【補助金で成功】空き家を有効活用するために必要な補助金と申請方法を解説
近年、空き家の急増を受けて「どのように空き家を活用していくか」ということに注目が集まっています。
しかし、空き家は長い間放置されている場合もあるため、改修や解体の検討が必要な場合も。
そのため、空き家の活用を考えている方にとっては、資金面での不安がある方も多いのではないでしょうか。
本記事では、空き家を活用するための補助金の制度やその申請方法について解説していきます。
空き家問題を抱える方は、本記事を参考に補助金を上手に利用し、空き家の有効活用に取り組んでみてください。
目次
空き家を活用する際の補助金とは?
全国的に空き家の急増している現状は、倒壊の恐れや地域の治安面でも大きな問題です。
そのため政府や地方自治体は、補助金制度を設けています。
空き家を活用を目的として、安く住むための補助金や改修にかかる費用を軽減する補助金など、さまざまな補助金が用意されている点も大きな特徴です。
補助金を利用して空き家に住めるようになれば、社会問題の解消につながり、有効活用される資産となるでしょう。
空き家活用におすすめの3つの補助金
空き家活用におすすめの補助金は、以下の3つが挙げられます。
- 家賃低廉化支援制度
- 改修工事費支援
- 空き家解体補助金制度
それぞれ詳しくみていきましょう。
補助金①:家賃低廉化支援制度
1点目は、家賃低廉化支援制度です。
家賃低廉化支援制度は、以下の方が入居する際に適用されます。
- 高齢者
- 障害者
- 子供が多い世帯(多子世帯)
- 災害時に避難支援が必要な世帯
これらの入居者を受け入れると、空き家のオーナーに対して国と地方自治体から最大4万円の支援が受けられる制度です。
この支援金は入居者に支払われるのではなく、空き家のオーナーに直接支払われます。
そのため、家賃を安く設定することが可能で家賃滞納のリスクを抑えられるでしょう。
概要・目的
現在の日本では、高齢者・障害者・子供が多い世帯において、住宅の確保が難しい場合があります。
住宅の確保が難しい方に向けて、家賃が安く抑えられている住宅に住める「家賃低廉化支援制度」が開始されました。
家賃低廉化支援制度を適用するためには、建物が「住宅セーフティネット制度」の基準を満たす必要があります。
住宅セーフティネット制度とは、増加傾向にある空き家を活用して住宅の確保が難しい方の入居をサポートする制度として2017年からスタートしました。
集合住宅の場合には、1部屋(住戸単位)での登録が可能なため、活用しやすいのも特徴です。
セーフティネット登録住宅についてはセーフティネット住宅情報提供システムから検索できます。
受給条件
この家賃低廉化支援制度を利用するためには、建物・入居者ともに以下の条件を満たす必要があります。
- 建物:セーフティネット住宅として登録が必要
- 入居者:住宅確保に配慮が必要で低所得者の方
この支援制度は2021年に子育て世代の対象を拡大しており、特に子供が多い世帯(18歳未満の子供が3人以上)の支援を強化しています。
主な条件は以下の通りです。
現行制度 | 子育て世代への支援強化 | |
対象世帯 | 月収15.8万円(収入分位25%)以下の世帯 | 子供が多い世帯:月収15.8~25.9万円(収入分位25~50%)
子育て世代・新婚世帯:月収15.8~21.4万円(収入分位25~40%) |
住宅の要件 | 原則25㎡以上 | 床面積が40㎡以上である |
低廉化の対象 | 家賃、家賃債務保証料 | |
補助率 | 国1/2+ 地方自治体1/2 | |
支援期間 | 原則10年以内 | 子育て世帯・子供が多い世帯:最大6年間
新婚世帯:最大3年間 |
引用元:セーフティネット登録住宅(専用住宅)の家賃等の低廉化支援専用住宅)の家賃等の低廉化支援(公的賃貸住宅家賃対策補助)
手続きの流れ
セーフティネット住宅として登録するには、以下の4つの手続きが必要です。
- 登録窓口への事前確認
- 事業者(賃貸人)のアカウント登録
- 登録申請
- 登録情報の公開
最初に、登録窓口への事前確認です。
セーフティネット住宅として登録するための受給条件は上記のとおりですが、都道府県や市町村が独自に基準を設けている場合があります。
基準がわからない場合は、窓口で事前相談を受け付けている場合もあるため、 地方公共団体ごとの問合せ先から相談してください。
2つ目は、事業者(賃貸人)のアカウント登録です。
申請の際には事業者ごとにアカウント登録しましょう。
法人名・住所・Eメールアドレスなど、基本的な情報を入力すればログインID・パスワードが通知メールにて送信されます。
3つ目は、登録申請です。登録申請は、事業者メニュー画面から必須項目の入力が可能です。
入力情報の確定後、登録申請書が作成され、登録窓口に申請されます。
情報確定後は、情報の修正や編集には手続きが必要となるため、間違えないように注意してください。
最後に、登録された情報に問題がなければ情報が公開されます。また、登録する地域によっては、登録手数料が必要です。
補助金②:改修工事費支援
