動産価値の上昇を見込めるところ、デメリットは建築費用が高額になるところです。
後悔しないためにも、メリットとデメリットの両方を確認しておきましょう。
メリット
円安で不動産投資をするメリットは、以下の4つです。
・さらなる不動産価値の上昇を見込める
・海外投資家に高額で売却できる
・今後インフレや円安が進んでも影響を受けにくい
・高額な家賃設定にしやすい
円安やインフレが進むと不動産価値は上昇し、投資家からの人気が高まるとさらに価値が上がっていきます。 エリアや不動産の状態によっても変化しますが、購入時よりも高額で売却できるのが魅力です。
家賃収入を得る場合には、インフレの影響で賃金が上昇しているので高額な家賃設定ができます。
現物資産を手に入れられるため、将来の保険としての役割も果たすでしょう。
デメリット
円安で不動産投資をするデメリットは、以下の3つです。
・建築費用が高額になる
・修繕費・設備費・光熱費など維持費が高額になる
・円安がいつ円高に転じるか予測できない
円高時は不動産価値が高いですが、全般的な費用も高額になるので、より慎重に検討する必要があります。
建築費用は木材などの材料費はもちろん人件費なども高騰するため、しっかりと試算してください。
また、円安が円高になるタイミングは誰にも予測ができないので、いつまで不動産価値が上昇するかは分かりません。
大暴落する可能性なども必ず考慮しましょう。
円安で不動産投資をするなら長期的な投資がおすすめ
安定した収入を継続的に得られるため、円安での不動産投資でも長期的な運用がおすすめです。
円安とインフレの影響で賃金が上がりやすく高額な家賃に設定できるので、一定して高収入を獲得できます。
また、初期投資や維持費はかかりますが、価値がゼロになるリスクが低く社会情勢に左右されにくいので長期的な運用が効果的です。
いつでも売却できるので、保険として投資しておくと万が一のときも安心できます。
物価高の影響で建築費用が高額になるものの、家賃収入を見込んだマンション投資は少ない自己資金で始められるため負担を分散できるのもポイントです。
【関連記事】不動産投資で成功する人の特徴5つと失敗する人の特徴5つを紹介
まとめ
円安が不動産投資に与える影響は、インフレ効果や海外投資家からの需要が高まるため不動産の価値が上昇することです。
その他にも、住宅ローンの金利上昇や原材料の高騰により建築費用の増加などが考えられます。
家賃の減額を要求されるリスクが低く、実物の資産を持てる不動産投資は円安時期こそおすすめです。 海外投資家からのニーズも高いため、購入時よりも高額で売却できる可能性もあります。
ただし、費用も高額となる場合があるので、建築費用をはじめとして設備費・修繕費・光熱費などの維持費を含めて十分検討しましょう。
この記事を参考に、円安を活用して不動産投資にチャレンジしてみてください。
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