改修工事費支援は、空き家を改修する際に1戸につき最大100万円が支給される制度です。
「バリアフリー対応にしたい」や「耐震性を強化したい」といった目的に活用できます。
空き家のリフォームのコストを抑え、資産価値を高める制度としておすすめです。
引用元:一般財団法人 住宅保証支援機構|令和4年住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業
概要・目的
セーフティネット住宅の基準を満たしていない場合に、改修するための費用を一部負担してくれる補助金制度です。
住宅の確保が難しい方に対して、最低限の生活環境を整えるために活用されます。
受給条件
改修工事費支援は、住宅の確保が難しい方に住んでもらうための改修であることが前提条件です。
そのため、セーフティネット住宅の基準を満たすように改修しなければいけません。
主な条件は以下の通りです。
国による直接支援 | 国と自治体との連携支援 | |
補助対象工事 | ①耐震改修 ②バリアフリー改修 ③防火・消化対策 ④共同住宅にするための間取り変更 ⑤子育て世帯に対応するための改修 ⑥居住のための最低限必要な改修 など |
|
入居対象者 | ・子育て・新婚世帯・高齢者世帯・障害者世帯等
・低額所得者(月収15.8万円(収入分位25%)以下) ・被災者世帯 |
・子育て・新婚世帯・高齢者世帯・障害者世帯等 (月収38.7万円(収入分位70%)以下)
・低額所得者(月収15.8万円(収入分位25%)以下) ・被災者世帯 |
補助限度額 | 工事費の1/3 | 工事費の2/3 |
上限金額 | 50万円/1戸 | 100万円/1戸 |
この改修工事費支援は、「国による直接支援」か「国と自治体との連携支援」かによって、補助割合や上限金額が異なるため注意してください。
その他エレベーターの設置や、車椅子の方でも利用できるトイレや浴室を整備した場合には補助限度額が加算されます。
手続きの流れ
改修工事費支援を受けるには、以下の手続きが必要です。
- 交付申請
- 改修工事
- 完了実績報告
- 定期報告
最初に、交付申請の申し込みをしましょう。この時、工事着手していないことを証明する写真が必要なため、交付が決定してから改修工事に取り掛かりましょう。
次に、改修工事を実施します。工事に着手した写真の提出が求められるため、注意してください。
3つ目に、改修工事の完了報告をしましょう。報告書類に基づく事前審査が終わり、完了報告書に問題がなければ補助金が交付されます。
最後に、1年に1回(10年間)定期報告が必要です。また、登録内容に変更がある場合には、変更内容の確認や審査が求められます。
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補助金③:空き家解体補助金制度
空き家解体補助金制度は、空き家を解体するための費用を一部補助してくれる制度です。
空き家解体の補助金制度は、自治体ごとによって呼び名や補助金の額が異なります。
空き家の解体を検討している方は、自分が住んでいる地域の補助金制度を確認しておきましょう。
人に管理されていない空き家は、放置すると老朽化がますます進み、倒壊や崩壊の恐れが高くなります。
倒壊してしまうと近隣住民に迷惑をかけるだけではなく、行政指導が入る場合もあり注意が必要です。
概要・目的
空き家の解体補助金制度は、長年放置することで倒壊の恐れや景観・衛生の観点から問題がある空き家に適用されます。
空き家の解体には、大きな金額が必要となり経済的な負担が避けられません。しかし、補助金を受け取ることで経済的な負担を抑えられます。
受給条件
空き家解体補助金制度を受給するためには、空き家の所有者による申請が必要です。空き家の所有者が複数人いる場合には、全員の同意を得る必要があります。
また、過去に同じような補助金を受け取っていないことや、市税を滞納していないかも重要な条件です。
手続きの流れ
空き家解体補助金制度を利用する際には、解体する前の申請が必要です。解体後に申請しても、補助金は交付されないため注意してください。
申請する団体や地方自治体の基準をクリアしていれば、空き家の解体・除去の費用の一部を負担してくれます。
詳細な受給条件は、申請する団体や地方自治体によっても異なるため、自分が住んでいる地域の市役所などに相談してみてください。
空き家問題に関する支援制度の詳細は、「地方公共団体による空き家対策支援制度」検索サイトをご覧ください。
まとめ:空き家を活用する際の補助金
空き家を放置してしまうと、倒壊や崩壊の恐れがあるだけでなく、防犯や衛生面での問題も発生します。
空き家は今後も増えることが予測されており、どのように活用していくかが大きな課題です。
しかし、空き家の活用を考えた際に、1番の懸念事項は経済的な問題の方が多いと思います。
本記事で紹介した国や地方団体の補助金制度を利用して、空き家を上手に活用してください。
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